第175話 属性付与

 委員長を送り届けて下宿に戻ると、ラインハルトから頼み事をされました。


『ケント様、試していただきたい事があるのですが』

「試す? 何かな?」

『はい、コボルト達に、土属性の魔法を付与出来ないかと思いましてな』

「強化だね。城壁作りには土属性魔法があった方が良いもんね」

『いかにも、その通りです。城壁は石を積み、隙間の部分には土を詰めて、土属性の術士が硬化させます。その過程をコボルト達が担当出来れば、城壁作りも効率化出来ますからな』

「了解、じゃあ魔の森の訓練場に移動しよう」


 思い返してみれば、この訓練場もラインハルトが数日で切り開いたものです。

 眷族達が本気を出せば、家の用地のための地均しも、数日で終わってしまうのかもしれません。


『ぶははは、何をおっしゃいますかケント様、地均しなど、今夜のうちに終わらせてしまいますぞ』

「えぇぇ……だって、木の伐採をして、根も掘り出さないと駄目じゃないの?」

『伐採は、既にフレッドが済ませておりますし、根の掘り起こしもネロがちょいっと終わらせてしまうでしょうな』

『伐採した木は……枝を払って製材済み……』

「はぁ……まぁ、僕としても助かるから文句なんて無いんだけど、何て言って良いのか分からないよ」


 ある意味、カミラが魔の森の開拓のために召喚を行ったのは、大正解だったような気になっちゃうよね。

 眷族のみんなの仕事の早さに圧倒されていたら、フレッドに話し掛けられました。


『ケント様……ちょっと……』

「ん? どうかしたの、フレッド」

『あのタカシロ……ちょっと変……』

「えっ、ちょっと変って、どういう意味?」


 聞き返すと、フレッドは腕組みして首を捻り始めました。


『上手くは言えない……でも、何か違和感がある……』

『ケント様、フレッドは昔から勘が働くタイプでしたので、一応気を付けておいて下され』

「ラインハルトも、高城さんは変だと感じたの?」

『いえ、ワシは特には……極度の親バカだとは感じましたが、それだけですな』


 僕とラインハルトが話している間も、フレッドはしきりに首を捻っていました。

 うん、久々に見る考えるスケルトン、良いですね。


「分かった、フレッドがそう思うのであれば、何かあるんでしょう。僕も気を付けておくよ」

『タカシロと会うときは……必ず呼んで欲しい……』

『よかろう、ワシからも声を掛けるようにしよう』


 それにしても、フレッドが感じた違和感って何でしょうね。

 今日は、青タンがあったり、頬が腫れていたりしたので驚きはしましたが、あとは親バカを除けば変わった様子は見られませんでした。


「まぁ、高城さんには注意するとして、それじゃあ土属性の付与にチャレンジしてみようか?」


 マルト、ミルト、ムルトに魔石を持たせて、土属性魔法が使えるようにイメージしながら強化をしましたが、どうも上手くいきません。

 闇属性の時は、パスを繋ぐようにイメージしたので、二回目は土属性のパスを繋ぐようにイメージしましたが、やっぱり上手くいきません。


「うーん……何が足りないんだろう」

『駄目ですか? ケント様』

「そうだね、パスが伸びて行かない感じだよ」

『それではケント様、ニホンから人を連れて参る時のようにされてみてはいかがです』


 日本から人を連れて来る時には、傷口を合わせて魔力の付与を行っています。

 いわゆる粘膜接触と同等の条件を満たすためですが、アンデッドでも同様の事が出来るのか、少々疑問に感じます。


 それに、粘膜接触でないと属性の付与が出来ないのだとしたら、ラインハルト達スケルトンには出来なくなってしまうような気がします。

 なので、普通に触れた状態で、属性の付与が出来ないか試してみる事にしました。


「それじゃあ、まずはマルトから」

「わふぅ、ご主人様、抱っこしてくれるの?」

「おいで……」


