第338話 クラーケンの魔石

 この日、アルダロスの王城では、セラフィマを囲んでのお茶会が催されていました。

 招待客の殆どは、領地を持たない一代貴族達です。


 一代貴族とは、王家から貴族としての地位を授けられた者ではなく、お金で地位を買い取った人達です。

 なので、税収が見込める領地も無く、貴族としての地位も本人一代限りです。


 傍から見れば、そんなものにお金を費やす意味があるのかと思ってしまいますが、これは金持ちにとってのステータスであり、司直に侮られなくなるための免罪符のようなものだそうです。

 商売を営む者は、税金をキチンと納めているのか、禁制品を扱っていないかなど、司直の調べを受けることがあり、一代貴族の地位を持っているかいないかで、取調官の態度が大きく異なるそうです。


 例え領地も無く一代限りの地位であっても、貴族の地位を蔑ろにすることは王家に対する反逆でもあります。

 また、高額の費用を支払ったのにもかかわらず、司直から無礼な態度をとられたとあっては、一代貴族の地位を手に入れようと思う者が減り、王家の財政にも影響を及ぼします。


 そもそも、一代貴族の地位を手に入れられるような人物は、商人として大きな成功を収めた者です。

 そうした者達を敵に回すということは、商人全体を敵に回すことになりかねません。


 それ故に、司直の取調官も敬意をもって接してきますし、高額の費用を支払う価値は有るのでしょう。


 お茶会は、テーブルと椅子も用意されていますが、アルコール抜きの立食パーティーといった感じで行われていました。

 セラフィマはテーブルに腰を落ち着けていますが、席には一代貴族の面々が次々に訪れています。


 話の内容の多くは、商売に関する事です。

 バルシャニア国内の流通事情や、特産品、今一番需要のある品物、消費者物価など……さながら大商談会といった様相を呈していますね。


 セラフィマも、笑顔をこそ絶やしていませんが、瞳は真剣そのものです。

 交易が今よりも盛んになれば、それだけ人の往来も増えますし、互いの理解も進んで行くはずです。


 一代貴族の面々は、貴族の地位を買い取る事が出来るほどの商売人でもあります。

 彼らとバルシャニアとの結び付きを強化することで、友好関係も強化するのがカミラの狙いなのでしょう。


「バステン、つまり、ここに居る人達って、みんなお金持ちってことだよね?」

『はい、おっしゃる通り、アルダロスに大きな店を構える者は、殆どが顔を揃えていますよ』

「そうかそうか、お金持ちかぁ……」


 影収納に置いてある、小奇麗な服に着替えて、ボサボサの髪も整えました。


『ケント様、いかがいたしましたか?』

「うん、ちょっとね。ハルト、僕が挨拶したいってカミラに伝えて来て」

「わふぅ、分かった、行ってくる」


 突然姿を現したハルトを見て、ちょっとした騒ぎが起こりましたが、伝言を聞いたカミラは大きく頷くと、席を立って招待客に向けて声を上げました。


「皆の者、これから魔王ケント・コクブ様が御挨拶に見えられる、くれぐれも失礼の無いように致せ」


 ざわめきが収まるのを待ってから、カミラの近くに闇の盾を出して、会場に足を踏み入れました。

 カミラが跪いたのを見て、招待客も慌てて跪いて頭を下げました。


「あぁ、そんなに畏まらなくてもいいですよ。どうぞ、楽にして下さい」


 招待客に声を掛けた後で、セラフィマに歩み寄って抱き締め、頬にキスをしました。

 今日もセラフィマはバルシャニアの王族の衣装で、肌触りの良い布地を通して、ささやかな膨らみの感触が伝わってきます。

 カミラが物欲しげな目で見てますけど、今はおあずけです。


「皆さん、初めまして。僕が魔王なんて呼ばれているケント・コクブです。お楽しみのところにお邪魔して申し訳無い」


 僕が頭を下げると、招待客からはどよめきが起こりました。


「皆さん、どうぞ立って楽になさって下さい。ほら、カミラも立って、でないと皆さんが立ちづらいでしょ」

「畏まりました」


 今日のカミラは水色を基調としたドレス姿で、いつもの騎士服姿ではないので、ちょっとドギマギしちゃいますね。

 うん、けしからんです。


「本日は、皆様にお見せしたい物が御座いまして、お邪魔させてもらいました。その品物は、この後アルダロスの商工ギルドに持ち込んで、四日後のオークションに出品する予定でいます。これから、僕の眷族のスケルトンが持って現れますが、驚かれませんように……」


 バステンに、オークションに出品するクラーケンの魔石を持って来てもらいました。


「おぉぉぉ……なんだ、あの美しい石は」

「まさか、魔石なのか?」

「そう言えば、バッケンハイムのオークションにギガースの魔石が持ち込まれたと聞いたが……」


 さすがに商売人の集まりとあって、バステンの姿に驚くよりも、抱えているクラーケンの魔石に注目しているようです。

 それに、ギガースの魔石の話を知っている人もいるようですね。


「これは、ランズヘルト共和国の東、エーデリッヒの港街ジョベート沖で僕が討伐したクラーケンの魔石です。既にクラーケンの討伐は終わり、現在は試験航海も順調に進んでいるので、同じ程度の魔石が次にいつ手に入るかは全く不明です。もし、手元に置いておきたいと思われる方がいらしたら、この機会をお見逃しなく……さぁ、近くに来て御覧になって下さい」


 言い終えた途端、招待客が一斉にバステンの下へと集まりました。


「なんて大きさだ……こんなに大きな魔石は見たことが無いぞ」

「大きいだけじゃない、この深みのある蒼の色合い」

「透明度も素晴らしい、内部の傷も見当たらないぞ」


 招待客の興味が、一気にクラーケンの魔石に集まったことで、空席となったセラフィマの隣に腰を下ろしました。


「ごめんね、セラ。折角のお茶会の邪魔をしちゃって」

「とんでもございません。我が夫となられる方が、商売上手で安心いたしました」

「一家の主としては、しっかり稼がないとね」


 セラフィマの隣でゆっくりとお茶を御馳走になった後で、アルダロスの商工ギルドへと移動することにしました。


「さて、皆さん、御覧になっていただいている最中ではございますが、そろそろ商工ギルドへと持ち込みたいと思います。続きは、どうか四日後のオークションで……それと、僕の花嫁となるセラフィマをよろしくお願いいたします」


