第249話 元締めの夜会
この季節のカルヴァイン領は、深い雪に閉ざされます。
南西からの風が、海からの湿った空気を運び、山にぶつかって雪となるのです。
平地の隣国とを結ぶ街道も雪に覆われ、峠道は大型犬やバールカという降雪地に住む大型の鹿が引く橇でしか通れなくなります。
橇であっても、峠の途中にはいくつもの難所が待ち構えていて、慣れない者では谷底へと転落し、春までは探すことすら出来ないそうです。
周囲を山に囲まれ、雪に閉ざされるカルヴァイン領ですが、冬の間も鉱山での掘削作業は続けられています。
坑道への道筋や、街中には湧水を利用した水路が作られていて、人々は積もった雪を投げ入れて、通行を確保しているようです。
とは言え、毎日のように雪は降り積もるので、街の周囲は白一色の銀世界です。
雪に埋もれた街を見下ろすように建てられているアーブル・カルヴァインの居城では、領主が不在の間に街を牛耳る者達が集まっていました。
応接室の豪華なソファーセットには、五人の男女が身を沈めていました。
その五人を見渡すように、暖炉を背にした席に小太りの男が一人座り、若い女性の参加者の後ろには初老の男が控えています。
『ケント様、あの小太りの男が家宰のヘーゲル、立っている男はマニフィカの執事ロルです』
給仕がお茶と軽食を並べ終えたところで、ヘーゲルが芝居がかった仕草で両手を広げながら立ち上がりました。
「皆様、足元の悪い中、お集まりいただき感謝申し上げます。それでは、例会を始めさせていただきます。まずは、今週の上がりから……」
ヘーゲルは、百六十センチ前後の小柄な男で、巨漢のアーブルと較べると随分と見劣りしてしまいます。
芝居がかった仕草や口調は、五人の元締め達から舐められないように虚勢を張るためのように感じます。
例会は、各鉱山から産出された鉱石の量や質の報告から始まりました。
どの山を、どの深さで、どの方向に掘り進み、どの程度の成果があったのか……素人の僕にはサッパリ理解出来ませんが、元締めの中にはメモを取り、何やら計算を繰り返す者も居ます。
『ねぇバステン、この報告されている数字って、正しい数字なのかな?』
『さぁどうでしょうか、おそらくアーブルが居た頃ならば、下手な誤魔化しも出来なかったでしょうから、正しい数字を報告していたでしょう』
『アーブル不在の今は、数字を誤魔化す者も居るのかな?』
『分かりません。こうした会合の場合、互いに虚偽の数字を報告しないという不文律が存在する場合があります。ここカルヴァイン領は国と対立している状況で、五人は運命を共にする者達です。そう考えると、数字は正確な可能性が高いように思われます』
会を取り仕切っているヘーゲルにしても、カルヴァイン家の家宰を務めているだけあって、こうした数字の扱いには慣れているようです。
過去の数字との差異について、時折訊ねる場面もありました。
各鉱山からの産出量や鉄などの含有量の数字は、概ね予想の範囲だったらしく、話は淡々と進められていきました。
「今週の採掘量、この先の産出量についても問題は無さそうですね。それでは、これからの話をいたしましょう……と申し上げたいところですが、生憎新しい情報が得られておりません」
「何をモタモタしてるのだ。まだアーブル様を救い出せぬのか!」
声を荒げたのは、四十代ぐらいで、アーブルのようなマッチョな男です。
「申し訳ありません、ラクロワ様。新年の襲撃の際に仲間に引き入れた騎士共を使った事もあり、城内の規律の引き締めや監視が厳しくなっております。その上、アーブル様が監禁されている地下牢には近づく事も難しい状況です」
「それを何とかするのが貴様の仕事ではないのか!」
「そうなのですが……あのカミラめが実権を握って以来、買収、脅しなどの従来の方法では、こちらの存在を明かしてしまいかねない状況です」