 魔石を持たせたモフモフのマルトを抱えて、その状態で属性付与を意識しながら強化を試みました。

 闇色の靄が、僕とマルトを包み込み、段々と周囲の風景が見えなくなっていきます。


 強化の靄に初めて包まれたのですが、不思議と不安な気持ちは無く、むしろ幼い頃に母や祖母に抱かれた時のような安心感に包まれました。

 何の心配も要らない、何だって出来てしまいそうな気さえしました。


「マルト、大丈夫だね?」

「わふぅ、ちゃんと魔法が使えると思うよ」


 言葉通り、マルトは硬化の魔法を使って見せました。

 その後、ミルトとムルトに属性の付与をして、コボルト隊は五頭ずつ順番に属性の付与を終えました。

 ちなみに、ミルトに火属性の付与を試みてみましたが、上手く行きませんでした。


『どうやら、元々持っていた属性に影響されるようですな』

「そうすると、ザーエ達は水属性、ネロには風属性じゃないと付与出来ないって事かな?」

『おそらくは、そうなのでしょうな』

「ちなみに、ラインハルト達は何属性だったの?」

『ワシ等ですか? ワシは火属性、フレッドが風属性、バステンは水属性でしたな』

「それじゃあ、ちょっとラインハルトの火属性が付与出来るか試してみよう」

『ワシ等は今のままでも十分に強化されておりますが……』

「うん、でもグリフォンみたいな強力な魔物が、この先も現れないとは限らないし、ゴブリンの極大発生を上回る規模の魔物の群れが、ヴォルザードを襲わないとは限らないからね」

『なるほど、それでは試していただきますかな』


 僕よりも大柄なラインハルトを抱える事は無理なので、跪いてもらって両肩に手を置いた状態で属性の付与を試みました。

 コボルト隊に付与を行っている時にも感じたのですが、属性の付与は、魂の根幹に繋ぎ止めるような感覚があります。


 ラインハルトの火のように滾る思いは、やはりリーゼンブルグの繁栄を思っているように感じられました。


「どう、いけそうかな?」

『おぉぉ、これは、これは……』


 属性の付与を終えたラインハルトは、僕らから離れた場所で愛剣グラムを抜き放つと、剣の腹で仰ぐように軽く横薙ぎに振ってみせます。

 その途端、グラムは紅蓮の炎を纏い、ラインハルトが気合と共に天に向かって突き上げると、巨大な火球が撃ち出されました。


『ぶはははは! これは痛快! ケント様、これならばグリフォンさえも焼き滅ぼしてみせますぞ』

「う、うん、その時は、よろしく……」

『お任せくだされ。ぶははは……ぶははははは!』


 剣どころか、全身に炎を纏って大剣を振り回すスケルトンは、傍から見ると悪鬼のようです。


『ケント様……やりすぎ……』

「いや、だって、属性与えただけだし……」

『仕方無い……バステン、よろしく……』

『うぇぇ、俺かよ、また俺かよ……ケント様、早めに水属性を手に入れて、私に付与して下さい。あの分団長には、水ぶっかけて頭冷やさないと……』

『という事で、ケント様……よろしく……』

「はぁ……分かったよ。次に帰還させる人は、水属性の人にしてもらうよ」

『ぶははは! 愉快なり、愉快なり! ぶははははは!』


 火達磨スケルトンは、暫く止まりそうも無かったので、後をフレッドとバステンに頼んで下宿に戻りました。

 自分の眷族だけど、面倒見きれないですよね。

 まぁ、元々持っていた属性だから、火事とかは起こさないでしょう。


 翌朝、久々に下宿から歩いてギルドに向かいました。

 鷹山と待ち合わせをしているので、急に姿を現して騒ぎを起こすと、受付嬢のフルールさんに怒られそうですからね。


 それに、週明けのギルドには、ネコ耳天使のミューエルさんが来ているかもしれませんし、邪魔者のギリクが居なければ、更に良しですよね。


 ギルドのドアを開け、短い廊下を目立たないようにして歩いて行くのですが、近くまで来て僕に気付いた冒険者が、弾かれたように飛び退くんですけど、何となくGにでもなった気分にさせられちゃいますよね。

