第7話 紗耶香とのお出かけ
二人のスマホには笑うほどの通知が来た。
一日でたくさんの応援者ができた。後は次の作戦を進めるだけだ。
いったん拡散したものは、しばらく置いておいても勝手に拡散され続ける。俺たちには久しぶりに休みがやってくるのだ。
「
「何?」
「私たち、しばらく拡散が進んでる間暇じゃない?だからその間に出かけたいなと思って。」
「どこか行きたいところがあるの?」
「遊園地に行きたいなと思って。」
俺は未来の世界に来てから確実に異性との距離感覚を失っている。
いや、感覚だからくるうといったほうが正しいか。
それはいったん置いておいて、絶対に前の世界の俺なら遊園地にはいっていなかっただろう。ましてや女の子と二人きりでだ。
反則級の可愛さで俺のいたって正常な脳がイかれてしまうという可能性があるからだ。
だが、かわいい女の子に少しもじもじしながらお願いされては断り切れないというのも男の
「じゃあお互い暇な日に近くの遊園地に行こうか。」
俺は
「明日は暇?」
「うん。この作戦会議がなくなったら俺はやることがないからね。」
「なら、明日私の家の前に10時にきてちょうだい。」
「分かった。じゃあまたな。」
そう言って俺は紗耶香の家から帰った。俺らの会話はまだたどたどしいが、遊園地に行くのは楽しみだ。
今の家で生活し始めてからかなり時がたち、いくつか気づいたことがある。
一番大きなことはこの家の本当の持ち主は女性っぽいということだ。お風呂にあるシャンプーなどは女ものだった。また、ところどころに人形が置いてある。男子の部屋なら考えられない量あるのでおそらく女性の物だろう。
そんなことを考えている間に家に着いた。最初は自分の家から紗耶香の家までの道は、紗耶香に聞かなければわからなかったが春休み中通っていたのでもう慣れた。本当に一体俺をここに連れてきたのは誰なんだろう。
俺は約束の10分前に紗耶香の家に到着した。緊張と期待で早く起きてしまったので約束の時間まで暇だったからだ。いつもの自分なら絶対にぎりぎりの到着だったであろう。
俺は正直言って普通の遊園地には興味はない。だが近代化した遊園地というのならまた話は別だ。自分がいた世界の遊園地に比べたら、とても楽しみだ。
時間ぴったりに紗耶香がやって来た。
「間に合ったー 少しぎりぎりだけどセーフよね?」
「うん、セーフだよ。どこに行きたいとかある?」
「もちろん。じゃあ行こう。」
未来の遊園地では予約などがスムーズにできて、全く並ぶことなく回ることができた。
「まずはジェットコースターよ。」
紗耶香はこの遊園地には来慣れているらしく、俺は紗耶香についていくことにした。
すげー。俺一瞬すごく驚いた。ジェットコースターは近代化されていて、超電導リニアモーターカーになっていた。とてつもないスピードになるが、それに耐えられる安全装置が開発されている。
怖そうだな。これが驚きともにでた感情だった。
「さっさと乗るわよ。」
「ハイハイ。」
今日の紗耶香のテンションがいつもに比べて高いのは気のせいだろうか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます