7月29日・30日・31日
職場到着。売店に入り、冷やしコーヒー(大サイズ)を買った。食欲はゼロだが、渇きが酷かった。広場に行き、椅子に座りざまに飲んだ。味も何もない。ぐーっと、腹中に流し込むようにして飲み切ってしまった。だがそれでも、完全に(渇きが)おさまることはなかった。
カップに残った氷片を未練がましく齧りつつ、ラジオの情報番組を聴いていた。今日の話題は「(夏休みの)自由研究の実際について」であった。電源を切り、本を開いた。笹沢左保の『剣鬼啾々』(文春文庫)を読み始めた。
前半業務が終わる頃には、食欲は復活していた。食堂に行き、Bランチを食べた。今日のBは地球魚類を焼いたやつ。日替わり小鉢はきんぴらごぼう。飯の味はさておき、食後に飲む氷水が奇跡的に旨い。晩酌も酒ではなく、水で済ませられたらいいのになあ。などとバカなことを考える。
帰りの電車の中で、剣鬼に収録されている「山の端に残照あり」の続きを読んだ。地元駅下車。遠雷を聞きながら、帰路を歩いた。途中、弁当屋とコンビニに寄った。後者の勘定の際、おにいちゃんに焼鳥はいかがですか?とすすめられたが、今日は結構ですと断った。嫌いではないが、毎晩同じ酒肴(さかな)ではさすがに飽きる。家に戻り、腕立て伏せ60回。その後、湯浴び。
♞今宵の酒は缶入りハイボール。酒肴はチーズちくわ。飯は幕の内弁当。
入金マシンに買物カードを挿し込み、今週分(2000円)をチャージした。売店に行き、ドーナツと冷やしコーヒー(標準サイズ)を買った。空いている卓席に陣取り、ドーナツを食べた。
ラジオの電源を入れた。冷やしを飲みながら、情報番組を聴いた。今朝の話題は「なりふりかまわぬ頭数集めについて」であった。電源を切り、剣鬼収録の「山の端に残照あり」の続きを読んだ。
食堂に直行し、券売機でAランチを買った。今日のAは豚しゃぶ。小鉢は魚フライの破片。いつもの席に座り、黙々と空腹を埋めた。この季節、最大の楽しみは、食後に飲む氷水である。氷水と云っても、水差しの中のものを移すわけだから、コップに氷片が入り込むことはない。これが良いのだ。
注ぎざまに、あおった。命の源が体の隅々にまで染み渡るようだ。夏は苦手だが、この瞬間だけは好きである。空の器を載せたトレイを所定の場所におさめてから、休憩場所に移動した。残照あり読了後、約15分仮眠。
帰りの電車の中で、第二の作品「山吹が八重に咲く」を読み始めた。家路の途中、弁当屋とスーパーに寄った。自宅に戻り、空調装置を作動させた。クーラー嫌いの俺だが、この有様ではどうにもならぬ。
日課を済ませてから、浴室に行き、温水で汗を洗い落とした。平日の場合、朝から晩まで、体を動かしている。当然、汗をかく。汗といっしょに相応の塩分が体外に出ているはずなのだが、特に塩気を欲することはない。不思議なものである。装置の電源を切り、代わりに窓を開け放ち、扇風機を動かした。食後にリー・ヴァン・クリーフ主演の『西部悪人伝』を観るつもりである。
♞今宵の酒は缶入り酎ハイ。酒肴は鮪と帆立の刺身。飯は空揚げ弁当。
気がつくと、俺の乗った電車は「終点のひとつ前の駅」に着いていた。完全に眠り込んでいた。その間、ずっとアホ面をさらしていたことになる。車内は混雑しているが、ピークの時間帯に比べれば、まだまだ余裕がある。終点到着後、改札を抜け、階段を登り、地上に出た。
職場まで、自分の足で移動した。途中、カフェに寄った。レジに行き、バームクーヘンと冷やしコーヒーを買った。今日はサービスデーらしく、標準サイズを大きいサイズに変えてくれた。無論、値段は同額である。
店を出て、坂を下った。ラジオの情報番組を聴きながら、歩き続けた。今日の話題は「破壊スポットとスマッシュケーキ」であった。まったく何が流行るかわからない時代である。最早、俺の錆びついた感覚ではついてゆけぬ。
Aランチを腹におさめてから、食後の一杯(氷水)を楽しんだ。食堂を離れ、休憩場所に足を進めた。長椅子に座り、剣鬼収録の「山吹が八重に咲く」の続きを読んだ。読後、約15分仮眠。体のやつが貪欲に眠りを求めている。満足を知らないかのようで、ちょっと怖い。
車内で山吹読了。面白かった。地元駅下車。帰路の途中、コンビニに寄り、食べものと呑みものと氷を買った。自宅に戻り、空調装置を作動させた。テープに録音したナックファイブを聴きながら、腕立て伏せをやった。
浴室に行き、温水を浴びた。体を拭き、服を着た。玄関の扉の上に嵌め込まれたガラスの向こう側にヤモリがはりついていた。よく落ちないものである。見る度に感心する。素敵な標的に巡り会えることを祈る。頑張れ、ヤモさん。
♞今宵の酒は缶入りハイボール。酒肴は焼鳥とチーズ。飯はかき揚げ丼。
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