 別に取って食ったりしないし、突然飛んだりもしないのにね。


 ギルドの中は、普段以上の大賑わいの様相を呈しています。

 先週は、グリフォン騒動で、昼間の仕事は殆ど出来ていないでしょうし、新年の足音も近付いてきていますので、年越しのための資金稼ぎに精を出す人も居るのでしょう。


 そして、押し合いへし合い人混みが溢れる掲示板前には、今日もリドネル達の姿があります。

 以前は、人の波に翻弄されているだけのように見えましたが、今日は何だか押されつつも流されないような強さを感じます。

 やっぱり毎日参加していると、鍛えられるんでしょうかね。


 そして、少し離れた壁際には、居ました居ました。

 桃髪ネコ耳のミューエルさんが、少し気だるそうな様子で佇んでいます。


 そこから少し離れた場所では、鷹山が仕事を探しに来た女子達に囲まれてますね。

 さては、委員長から早速情報が流れたんでしょうね。


「おはようございます、ミューエルさん」

「あっ、おはよう、ケント」

「ミューエルさん、どうかされました? なんだか具合が悪そうですけど」

「ううん、ちょっと昨日はしゃぎ過ぎたからかなぁ……」

「ちょっと、あちらを向いてもらえます?」

「えっ、いいけど……」

「ちょっと失礼」

「あっ……」


 ミューエルさんの背中に手を当てて、治癒魔法を流してみました。

 うん、やっぱり身体全体の働きが鈍くなっていて、風邪みたいな感じでしょうか。


「うん、これで大丈夫かな?」

「凄いよケント、身体に溜まっていた悪いものが、スポーンっと抜けていった感じ、凄い、凄い!」


 振り返ったミューエルさんの表情は、パッと明るくなっていて、血色も良くなっていました。

 そして、振り向いた勢いそのままに、ギューってハグされちゃいました。


「凄いねぇ、ケントが治癒魔法を使えるのは知っていたけど、こんなに凄いとは思ってなかったよ」

「いえいえ、ミューエルさんには、同級生達も色々とお世話になっているようですし、この位の事は何時でも言ってください」

「ありがとう。それで、ケントも仕事を探しに来たの?」

「いえ、今日は素材の搬入と、そこに居る鷹山の件で頼み事をしに来ました」


 話題に上がったと気付いた鷹山が、こちらに向かって頭を下げました。


「彼が、どうかしたの?」

「はい、もうちょっと稼ぎの良い仕事にありつけないか、冒険者としての経験を積めないか、ドノバンさんに頼もうと思って」

「ケントは優しいんだねぇ。でも、ヴォルザードでは、それは自分で何とかする事だと思うよ」

「まぁ、そうなんでしょうけど、鷹山は僕と同様に、こちらの世界に来て日が浅いですし、もう少ししたら子供が生まれるみたいなんで……」

「えぇぇぇ……だって、彼はケントと同い年だよね?」

「そうなんですけど、色々と訳ありでして……」

「へぇ……そうなんだ」


 ミューエルさんと話しながら、朝の混雑が終わるのを待っていたら、同級生の男子が二十人ぐらいでしょうか、ゾロゾロと入って来ました。


 黒髪の一団は、ヴォルザードの人達の好奇の視線が向けられると、その視線を避けるように壁際を通って、僕らの方へと歩いて来ます。

 その中に、同じクラスの長谷川君の姿がありました。


「よぅ国分、無料で戦闘講習が受けられるって聞いたんだけど……」

「うん、受けられるよ。受付に行って申し込めばOKだよ」

「分かった、サンキュー」


 同級生達の一団は、ゾロゾロと受付に移動して行きました。


「そうだ、鷹山はギルドの講習受けた事ある?」