 ミュージカルスター気取りの大仰な挨拶をして、カミラを筆頭として跪く招待客に見送られながら、バステンと共に影に闇の盾を潜りました。

 そのままアルダロスの市街地へ移動、人目に付かない路地で表に出て、商工ギルドに足を踏み入れました。


 セラフィマ一行がアルダロスに滞在しているから、何か変化があるかと思いましたが、ギルドの中には特別変わった様子は見受けられません。

 まぁ、セラフィマが大量の交易品を持ち込んだ訳でもありませんし、大勢の商人を引き連れてきた訳でもありませんから、これが普通なんでしょう。


 カウンター前の行列に並んで、順番待ちをしましたが、周囲から全く注目されていませんね。

 別に、俺様が魔王ケント・コクブだ……みたいに目立ちたいと思いませんし、むしろ目立たない方が気軽に街が歩けるので助かります。


 クラーケンの魔石を預ける時には目立つのは仕方ないと思っていましたが、もう一つ目立つ要素があったのを忘れていました。

 僕の順番が来て、カウンターへ歩み寄ると、担当は人懐っこそうな狸獣人のお姉さんでした。


「いらっしゃいませ、本日はどのような御用件でしょうか?」

「オークションに出品を行いたいのですが……」

「それではまず、お客様のギルドカードを拝見出来ますか?」

「ギルドカード……」

「お持ちじゃありませんか?」

「い、いえ、持ってますよ、ギルドカード」


 忘れてました、僕のギルドカードって、これ本当に使えるのかって思うような金ピカだったんですよね。


「ギ、ギルドカードです……」

「し、失礼いたしました! ただ今、御案内いたします!」

「はぁ……お願いします」


 受付のお姉さんは、ばね仕掛けのオモチャかと思うような勢いで立ち上がると、地面にめり込むかと思うような勢いで頭を下げると、カウンターを回り込んで来ました。


「こ、こ、こちらへ、ど、どうぞ……」

「あぁ、大丈夫ですから、落ち着いて下さい」

「は、はひぃ……ど、どうぞ……」


 いらっしゃいませと言った時の人懐っこい笑顔は消え去り、蒼白な顔には、果たしてそれは笑顔を呼ぶものなのか疑問に思えるような笑みが張り付いています。

 必死に口角を上げようとする頬はヒクヒクと痙攣し、限界まで見開かれた瞳は瞬き一つしていません。


 よく、誘惑され掛かっている女性を触れなば落ちん……などと言いますが、触れなば倒れんという感じです。

 てか、ギルドマスターは僕のことを職員の皆さんに、どんな風に伝えてるんですかね。


 受付のお姉さんが、僕を応接室へと案内しようとしていると、建築関係の方なんでしょうか、ガテン系のゴツい兄ちゃんが立ち塞がりました。


「おいおい、どこの貴族様か知らないが、御大層な扱いじゃないかよ。商工ギルドってのは、身分には……」

「どいて下さい! あなた死にたいんですか! こちらにいらっしゃるのは魔王ケント・コクブ様です。道を空けなさい!」


 ゴツい兄ちゃんの言葉が終る前に、お姉さんが金切り声で叫びました。

 あまりの剣幕に、立ち塞がっていた兄ちゃんだけでなく、周囲にいた人達までザザっと後ろに下がり、人垣が割れて道ができました。


 誰かが跪いたらしく、それを見た人達まで一斉に跪いて頭を下げています。

 さっき立ち塞がった、兄ちゃんなんて這いつくばって震えています。


「魔王様、大変失礼いたしました! どうぞ、こちらへ!」

「あぁ、うん……ありがとう」


 もう、色々と限界を超えてしまって、声のボリュームも変になっちゃってるお姉さんの案内で応接室へと向かいましたが、居心地悪ぃぃぃ……。

 応接室のソファーに腰を落ち着けて、精神的な限界を突破してしまったお姉さんが逃げるようにして去ったかと思うと、廊下を慌しく走る足音が響き、汗だくのギルドマスターのクデニーヌさんが姿を見せました。


「た、大変お待たせいたしまして、申し訳ございませんでした!」

「いやいや、そんなに待ってませんし、大丈夫ですから落ち着いて下さい」

「ありがとうございます。本日は、オークションの件でございますね」

「はい、例のクラーケンの魔石を出品しようと思って、持って来たんですけど……あの、どうしてこんなに僕は恐れられてるんでしょう?」

「それは……先日、カミラ様と面会する機会がございまして……」


 クデニーヌさんは、所属している商会の幹部を集め、汚職に関わった収入を全額王家に献上し、二度と同じようなことを起こさないと誓約して、減刑を嘆願したそうです。

 その際に、僕の話題が出て、アーブル・カルヴァインの残党が辿った末路を聞かされたそうです。


「魔王様は、強力な土属性魔法を使われて、七十名もの残党を一網打尽にして捕らえられ、爆剤を用いて粉々に吹き飛ばし、焼き尽くし、二度と日の光の当たらぬ地中深くへと封じられたと聞かされました」

「あー……微妙に違うけど、まぁ間違いじゃないかなぁ……でも、あいつらは再三の警告にも従わず、リーゼンブルグとバルシャニアが友好関係を築くのを邪魔しようとしたからで、普段から人を殺してる訳じゃ……」


 あれ、昨日もヌオランネとブロネツクの人を爆殺したばかりか……。


「ま、魔王様……?」

「と、とにかく、僕は見境無しの殺人鬼じゃないから、そんなに怖がらなくても大丈夫だからね」

「はい、かしこまりました」


 と言いながらクデニーヌさんの目には疑いの色が浮かんでますね。


「そう言えば、減刑の嘆願は受け入れてもらえたの?」

「はい、おかげ様で、今回に限りお目こぼしをしていただきました。ですが、カミラ様からは、次は無いと釘を刺されましたので、ギルドの会員一同、心を入れ替えて真っ当な商売に励む所存です」


 なんか、カミラがクデニーヌさんに脅しを掛ける道具に使われたような気がしますね。

 これはお灸を据えておかないといけませんよね、けしからん。


「ギルドの会員の皆さんの反応はどうなんです?」

「はい、今回の汚職の一斉摘発では、城で働いていた者ほど、王家の権力を振るえた者ほど厳しい処分が下されております。中には一家全員が処刑された者もいます。それを思えば、不正に得た金を手放すだけで助命していただけるのですから、文句を言う者などおりません。不遜な物言いに聞えるかもしれませんが、金ならば、いくらでも働いて稼げば良いだけで、命は失ってしまえばそれっきりでございます。それに、汚職が一斉に無くなるのですから、入ってくる金も減りますが、出さなくて済む金は増えます。むしろ商売がやりやすくなったと申す者もございます」

「なるほど……とりあえず、大きな嵐を無事にやり過ごせたみたいだし、これからは新しい……いや、商売の原点に戻ったやり方で、頑張って稼いでよ」

「はっ、ありがとうございます。これも魔王様に頂いた助言に従ったからこそです。本当にありがとうございました」

「じゃあ、クラーケンの魔石を預けていきますね。大きいし、かなりの重量なので、台車みたいなものがあった方が良いと思いますが……」

「では、ただ今用意いたします。少々お待ち下さい」


 クデニーヌさんは、ドアの外に控えさせておいた職員に台車を持ってくるように指示すると、ハンカチを取り出して額の汗を拭いました。

 よほど緊張していたのでしょう、席に戻ると冷めたお茶を一息に飲み干して、お茶を淹れてくれた女性職員にお替りを頼んでいました。


「今日は、お城でお茶会が開かれていましたが、クデニーヌさんは招待されなかったんですか?」

「はい、本日の集まりは一代貴族の方々向けでしたので、私には別の機会で……あぁ、これは失念しておりました。魔王様、バルシャニア皇女様とのご成婚、おめでとうございます」