「ちっ、忌々しい女め……」
「ヘーゲル、その襲撃に加わった騎士共は処刑されたのか?」
舌打ちするラクロワの横から、しわがれた声で訊ねたのは、一番年上に見える男性です。
でっぷりと太って、白髪頭も薄くなっています。
「はい、ブノア様。襲撃に加わった騎士は既に処刑され、家も取り潰しの沙汰が下されております」
「ヘーゲル、貴様も身の振り方を考えておいた方が良いのではないのか?」
「そうでございますね。まぁ、私はカルヴァイン家の使用人に過ぎませぬ。領主様が代わられるとするならば、必要と思われれば残り、不要と思われれば去るのみです」
「貴様! アーブル様が領主の地位を追われると思っておるのか! この不心得者め!」
「例えばの話でございますよ、ラクロワ様」
ブノアの嫌味に平静を装えば、ラクロワに不心得者呼ばわりされる、引き攣った笑いを浮かべながらもへーゲルの額には汗が光っています。
「まぁ、そう熱くなるなラクロワ、このカルヴァイン領を余所者が治められると思っている訳でもあるまい。我らを率いていくならば、相応の器を示してもらわねばならぬ。そうであろう?」
「その程度のことは心得ている。だが……この忌々しい雪に閉ざされる季節は好かん」
ブノアに宥められても、ラクロワは憮然とした表情を浮かべています。
「雪が解ければ、王都の腑抜け共も思い知るだろう。カルヴァイン領そのものが難攻不落の砦であり、リーゼンブルグの産業の要であるとな」
「その通りだ。このラクロワ様が目に物を見せてくれるわ、ぐはははは」
「小さい男だねぇ……」
「何だと! ドニエ、貴様!」
「そうやって、すぐに頭に血を上らせて、冷静さを失うところさ。少しはアーブル様を見習いな」
ラクロワをやり込めたドニエは、妖怪じみて太った女で、年齢は五十代後半だそうです。
「アーブル様は、ここカルヴァイン領に固執せず、リーゼンブルグ全土を手に入れようとしてたんだよ。王都の腑抜けを追い払う程度で満足してるんじゃないよ。捻り潰すぐらいの気概を見せてみな」
「ふん、分かっている。だがキリアの死兵も、爆剤も押さえられてしまったのではないのか。どうするつもりだ」
「こちらの打ち手が減っているのは確かだが、王都を見てごらんよ。国王が死に、王子がバタバタと死に、カミラみたいな小娘が女王を名乗る始末なんだろう。疲弊して、不満を抱えた貴族共が素直に従うと思うのかい?」
「それは無理だろうな。なによりカルヴァイン領が従わぬ。カルヴァインの鉄や銅を抜きに王国が成り立つはずがなかろう」
ドニエの主張を補完するようなブノアの言葉に、ラクロワは般若のごとき笑みを浮かべてみせます。
「俺は、チマチマしたやり方は好まんが、大きな成果を得るためには必要な時もあることぐらいは心得ている。それだけの自信を示すなら手はあるのだろうな、ドニエ」
「この争いは、根競べみたいなものさ。食い物を止めれば、あたしらはすぐに音を上げると、王都のボンクラ連中は思っているのだろう。その当てが外れたことに気付いた頃には、やつらの方が取り返しの付かない所まで追い込まれているのさ」
「ほう、何をするつもりだ。王都のガキでも殺して回るのか?」
「ケスラン、説明しておやり……」
ドニエの隣に座っていた痩せた男は、軽く頷き返すと静かに話し始めました。
「我々は非合法な手段には極力頼らない。万が一ここにまで踏み込まれた場合のためだ」
「ふざけるな! 王都の腑抜けなどに踏み込まれるはずが無かろうが!」
「万が一の話だ。全ての懸念に手を打っておくのは商売の常道だ」
激高するラクロワに対して、ケスランは眉一つ動かさないほど無表情のままです。
