第211話 星属性

 委員長、マノン、ベアトリーチェの三人と朝食を終えた後、加藤先生と梶川さんに連絡して、帰還作業を少し待ってもらう事にしました。

 加藤先生はしぶい顔をしましたが、上手く行けばまとめて帰還させられる可能性があると伝えると、ようやく納得してくれました。


 綿貫さんについては、佐藤先生、千崎先生、それと彩子先生がサポートをしてくれるそうです。

 その上で、日本への帰還や中絶に関して、本人が一番望む形に沿えるようにするつもりです。


 その後に向かった先は、魔の森の訓練場です。

 全ての属性を合わせた星属性魔術。これこそが召喚魔法の上位版なのでしょうが、何の訓練も無しに召喚や送還が出来るとも思えません。

 同級生達の早期帰還のためにも、練習を重ねるつもりです。


『ケント様、何か切っ掛けを掴まれましたかな?』

「うん、全属性を合わせた星属性は、凄いポテンシャルを持ってるみたいだけど、普通の属性と違って、何が出来るかの部分が凄く曖昧な感じなんだ」


 例えば、火属性の魔術ならば火球、風属性なら気流と言う感じで、具体的な現象が思い浮かびますが、星属性に関しては凄い事が出来そうというだけで、具体的な現象が思い浮かびません。