「ありがとうございます……でも、正式な輿入れは、ヴォルザードに着いてからですけどね」

「しかし、さすがは魔王様でいらっしゃいますね。バルシャニアの皇帝陛下は、大変な親バ……いえ、子煩悩な方とうかがっております。一人娘の皇女様を嫁に出すとは……」

「そうですね。セラフィマとは色々とありまして……嫁入りしてもらえるのはありがたいですけど、認められるまでは大変でしたね」

「そうでございますか、やはり娘を持つ男親は、平民も皇帝も変わらないのですね」


 僕のお嫁さんに限って言うならば、平民の唯香とマノンの家が一番物分りが良くて、ヴォルザードの領主もバルシャニアの皇帝も大が付くほどの親馬鹿でしたね。


「お待たせいたしました」


 ギルドの男性職員が、台車を押して現れたので、またバステンにクラーケンの魔石を運んでもらいました。


「おぉ、これは……」


 仕事柄、たくさんの魔石を見て来たであろうクデニーヌさんも、クラーケンの魔石には言葉を失っていました。


「いやはや、これほどまでに見事な品とは……私の想像を遥かに超えております」

「先程、お城のお茶会にお邪魔しまして、この魔石を一代貴族の皆さんにお披露目してきました」

「なんと! 皆さん、目の色を変えていらしたのではありませんか?」

「そうですね。興味津々といった感じでしたので、四日後のオークションに出品すると告知してきました」

「これはこれは……それでは、このクラーケンの魔石はオークションの目玉として……」

「あー……ちょっと待って下さい。実は、バッケンハイムギルドのオークションにギガースの魔石を出品した時……」


 マスターレーゼが地団駄踏んだ様子を伝えると、クデニーヌさんは大きく頷いていました。


「なるほど……それならば、午後一番の取り引きとでもいたしましょう」

「まぁ、その辺りの采配は、お任せいたしますよ。良い値段がついた方が、こちらの利益にもなりますものね」

「いやはや、おっしゃる通りですが、これほどの逸品は過去に出品された事がありませんし、出品なさったのが魔王様ともなれば、一体どれほどの値が付くのか私にも予想ができません」


 ギガースの魔石は一億ヘルトの値段が付きましたが、魔石の大きさこそ少し小さいものの、色合いや透明度ではクラーケンの魔石の方が上です。

 これに、僕のネームバリューが加わって……果たしていくらになりますかね。


「では、魔王様、こちらが出展品の預り証になります」

「こちらの警備も万全でしょうが、念の為に僕の眷族に見張らせておきますよ」

「ありがとうございます。確かに、これほどの品物となれば、邪な方法を使ってでも手に入れようと考える輩がいるかもしれませんが、保管場所には出品者が魔王様であると分かるようにしておきます。今のアルダロスで、魔王様を敵に回してまで、この魔石を手に入れようと考える者は居ないと思いますよ」

「一般の方々は、僕の色々と尾鰭のついた話を聞いて怖れるかもしれませんが、犯罪に手を染める輩も同じでしょうか?」

「いいえ、むしろ犯罪者の方が魔王様を恐れていると思います。あいつらは、儲け話と自分の身に危険が及ぶ話にはとても敏感です。先程のマキリグ峠のアーブルの残党を掃討した件は、おそらくアルダロスの裏社会に広がっているはずです。それでなくとも、年明けの式典の折にアーブルを捕らえた手腕や、カルヴァイン領を制圧した話も伝わっています。犯罪者共にとって、魔王様こそが一番怖れる存在となっているはずです」


 言われてみれば、アルダロスではアーブルと二度に渡って対決していますし、そうした話題は市民にも伝わっているのでしょう。

 以前はどうか知りませんが、今やアーブル・カルヴァインは悪の象徴のように扱われているそうで、そのアーブルを倒した僕は犯罪者の天敵のように思われているのでしょう。


「まぁ、僕の名前ぐらいで犯罪の抑止になるなら、いくらでも使ってもらって結構ですけどね」

「そんな、魔王様のお名前を利用しようなんておこがましい事は考えておりません」


 あれ、そう言えば、カミラが僕の名前を汚職防止に使ったのも、同じようなものなのか、けしからんと思ったけど大目に見てあげますかね。

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