「簡単に言うならば、リーゼンブルグ内の鉄製品を集めて、バルシャニアに輸出する。剣や槍、鎧など武器の形では国境を越えられないが、鍋や釜などの道具ならば問題ない。仕入れて売って利益を得て……リーゼンブルグ国内から鉄や銅が無くなれば……」
「カルヴァイン領に頼るしか無くなるという訳か?」
ラクロワの般若のごとき笑みに、ケスランは無表情に頷き返しました。
「ホントに、そんなに上手く行くのかしら?」
一人離れた場所に腰を下ろしていた若い女性の言葉に、ケスランは僅かに顔を顰めてみせました。
「マニフィカ、何か問題があると言うのか?」
「発想は良いのでしょうけど、それはいつまで続けるつもり? 国内の鉄が不足すれば、輸出は止められるでしょうし、食料の備蓄にも限りはあるわ」
「穀物は、廃坑となった七番坑道にギッチリ詰め込んである。普通に食べて四年、節約すれば五年は持つ。肉は山の獣を狩れば手に入る。期限が訪れる前に、いくらでも手は打っていく。それでも勝利を得られないようならば、我々が無能だったと証明されるだけだ」
「七番坑道の管理は大丈夫なんでしょうね。崩落や浸水すれば、それだけで計画が頓挫するんじゃなくて?」
「言われるまでもなく、厳重に警備を行っている。何しろ我々の命綱だからな」
「そう、ならいいわ……」
マニフィカは、乗り出していた身体をソファーに沈めると、興味を失ったかのように視線をそらしました。
小柄な身体を装飾過多なゴスロリっぽいドレスで包み、一見すると若く見えますが、良く見るとドニエにも負けないほどに厚く化粧をしています。
こちらの方が妖怪度は高い気がしますね。
『それにしても、大量の食料を準備して篭城。その間に正規の商売で鉄不足を引き起こすとはねぇ……』
『これほどまで追い詰められても、まだ国盗りまで諦めていないとは、怖ろしく図太い連中ですな』
『それでも、ネタが割れてしまったら何てことはないよね』
『ぶははは、そのように言えるのは、ケント様だけですぞ。リーゼンブルグの者達では、坑道に潜って食料を運び出すことも、バルシャニアとの交渉もままなりませんからな』
『それもそうか……』
ラインハルトが言う通り、影の空間経由で坑道に備蓄した穀物を運び出してしまえば、この計画は瓦解します。
『でもさぁ、僕が暮らしていた国でも、ずっと昔には篭城とかが行われたことがあったけど、食料が底を尽くと餓死者が出たりして、もの凄く悲惨だったって聞いてるんだよね』
『その通りですな。計画を潰すのであれば、気付かれないうちに全ての食料を運び出し、ほんの僅かな希望すら抱かせずに降伏させるしかありませんな』
『そうだね……フレッド、あのヘーゲルが持っている資料だけど、過去のものを含めて保管してある場所を調べておいて』
『了解……いつでも持ち出せるようにしておく……』
さすがは僕の眷族です、僕の意思を汲み取ってくれているようです。
『産出量などの資料は、デュカス商会のオルレアン殿に見せるおつもりですかな?』
『そう、僕では何がなんだか分からないけど、その道のプロならば資料を見れば状況を把握出来るんじゃないかな』
『そうですな。この連中の態度からしても、過去に遡って数字を見れば、カルヴァイン領の鉱山がどのように発展して、どの程度の見込みが残されているのか分かるのでしょうな』
『鉱山の成り立ちから、現状が分かれば、これから先の運営も問題無く進められるんじゃないかな?』
『そうすれば、ここに居る連中は不要という訳ですな』
『あとは……技術者の身柄を確保して、協力を取り付ければ全て上手くいくかな?』
デュカス商会のオルレアンさんからは、実際に鉱山を動かしているのは現場の人間だと教えられました。
ここカルヴァイン領でも、それは同じでしょう。
五人の元締めを排除しても、現場が働ける状況を作ってやれば問題ないはずです。
