8月5日・6日・7日

 終点下車。駅から職場まで、徒歩で移動した。太陽の追撃を避けるようにして歩き続けた。到着後、売店に直行した。買物カードの残金をはたいて、冷やしコーヒーを購入した。

 この時、俺の体は「砂場」と化していた。一旦飲み始めると、止めることは不可能だった。大サイズの液体は溶け込むようにして消えた。余った氷片も全て吸収した。こちらも貴重な水分である。無駄にはできない。


 昼飯はハンバーグだった。食欲はある程度回復していた。窓際の席に座り、あちこちから飛んでくる会話の切れ端を聞きながら、黙々と食べた。

 水分補給後、休憩場所に移動した。長椅子に腰をおろし、笹沢左保の『秘剣・酒呑童子』の続きを読んだ。その後、約15分仮眠。


 地元駅下車。公園近傍の弁当屋に電話をかけたが、反応なし。先月オープンしたコンビニに入り、食べものと呑みものを買った。明日から、おでんを売り出すそうである。まだ早い気がするが、夏のおでんも悪くはないか。

 帰宅後、腕立て伏せ60回。風呂場に行き、汗を洗い落とした。喉がカラカラだが、飲酒は日記を投稿した後と決めている。酔った状態で文は作れない。


♞今宵の酒は缶入りハイボール。酒肴はチーズちくわ。飯は空揚げ弁当。


 駅から職場へ向かう途中、カフェに寄った。カウンター席に座り、ジャムトーストを食べた。冷やしコーヒーを飲みながら、酒呑童子の続きを読んだ。店を出る前に、冷水を飲んだ。セルフ式である。給水機ではなく、氷水が詰まった水差しが二つ、店内の中央に用意されている。なにやら昭和的な光景で、俺はこちらの方が好きである。が、水の味はイマイチだった。


 午前業務終了。食欲はなかったが、食べないわけにもゆかぬ。食堂に行き、券売機でBランチを買った。今日のBは地球魚類の味噌煮。日替わり小鉢はきんぴらごぼう。窓際の席に座り、感動の期待できない食事を始めた。

 水分補給後、休憩場所に行った。掃除のおっちゃん以外に人影はなかった。長椅子に腰をおろし、酒呑童子の続きを読んだ。読了後、目蓋を閉じた。途端に眠りの滝壺に滑り落ちた。気がつくと、20分先の未来に飛んでいた。


 地元駅下車。公園近傍の弁当屋に電話をかけた。今日は反応あり。帰宅後、テープに録音した『松尾堂』を聴きながら、腕立て伏せをやった。話題は「トルコの今」であった。まったく面白い番組である。

 浴室に行き、水浴び。途中で湯浴びに変えた。居室に行き、愛機を起動させた。セルバンテスを呼び出し、今日の日記(つまりこれ)を書き出した。


♞今宵の酒は缶入りハイボール。酒肴はコンビニおでん。飯は幕の内弁当。


 行きの電車の中で、笹沢左保の『おしどり兵法者』を読み始めた。終点下車。今日も暑くなりそうだ。太陽が本格活動を始める前に職場に滑り込んだ。売店に行き、チョコケーキと冷やしコーヒーを買った。

 売店を出て、休憩広場に足を進めた。空いている卓席に陣取り、ケーキを食べた。ラジオの電源を入れた。コーヒーを飲みながら、情報番組を聴いた。今朝の話題は「盆栽の海外進出について」であった。電源を切り、兵法者の続きを読んだ。卓上を片づけてから、更衣室に向かった。


 食後の一杯(氷水)を楽しんでから、食堂を離れた。休憩場所に行き、長椅子に腰をおろした。眠りの滝壺に落ち込む前に、兵法者の続きを読んだ。読後、滝壺に落ちた。眼が覚めると、体がかなり楽になっていた。


 地元駅下車。公園近傍の弁当屋に電話をかけよう…としたのだが、無駄とわかり、中止した。定休日であることを思い出したのだ。コンビニに寄り、食べものと呑みものとかち割り氷を買った。

 帰宅後、腕立て伏せをやった。その後、湯浴びをした。居室に行き、愛機を起動させた。メクるを呼び出そうとしたのだが、トップページの代わりに、


 The service is not available. Please try again later.


 というメッセージが画面に表示された。これではどうにもならぬ。復活を待つ他に方法がない。いささかの不安を覚えつつ、俺はセルバンテスへ飛んだ。


♞今宵の酒は淡麗辛口ハイボール。酒肴はおでん四種。飯はかき揚げ丼。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る