第7話 あとがき
この「F∴A∴凛香とフーミンの事件簿」は秘蔵 審氏のお書きになった3つの話からのスピンオフストーリーになります。
現在、エブリスタで連載中の「胡乱の城」https://estar.jp/novels/25607433 (2020.5.22完結)で描かれたフーミンとその娘 凛香が今回のスピンオフの主人公になっています。
設定等を参考にさせていただいた秘蔵氏の作品は
「兄弟Diabolus」https://estar.jp/extra_novels/25628038
と
「黑矢木山奇譚」https://estar.jp/novels/25544218
という作品になります。
伊達文哉ことフーミンは破茶滅茶なように見えて実は違った顔を持っているはずではないかと思っています。
「胡乱の城」で描かれた彼はアイドルグループの熱狂的なファン。
「兄弟Diabolus」で描かれた彼は女性団員に対するセクハラ大魔王。
それが原因で団は解散。
そういう顔もフーミンの顔でしょうが、 実はもう一つの顔のほうが本当の顔なのではないかと思っています。
愛娘凛香に見せる顔(実際には見せていない顔なんですが。恥ずかしくて見せられない…)
父親として娘にかける愛情と魔術師として娘に期待し同時に心配しまくっているであろう姿を想像してしまいました。
おそらくは本編中ではあまり語りたくても語られない部分であろうと推測します。
このあたりが今回のスピンオフを書くきっかけになっています。父娘の関係性に焦点を当てたらいったいどういうストーリーになるのだろうか? これが今回の複数作品コラボの原点になります。
昨年の夏、同じく秘蔵 審氏のお書きになった「花壇の華」をベースに今回と同じように2次創作で何作品か「Cluster Amarylis」というタイトルで短編集を書かせていただいたこともあり、今回は意外とスムーズに書くことができました。
フーミンや真壁さん、ジェディをはじめキャラクターは特徴があるのであとはストーリーをどう展開するか。
で、ふと思いついたのが(自分的にはあまり得意な分野ではない)「ホラー」
ただ、主人公が小学4年生設定なので、小学生が扱ってもあまりグロくならず、死人も出ず、現実世界の話のようであって夢の世界での話ということを基本コンセプトにしました。
そこに魔術的な解釈や思いを入れ込めやしないか?と。 これが横軸。
ストーリーは「正義」を重んじる話を縦軸にして、謎を解き明かす探偵稼業なんていいかも知れない(そうはなりませんでしたが…)
普段はおちゃらけていてもいざとなったら頼りになるフーミンを描きたかった。
例を挙げると、
①ジェディが何にも言わなくてもフーミンは凛香が起こしそうな行動はあらかじめ予測できるから、見計らって家に帰り、心配そうに外から凛香を見守っていた。
②フーミンが実体で凛香について行ったのは物理的に凛香を守るためと霊的(ちょっと語弊はあるけど)に守りをかためるため。(フーミンは口ではあんなこと言ってるけど、)
③ 「調べ物があるからお店よろしく〜」ってジェディに言ったのは、実は幽崩社へ行って中村心護と会って情報を得ていた(本当かw!?)とか。
④まーくんの夢の中で、台の上にあった匣の蓋が、まーくん・凛香が触れてすぐにいきなり風に吹き飛ばされた。風を起こしていたのはフーミン。
⑤フーミンも実は光体になって凛香と一緒にまーくんの夢をみていた。だから、『これはヤバい!』と思った瞬間=炎が凛香に牙をむいた瞬間 に彼女の光体を強制的に現実世界に戻すのに絶妙のタイミングで水をかけた。火 vs 水って図式。あの水はただの水ではないw それも見越してタオル持ってたとか。でも、そのタオルは大のお気に入りタオル。
⑥父親は最後まで娘の味方でいたい。でも、言いたいことはある。→魔術的なことは真壁さんにお願いして語って諭してもらい、最後まで父親でいようとした。でも、そんなこと凛香がわかるわけないので、《変態オヤジが頬ずりしてきたw!》レベルでしか認識してない。だから思いっきり肘鉄!(それがわかるようになるのはきっと中学生の後半だろうな…)
などなど娘心配するあまりわからないように暗躍するフーミンでした。このあたりはト書きにも書けない情報。(終わったらあとがきに書こうと思っていたことです)
それを娘 凛香に気づかせることなく
そうすると凛香のレベルでは到底うかがい知れない「馬封眼州神託 予言サレシ進化の書」にまつわることや、その書に対する解釈の差を「正義」や「二元論」「二重性」の魔術的解釈へとつなげることはできないか。これはあくまで設定を使わせていただくだけで、その書を使ったらどうなるか?は言及しないことにしました。あの場所とあそこで起こった忌まわしい惨劇という事実を使う。 そんなことを思い「黑矢木山奇譚」を選びました。
いつもは結構、綿密に作り込むプロットをあまり作らず、指の向くままにキーを叩き、お話を書きました。いつもの手法どおり、最初と最後のシーンは見えているので、中間部だけを悩むいわゆるトンネル方式で物語を書いています。
書いていて驚いたのは意図せず、いい台詞をフーミンも真壁さんも話してくれたことです。 まるで隣にいて耳元で話してくれているみたいでした。凛香に語りかける2人の台詞はそんな感じで書いてました。
また原作者ご本人にも前もって読んでいただき、ご感想もいただけたので、とても嬉しかったです!
書き終わってから、凛香の魔術師としての霊的成長をシリーズとして書いていくのもおもしろいことかも知れないと思ってしまったので、もしかしたら、続編を書くかもしれません。
最後まで、お読みくださってありがとうございました!
ご感想などいただけるとうれしいです!!
追記:
①まーくんが握りしめていた3つの小石は実は幸運の印です。でも、あの石の成分は人骨です。苦笑
②タイトルの「F∴A∴」の意味は、「兄弟Diabolus」を読むか、このお話の最後にフーミンが語った「赤き炎と対をなす…」に書いた言葉のラテン語の対義語をつけることにしました。今回一番悩んだのが、この小説のタイトル。書き上げても決まらなくて、本当ーに困りました。
ですので、「フリーエージェント」でも「ファーストエイド」でも「ファクトリーオートメーション」でも「ファイナンシャルアドバイザー」でも「フルメタルアルケミスト」でもありませんw よろしくお願いします!
F∴A∴凛香とフーミンの事件簿 砂樹あきら @sakiakira
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