 ただ、そんな中でも一つだけ確実に思い浮かべられるのが召喚術です。

 この召喚術を練習していけば、属性に関係無く、遠くから人を呼び寄せる事も出来るようになるはずです。


 つまりは、僕が日本から、ヴォルザードに居る同級生達を呼び寄せるられるようになるはずなのです。


「とは言ったものの、どうやって召喚したら良いのか、どうやって練習したものかねぇ……」

『ケント様、まずは見える範囲の物を手元に引き寄せてみてはいかがですかな』

「そうだね、やり方は……考えるよりも感じろかな」


 まずは、訓練場の端に落ちている木の枝で試してみます。

 引き寄せる物を良く見て、狙いを定めて瞬間移動するようにイメージをします。


「召喚!」


 頭の中でイメージした通りに、枝は瞬時に僕の手の中へと移動してきました。


『おぉ、さすがはケント様。この調子であれば、御学友を帰還させるのも時間の問題でしょうな』

「いやいや、まだ小枝を呼び寄せただけだから、人間で試すまでには幾つもの段階を経ていかないと無理だよ」


 この後、見える場所に置いたナイフや木箱、僕では抱えられない大きさの岩なども試してみましたが、いずれも上手く召喚出来ました。

 大きさや重さについては、ある程度の限界はありそうですが、人間一人程度ならば問題なく移動が可能です。


 次に試してみたのは、送還術です。

 手元にある物を、離れた場所に送り届けられるか試してみると、こちらも上手く行きました。


 離れた場所から瞬時に引き寄せ、離れた場所へと瞬時に送り出す。

 日本だったら、コタツの中から一歩も動かない駄目人間になりそうな魔術だよね。


「うん、物に関しては大丈夫そうだけど、問題は生き物だよね」

『なにか動物を使って試してみますか?』

「そうだね。この辺りは魔物も寄り付かなくなってるみたいだから、ちょっと移動しようか」


 魔の森の訓練場は、ネロやゼータ達が縄張りの主張をしているらしく、今やロックオーガのような魔物も寄り付かなくなっています。

 ですが影に潜って森の更に深い場所へと移動すれば、手頃なゴブリンの群れなどは簡単に見つけられます。


『どのようになさいますか、ケント様』

「そうだねぇ……手元に召喚して、攻撃される前に別の場所に送還する感じで行こうか」


暫く様子を窺っていると、何かを見つけたのか、群れから一頭のゴブリンが離れました。

 こいつに練習台になってもらいましょう。

 30メートルほど離れた木の影から表に出て様子を窺っていると、不意にゴブリンと目が合いました。


「召喚!」


 ゴブリンは1メートルほどの距離に、瞬時に移動して来ました。


「ギッ! ギギィィィ!」

「送還! あっ……」


 送還術の発動と驚いたゴブリンが跳び退るのが、ほぼ同時だったからでしょうか。

 ゴブリンの身体の前半分が消失し、縦にスパっと切断された後半分が内臓を撒き散らしながら倒れて行きました。

 途端に、あたりに濃密な血の臭いが漂い始めます。


「ギャ! ギギャギャギャァァァ!」


 身体の前半分を送り届けられたゴブリンの群れでも騒ぎが起こり始めています。


「うわっ、大失敗だ……」


 群れの何頭かが僕に気付いて、こちらに向かって来たので、闇の盾を出して影へと潜りました。


『ケント様、何が起こったのですか?』

「うん、召喚や送還をする時に、対象の物が収まっている空間を切り取って移動させている感じなんだけど、今はゴブリンが動いちゃったんで、その範囲から出ちゃったんだよ」

『なるほど、範囲に残っていた身体の前側は送還され、はみ出していた後半分は残ってしまった訳ですな?』

「そうみたい。でも、これはちょっと気を付けないと、同級生があんな風になっちゃったら洒落にならないからね」

『そうですな。ですが、範囲に収まっていれば生き物であっても召喚は可能なようですな』

「そうだね。もうちょっと検証は必要だろうけどね」


 この後、何度か検証を続けていくと、やはり指定した範囲からはみ出してしまうとスパッと切断されてしまうようですし、異動させる先に、固形物がある場合には上手く送還が出来ないようです。