「いや、無いけど、受けた方が良いのか?」

「そうだね、将来的なことを考えてたら、受けた方が良いね」

「分かった、俺も申し込んで来るよ」


 受付に向かう鷹山を見送っていると、ミューエルさんがポツリと言いました。


「ケントが私達に講習の話を聞きに来たのって、ついこの前って感じなのに、もうSランクなんでしょ? 凄いよねぇ、ホント凄いよねぇ……」

「いやぁ、そんな、偶々ですよ、偶々……」


 むふぅ、そうなんです、僕って結構凄いんですよ。

 もっと褒めちゃっても良いんですよ。


 僕は、褒められて伸びるタイプですからね。

 なんなら惚れちゃっても良いんですよ。

 これから大きい家を建てますから、入っちゃいます? ハーレムに。


「何だかケントが遠くに行っちゃった感じだねぇ」

「いやいや、僕はヴォルザードに根を下ろそうって考えてますから、遠くに何かいきませんよ」

「そういう距離じゃなくて、心の距離みたいな? 結婚相手も三人もいるんでしょ?」

「うぇ、えっ、えぇ……まぁ、そうなんですけど……そ、そう言えば、今日はギリクさんは来ていないんですか?」

「うん、ギリクは体調崩して寝込んでるから、暫くは無理かなぁ……」

「そんなに具合が悪いなら、僕が行って……」

「いいの、いいの、行かなくても大丈夫だから」


 ミューエルさんの話によれば、看病という言葉のもとに、姉達の玩具にされているらしいです。

 そんな面白いもの、是非見てみたいと思ったのですが、行ったら僕まで玩具にされると聞いては、ちょっと二の足を踏んでしまいますね。


「でも、ギリクさんが居ないんじゃ、採集に出掛けるのに護衛が居なくて困りませんか?」

「うん、まぁそうなんだけど、今日は森の浅い所だけで採集するから平気だよ」

「でも、先週はグリフォン騒ぎで採集出来なかったんじゃないんですか?」

「うん、そうなんだよねぇ……ちょっと困ったかな」

「それならば、僕の眷族を護衛に付けますよ」

「えっ、いいよ、いいよ、そんなの悪いし……」

「いえ、全然大丈夫ですよ。今日は僕は外に出る予定も無いですし、万が一の時には、すぐに戻って来られますから問題無いですよ」

「ホントに? じゃあ、お願いしちゃおうかなぁ」

「それじゃあ、訓練場で紹介しますから、後で一緒に来てもらっても良いですか?」

「ありがとう、助かったよ。本当は、少し深い所まで採集に行きたかったんだけど、ギリクが居なくて困ってたんだ。ケントは頼りになるねぇ」


 来た来た来た――っ、ハグ&頭撫で撫でですよ。

 誰かな、委員長に知らせるとか言ってる人は、忍者スケルトンに暗殺させちゃうよ。

 てか、ホント言わないで下さい、お願いします。


 朝の混雑も下火になり、同級生の男子達は会議室へ、女子も各々仕事に向かい、僕はテベスさん、ミューエルさんと一緒に倉庫に向かう事にしました。

 鷹山の件は、これから講習の講師を務めるドノバンさんに、事情を話して頼んでおきました。


「いいだろう。まずは講習の態度を見てから決めるが、構わんな?」

「はい、結構です。よろしくお願いします」

「まったくお節介な奴だな」

「こればっかりは性分なようで……」


 ニヤリと笑ったドノバンさんは、会議室へ向かって重たい足音を響かせて行きました。

 ドノバンさんに鉄筋を入れておけと言われた倉庫は、訓練場の向こう側でした。


 テベスさん、ミューエルさんと一緒に向かうと、倉庫の軒下にはギガウルフのブランと自称魔物使いのルイージャ、それに本部ギルドのマスター・レーゼと護衛のラウさんの姿もありました。


