An elevator that never stops
エレベーターが求めたフロアで止まるとは誰が保証してくれるのか
現代のグラシャボラスは乗用に使う従僕となるのか・・・・・
チンッ
甲高い音と共に妙に重厚感のある扉が開く。
「えっと、紳士服売り場は何階だったかなと。」
ん?ボタンがない。
ブゥ~~~ンと低い音を立てながらエレベーターは動き出す。
「え?ちょっ?え?」
そこは、どこかへ行きたい、降りたいといった意思など示しようがない空間だった。
暫くすると外の光がさした。
まぶしいと思ったのは体感的にも実際にもほんの数秒のことだった。
目が慣れ外を眺めると、とてつもない速さで風景が流れているようで止まって見えた。
瞬く間に暗闇の中へと飲み込まれた
光の速さを超えた世界。人が視認できない世界。
時間も時空も超え、肉体も置いていきあるのはただ自我のみ。
思考することはできる。果たして人とは何を示したものなのか。
自我のみとなり、存在を確認する術は、自分が自分であると哲学するのみであった。
人が人であるであるには人であると認識するには
その折ひとつの事を思い出す。
俺はただ靴下が欲しかっただけなのだ。
「ママ、くしゃいの」
「え、漏らしちゃったの?次の駅で替えようね。」
そう、眼下に立つその子は私の目を見つめがら、母へ訴えかけていた。
停車後、トイレへ駆け込み自分の靴下の匂いを嗅いだ。
私は慌ててデパートへと走った。
その後、その後、、
はっ
気が付くと個室のトイレの中でうなだれていた。
「なぜ・・・」
片手には靴下が、おもむろに鼻先へと近づけると
チンッ
甲高い音と共に妙に重厚感のある扉が開く。
「えっと、紳士服売り場は何階だったかなと。」
ん?ボタンがない。
ブゥ~~~ンと低い音を立てながらエレベーターは動き出す。
「え?ちょっ?え?」
そこは、どこかへ行きたい、降りたいといった意思など示しようがない空間だった。
「あら、マー君うんちしてないじゃない」
人文科学の知識を与える一方で、殺戮の達人でもある・・・
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