 例えば、ゴブリンを岩の中に送還してしまえと思っても、岩を押し退けてゴブリンを突っ込むことは出来ません。

 先に大きな岩の中をくり抜くように召喚し、その開いた空間にゴブリンを送り込むならば可能なようです。


「だいぶ召喚、送還については分かって来たけど、ちょっと問題発生だね」

『どうかなさいましたか、ケント様』

「うん、目に見えている範囲ならば、召喚も送還も出来そうなんだけど、見えない範囲の物は、現状では召喚も送還も出来る気がしないんだよね」

『なるほど、それは範囲指定の問題ですかな?』

「うん、そんな感じ」


 遠くにある物を瞬時に手元に引き寄せる、逆に遠ざける力は便利ですけれど、同級生達の帰還には使えそうもありません。


「そうか、あの方法……いや駄目か……」

『ケント様?』


 星属性を手に入れた時に体験した、空から眺める方法を使えば、見える範囲は大幅に広がりますが、それでもヴォルザードから日本は見えません。

 日本どころか、500メートルも離れれば、目測は曖昧になってしまいます。


『ケント様、今日はこのぐらいにされてはいかがです?』

「えっ、あぁ、そうだね。そろそろ戻ろうか」


 召喚送還術に夢中になっているうちに、日はすっかり傾いて、辺りは薄暗くなっていました。

 時間を意識した途端に、胃袋が空腹を訴えてきます。


 そう言えば、お昼ご飯も食べていませんね。

 影に潜って下宿の裏まで移動しました。


「ただいま戻りました……ふぶぅ!」

「あんた誰っ! えっ、ケント……?」


 裏口を開けて声を掛けると、ロケットみたいに突っ込んで来たメイサちゃんは、弾かれたように身体を離して身構えました。


「どうかしたの? メイサちゃん」

「ケント……なの?」

「そうだよ。あぁ、これか……」

「なんで黒髪じゃないの? 急に年取っちゃったとか?」

「そんな訳ないでしょ。これは、属性奪取の影響みたい」

「属性、奪取……?」

「何だい何だい、騒がしいねぇ……おや、ケント、その髪どうしたんだい?」

「はい、それを説明しようとしていた所です」


 アマンダさんの店は、今日から年明けの闇の曜日まで休みだそうで、普段出来ない店の掃除や片付けをしていたそうです。

 髪色の話をしようかと思ったら、盛大にお腹が鳴って、先に夕食を済ませる事になりました。


 今夜は、年明けからの発売を考えている、新メニューの試作品だそうです。

 鳥の手羽は、香草を混ぜた塩で味付けして、皮がパリっとするように焼き上げてあります。


 新メニューのツボは、そこに合わせるソースだそうで、五種類ほどのソースが並べられていました。

 現状に満足せず、新しい味を追及する姿勢が、店が人気な理由なんでしょうね。


「さぁケント、それぞれのソースを試して、忌憚のない意見を聞かせておくれ」

「じゃあ、まずこれ……は、最後の方が良さそうですね」


 一番手前に置いてあるソースは、見るからに辛そうな色をしています。


「あぁ、それはちょっと刺激が強いから後にしておくれ」

「じゃあ、これから……」

「どうだい?」


 グリーンのソースは、少し苦味のある野菜がベースになっていて、ソース自体は美味しいのですが、肉に掛けた場合には、味付けに使っているハーブとの相性が悪いのか、苦味が強く感じられて今いちですね。


「ちょっと、ハーブと合わさって苦味が強く感じますね」

「そうかい……ふむ、そうだね、確かにそうだ。じゃあ次だ」


 二番目のソースは、深いオレンジ色をして、柑橘系の爽やかなソースです。


「むぐむぐ……んぐっ、これは塩気と酸味がぶつかる感じがしますね」

「ほうほう……ふむ、そうだね、確かにそうだ。じゃあ次だ」


 三番目のソースは、クリーム系のとろりとしたソースです。


「むぐむぐ……んぐっ、これも濃厚で美味しいですけど、あっさり味の肉が負けちゃってる感じがしますね」

「そうだね。確かにちょっとソースが強すぎだね」


 四番目のソースは、紫色をしたフルーツ系のようです。


「んっ! うん、うん……これが美味しいです。甘みと酸味のバランスが絶妙です」

「どれ、あぁ、そうだね。このぐらいのバランスが良いね」


 そして最後が真っ赤なソースです。

 テーブルに置かれている時点で、辛そうな香りが漂ってきますが、それはそれで食欲をそそられる香りでもありました。


「ん――っ! 辛っ、でも旨っ! あぁ、これヤバい、クセになる辛さだぁ」

「あははは、そうだろ、そうだろう、それが一番の自信作さ」


 舌がピリピリするほどの辛さですが、単純な辛さではなくて、旨みや甘みも感じられる複雑な辛さです。

 これが肉の臭みを消し去って、旨みだけを引き立たせている感じです。


 メイサちゃんも、ヒーヒー言いながらも、止められない止まらない状態ですね。

 でも、メリーヌさんが独立するタイミングで新メニューを用意するあたり、アマンダさんも危機感を覚えているのでしょうか?