『技術者の多くは集合住宅に半ば軟禁されている状態なんでしょ。そこを押さえてしまえば解決なのかな?』
『それなのですが、カルヴァイン領の坑夫達は、昼夜を問わず働かされているようです』
バステンが調べた所では、いわゆる三交代制で、昼夜を問わず採掘が続けられているそうです。
『地下に潜ってしまえば、昼も夜も関係ないというのが、こいつらの言い分のようです』
仕事は三交代制の上に、休日は月に一日あれば良いという状況らしく、バステンは苦々しい表情で五人に視線を向けています。
骨だけど、表情の違いはちゃんと分かるんですよ。
『集合住宅や坑道で、技術者を監視している人間をチェックして、数を調べておいて』
『また眠り薬で無力化するのですね?』
『そうそう、あれが一番簡単だし、まだこの連中には知られていないみたいだしね』
『了解です、フレッドと手分けしてリストアップしておきます』
バステンとフレッドは、頷き合うとすぐに行動を開始しました。
『ぶははは、やはりケント様が片を付けることになりそうですな』
『あっ、そうか、カミラにやらせないと駄目なのか……』
『ケント様が王になられれば、何の問題もございませんぞ』
『駄目駄目、国民が納得しないよ』
『仕方ありませんな。それでは、これまで通りにカミラ嬢を裏から操る魔王に徹していただきますかな』
『それを否定出来ないのも、何と言うか、ねぇ……』
ニヤリと笑うラインハルトの思惑通りに動いてしまっている気がしないでもないのですが、食料の運び出しや監視役の無力化など、眷族の働きが主になる以上は、僕らで作戦を立てて、カミラ以下リーゼンブルグの人員を動かした方が良さそうです。
『ケント様、カルヴァイン領を制圧するのであれば、雪が解ける前をお勧めします』
『えっ、どうして? 雪が残っていたらリーゼンブルグの騎士が動けないよ』
『大丈夫ですぞ。ケント様が送還してしまえば問題ありません』
『なるほど、こいつらが油断しているうちに制圧するんだね』
『その通りです。敵の虚を突くのは兵法の常道ですぞ』
『よし、ちょっとカミラに話を通しておくか』
元締め五人の会合は、すでに実のある話からは脱線し、ただの酒宴になっています。
年寄りの自慢話に付き合う義理も無いので、アルダロスの王城へと移動しました。
ハルトを目印にして移動すると、カミラはすでに入浴を終えて、就寝前の寝酒を楽しもうとしていました。
「僕がリーゼンブルグのために、カルヴァイン領で偵察をしていたというのに、けしからんよね」
「ま、魔王様、申し訳ございません」
抱えていたハルトが僕に駆け寄って来ると同時に、カミラは膝をついて頭を下げました。
「僕にも一杯……と言いたいところだけど、元締め達の狙いが分かったから、先に話を済ませちゃうよ」
「奴らは、何を企んでいるのですか?」
「篭城を続けながら、王家の足元を揺さぶるつもりだね」
「自らの保身ではなく、まだ野心を抱いているのですか?」
大量の食料を備蓄して長期間篭城し、その間にリーゼンブルグ国内の鉄をバルシャニアに輸出してしまうという計画を話すと、カミラは呆れたような表情を浮かべました。
「そのような計画は、バルシャニアとの国境を閉じてしまえば頓挫するのに……」
「出来るの?」
「国境の封鎖でございますか?」
「うん、出来る?」
「勿論、可能です。これまでも、バルシャニアとの関係が悪化すれば……」
言葉を途中で切ったカミラは、目を見開いて僕を見詰めました。
「これからリーゼンブルグとバルシャニアは関係を修復していくんだよね?」
「はい、そうでした。国境の封鎖は出来ません」
たぶん、カミラの頭の中には、まだ見ぬバルシャニアの皇女セラフィマのことが浮かんでいるはずです。
長年に渡って対立を続けてきた国が、一朝一夕で仲良くなれるはずがありません。