「おはようございます、皆さん」

「なんじゃいケント、また新しい嫁かぇ?」

「いえ、ミューエルさんは、僕がヴォルザードに来た頃からお世話になっている方です」

「ケント、こちらの方達は?」


 ミューエルさんに、レーゼさん達の素性を話すと、目を丸くして驚いていました。

 ラウさんも、ドノバンさんが若い頃の話を聞かせてくれたと話すと、頬を緩めました。


「ほっほっほっ、ドノバンがそんな昔話までしおったか。そなた、相当に見込まれたようじゃな」

「はい、でも、笑い事ではないような……」

「ほっほっほっ、鍛えるのなら若いうちじゃ。ワシのように爺になっては老いさらばえていくばかりじゃからの」

「でも、技とか経験は消えたりしないのでは?」

「ほぅ、確かに経験はボケぬ限りは消えたりせんが、技は体の衰えと共に錆び付いていきよるわい」


 こうして呑気に話しているだけならば、優しいお爺ちゃんにしか見えないんですが、ちょっと本気を洩らすだけでも、僕なんかはチビりそうなぐらいの迫力なんですよね。


 それを知らないテベスさんやミューエルさんはニコニコと話を聞いてますけど、マジで怖いんだからね。


「さてケントよ。例の鉄の追加が来たと聞いたのじゃが、どうなんだぇ?」

「本当に耳が早いですよね。これからテベスさんに立ち会ってもらって倉庫に納めるところです」

「立ち会わせてもろうても、構わんかぇ?」

「そりゃあ、本部ギルドのマスターの頼みは断われないでしょう」

「なんじゃ、冷たい言い方じゃな。将来、伴侶となる仲じゃと言うのに……」

「い、いや……それは、そうなんですけど……」


 うわぁ、ミューエルさんが、ガラス玉みたいに感情の抜け落ちた目で見てるんですけど……

 ゴミでも見るような視線に、ちょっとゾクゾク……したりしませんからね。


 ルイージャとブランからも、親の仇みたいな目でみられちゃってるし、すんごい居心地悪いです。

 さっさと鉄筋を搬入してしまいましょう。


 テベスさんに場所を決めてもらい、影収納からコボルト隊に鉄筋を運んでもらいました。

 てか、みんな泥だらけなんだけど、これって絶対にやり過ぎてるよね。

 凄い勢いで、城壁作っちゃってるよね。


 鉄筋の山が出来上がっていくほどに、レーゼさんの笑みが深くなっていきます。

 前回、鉄筋を運んで来た時には、クラウスさんと密談がありましたが、今回もそうなるんでしょうね。


「ケントよ、この鉄の搬入は今回が最後なのかぇ?」

「いえ、たぶんまだ何度かは運んで来ると思います」

「量は、これと同様かぇ?」

「量については何とも、その時次第としか言えませんね」

「これほどの鉄が、これほどに……ランズヘルトが大きく変わっていくやもしれぬぇ」


 搬入された鉄筋をしげしげと眺めた後、レーゼさんはラウさんと一緒にクラウスさんの執務室を訪ねると言って歩み去って行きました。

 ミューエルさんも、鉄筋の山には驚いています。


「ケントの世界って凄いんだねぇ」

「まぁ、たまたま僕の住んでいた世界の方が発展が早かっただけで、こちらの世界も、いずれは同じレベルに到達するんだと思いますよ」

「でも、今は遥かに劣ってるもんね」

「うーん……でも進歩の代わりに大気汚染とか土壌汚染とか、マイナスの部分も沢山あるから、簡単にどちらが良いとかは言えないと思いますよ」

「そうか、進んだら進んだなりの問題はあるんだね」


 ミューエルさんには、ツーオを護衛に付ける事にしました。

 初めてアンデッド・リザードマンを見た時には、ミューエルさんビックリして尻尾が逆立ってピーンってなってました。


「じゃあ、ツーオ、お願いね」

「了解ですぞ、王よ。影の中より、しっかりと御守りいたします」

「ミューエルです、よろしくお願いします」

「ツーオです。姿は見せませぬが、影の中には居りますので、ご心配無く」


 ミューエルさんとは訓練場で別れて、僕はクラウスさんの所に顔を出したら、守備隊の宿舎に行って、準備が出来ていれば、誰かを帰還させるつもりです。

 さて、今週も一週間頑張りますかね。

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