「当たり前さ、師匠を簡単に乗り越えられたら、慢心して修行をしなくなっちまうかもしれないだろう。先人は乗り越えるべき高い壁じゃなきゃいけないのさ」

「でも、それじゃあメリーヌさんのお店が軌道に乗らないんじゃ……」

「馬鹿言ってんじゃないよ。あたしが認めて送り出したんだ、流行らないわけないだろう」

「そうですけど。店を一旦閉めるまでの味が酷かったから……」

「あぁ、確かに前評判の悪さはあるだろうが、メリーヌなら大丈夫さ」

「まぁ、そうですよね」

「それでケント、その髪と目は、どうしたんだい?」

「はい、これはですね……」


 水属性を奪って、全属性を手にしたらこうなったと、これまでの経緯を含めて説明するとアマンダさんもメイサちゃんも半信半疑といった表情を浮かべました。


「えーっ……全部の属性が使えるなんて、ちょっと信じられないよ、だってケントじゃん」

「いやいや、メイサちゃん、信じられない理由がおかしいからね。僕だって頑張ってるんだからね」

「えーっ……だったら証拠見せてよ」

「証拠って言われてもねぇ……」

「えっ、何っ? うっそ……」


 メイサちゃんの目の前にあった、食べかけのプリンを手元に召喚して、すぐに元の位置へと戻してみせました。

 正面から見ていたアマンダさんは、目を見開いて驚いています。


「ケント、今のはどうなってるんだい?」

「はい、これが全属性を手に入れると使えるようになる星属性の召喚術です」

「星属性って、どうして星属性だと分かったんだい?」

「えっ、それは……何となく?」

「凄いんだろうけど、何だか頼り無いねぇ」

「はぁ……」


 いやいやメイサちゃん、僕が話してる最中に、スプーンを伸ばして僕の分のプリンを強制召喚しないでくれるかな。


「ねぇケント、それでケントの仲間を元の国に帰せるの?」

「今はまだ目で見える範囲でしか使えないけど、いずれは……」

「ケントも帰っちゃうの?」

「帰らないよ。僕の場合は、元の世界に帰ると色々と面倒だからヴォルザードに残るよ」

「ホントに? ホントにホント?」

「ホント、ホント、帰らない……と言うか、帰りたくない」

「むふぅ……そうか、そうなんだ。帰りたくないんだ」


 メイサちゃんは鼻を膨らませて満足そうな表情を浮かべているけど、お気に入りのオモチャが無くなるのが嫌なのか、モフモフなマルト達が居なくなるのが嫌なんでしょうね。


「そうだね。もうお店も休みになるし、僕も少し休暇を取って……」

「なになに、何するの?」

「メイサちゃんに、みっちりと算術を教えようかねぇ」

「嫌ぁぁぁぁぁ! 算術は嫌っ!」

「冬休みの宿題があるんじゃないの?」

「それは……無い! 宿題なんて……」

「メイサ……嘘ついて宿題サボろうなんて考えてるなら、ケントに頼んで算術の問題を倍に増やすよ」

「やだ! やっぱりある、宿題ちゃんとやる……」


 まったくメイサちゃんは、目の前の困難から逃げようとする……あんまり僕は偉そうな事は言えませんね。


「ねぇケント、ピクニックは何時行くの?」

「うぇ? ピクニック……」

「忘れてたでしょ? ネロとお昼寝するって約束したじゃない」

「そうでした……」


 確かにメイサちゃんに、ネロと昼寝出来るように、ピクニックに行く約束をしてました。


「何だい、ピクニックなんて、こんな寒い時期に行くもんじゃないだろう」

「やだ、ピクニック行くの! ネロとマルトとミルトとムルトと、お昼寝するの! あと、ついでにケントと……」


 僕は、ついでですか。

 でも、約束は守らないと駄目ですよね。


「そうだアマンダさん、僕が家を建てるために切り開いた土地があるですが、そこにシートを広げて、みんなでお昼を食べるのは、どうでしょう?」

「土地って……あぁ、街の西側にいきなり出来上がったところだね。お客さんが噂してたよ、魔物が工事してるってさ」

「はい、今は眷族のみんなが住む場所を作ってますけど、いずれは僕の家も建てる予定でいます」

「ケントのくせに、自分の家なんて生意気!」

「まぁメイサちゃんの言う通り、自分でも生意気だとは思うけど、色々事情があるんだよ」

「ケントは、うちの二階にずっと居ればいいの!」

「いやいや、それじゃあお嫁さん達が寝る場所が無いからね」

「じゃあ結婚しなければいいじゃん!」

「そうもいかない事情があるんだよねぇ……」