ですが、リーゼンブルグとバルシャニアが友好関係を築くのは、僕の希望でもあります。
「バルシャニアとの国境封鎖は出来ないから、リーゼンブルグ国内から鉄の持ち出しが盛んになる前に、カルヴァイン領の件はケリを付けてしまおうと思っているんだ」
「しかし、それではまた魔王様に頼りきりになってしまいます」
「僕や眷族のみんなは見えない部分で動くから、カミラや騎士団には目立つ部分で活動してもらうよ」
言うなれば、材料の下ごしらえは僕らがやって、料理の仕上げはカミラに任せる感じですね。
準備が整ったら、相手が油断している間に、一気に勝負を決めると伝えると、カミラは表情を引き締めました。
「騎士団に命じて、選りすぐりの人員を選んでおきます」
「うん、それは良いんだけど、まだ王城の中にカルヴァインの手の者が居るからね。こちらの動きを悟られないようにして」
「はぁ……まだそのような者が出入しているのですか。新年の騒動の後で、十分に身元を調べさせたのですが」
「アーブル達のやり方は狡猾だからね。反乱に手を貸した騎士達だって、元から無能な人達だった訳じゃないんでしょ?」
「はい、曲がりなりにも王国騎士団に入団するには、厳しい選抜を乗り越える必要がございます。全員が有能であったはずなのですが……」
「そんな騎士でも弱みを握られ、逆らえない状況へと追い込まれたのだから、大勢の人間が働く王城から完全に排除するのは難しいんじゃないかな」
「それよりも、大元のカルヴァイン領を制圧する……という訳ですね」
「そのつもりだよ。うん、この話はここまで、もう少し詳しい状況が整ったら、また話をしに来るから、人員の選抜だけは進めておいて」
「畏まりました。あの、魔王様、お酒を召し上がられる前にご入浴をなさっては?」
「お風呂かぁ……」
確かに、今から下宿に帰って、シャワーを浴びるのは気が引けますし、王城のプールみたいな湯船は魅力的なんだよね。
広い風呂には抗い難い魅力を感じてしまう、これは日本人の性というものでしょう。
「世話役の人とかが入ってこないように、人払いをしてくれるなら……」
「畏まりました。魔王様がゆっくりと寛げるように、人払いをいたします」
カミラに人払いを頼んで広い風呂場に足を踏み入れると、もうマルト、ミルト、ムルトそれにハルトが待ち構えていました。
「ご主人様、うちらも入る」
「洗って、洗って」
「うちは、お腹をワシワシして」
「はいはい、みんな順番だからね」
掛け湯をして湯船に浸かると、ゼータが顔を覗かせました。
「主殿、私達もよろしいでしょうか?」
「え、えっと、一度に入るとお湯が溢れちゃうから、ゼータ達は順番ね」
最初にゼータに掛け湯をして湯船に入れ、エータとシータは洗い場で待機、それでも盛大にお湯が溢れちゃいましたね。
「あぁぁぁ、気持ちいい……」
「お湯とは、とても良いものですね主殿」
ゼータに寄り掛かりながら身体を伸ばすと、身体がお湯に溶けちゃいそうです。
マルトたちも目を細めてお湯に浸かり、洗い場では、エータとシータが石鹸でモコモコになっています。
そこにフラムも顔を覗かせました。
「兄貴、俺っちも入っていいっすかね?」
「魔王様、お背中をお流し……ひぃぃぃ……」
浴室の戸を開けたカミラは、フラムと鉢合わせになり、腰を抜かしてへたり込みました。
「ま、ま、ま、魔王様、こ、こ、こ……」
「うん、新しい僕の眷族、サラマンダーのフラムだよ。と言うか、一緒には入らないから、大人しく待ってて」
「ひゃっ、し、失礼しました……」
本当は一緒に入りたかったんだろうって? そんなの言うまでもないよね。
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