「事情って? ユイカさんも、マノンさんも、ベアトリーチェさんも急ぐ理由なんて無いんじゃないの?」

「まぁ、そうなんだけど……」


 ギガース退治の一件や、セラフィマについて話すと、アマンダさんもメイサちゃんも、ポカーンと口を開いて固まっちゃいました。


「お母さん、ケントは夢と現実の区別がつかなくなってるんだと思う」

「あたしもそう思うけど……ケント、他の三人には、ちゃんと話をしてあるんだろうね」

「はい、それはもう、ちゃんと報告済みです」

「ねぇねぇ、お母さん。ケントは四人もお嫁さんを貰って、領主様の御屋敷みたいな家に住むの?」

「さぁ、そうなんだろうけど、全然ピンと来ないねぇ」

「僕自身、実感なんて全然無いし、僕の家というよりも、みんなで住む家だからね」


 実際、僕は今の下宿の部屋ぐらいの広さがあれば十分だし、他はみんなに自由に使ってもらうつもりです。

 ただ一つだけ、食事は全員が一緒に食べられるような広い食堂が欲しいな。


 休みの間に時間を調整して、みんなで集まって建設予定地でお昼を食べる約束をして、一旦自分の部屋へと戻りました。


『ケント様、ザーエが頼みがあると申してますが……』

「ザーエが? 何かな」

「王よ。可能であれば、我々に水属性の付与をお願いしたい」

「あぁ、そうだった。せっかく水属性を手に入れたんだもんね。じゃあ、建設予定地でいいかな?」

「はい、よろしくお願いいたします」


 ザーエ達、アンデッド・リザードマンに水属性の付与を行うために、自宅の建設予定地に移動したのですが、ビックリですよ。


「えっ、木が生えてるんだけど……」

「王よ、やはり自然は必要ですぞ」

「えっ、あぁ……うん、そうだね」


 やたらと広い土地だから、庭木とかないと殺風景になっちゃうとは思っていたけどさ、見上げるような巨木が何本も立ってるのはどうなんだろうね。

 てか、どこから、どうやって運び込んだんだろうね。


「にゃぁ、ネロが手伝って運んできたにゃ」

「主殿、私達も手伝いました」

「あぁ……うん、ありがとうね」

「お安い御用にゃ」

「いつでもお申し付け下さい、主殿」


 恐らくゼータ達が掘り起こして、ネロが闇の盾を出して運び込んで来たのでしょう。


 それでも。ちゃんと日当たりを考えてか、巨木が植えられているのは土地の西側と北側で、旧市街と接する東側と日当たりを考えてか南側には大きな木は植えられていません。


 と言うか、巨大なリゾートプールみたいなものが作られてあるんですが、これがザーエが言ってた池なんでしょうかね。

 水が入っていないので、構造が良く見えているのですが、手前は浅く、奥に行くほど深く掘ってあります。


 しかも、底と横面は土属性魔術でガッチリ固めてあるようです。

 何だか、僕の家はアミューズメントパークみたいになりそうだよね。


「じゃ、じゃあ属性付与をやっちゃおうか」


 ザーエ達に魔石を持たせ、僕を囲んで円陣を組んでもらいました。

 闇色の靄に包まれながらイメージしたのは、水を自由に扱い、水と戯れ、水と共に戦うザーエ達の姿でした。


 靄が晴れ、属性の付与が終わると、ザーエ達の鱗が輝きを増したように感じました。


「素晴らしい、さすがは我らの王、ケント・コクブ様です。これらならば、更に強く、更に巧みに戦えます」


 属性の付与を終えたザーエ達は、池のあちこちに散らばって行くと、一斉に魔術を発動し、池に水を満たし始めました。


「うん、確かにこれは夏になったら泳ぎたくなるかも」


 池の中には小さな島まで作られていて、泳ぎ疲れた身体で日光浴するのに丁度良さそうです。


「あれっ、でも、この池の水って、どうやって浄化すれば良いんだろう?」

『心配要りませんぞ、ケント様。リザードマンは水質を浄化する魔術が使えるはずです』

「そっか、じゃあ水質を含めて、池の管理はザーエ達に任せれば良いのかな?」

『いかにも、その通りです』


 うんうん、なかなかに良いですぞ、夏になったら、是非お嫁さん達に際どい水着を着ていただいて……これは夢が膨らみますね。

 服屋のフラヴィアさんに、マノンとセラフィマ用に、白スク水でも発注しちゃいましょうか。


 委員長とベアトリーチェには、やっぱりビキニだよね。

 うーん、今から夏が待ち遠しいですね。

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