第160話 王子の死

 下宿に戻って、アマンダさん、メリーヌさん、メイサちゃんと夕食を食べ、お風呂にも入って、さぁ寝ようと思っていたら、ひょこっとキルトが現れました。


「ご主人様、フレッドが来てほしいって言ってるよ」

「えっ、何かあったのかな?」

「王子が死んだって」

「えぇぇ……王子って、アルフォンス? ディートヘルム?」

「えっと……年寄りの方」

「分かった、すぐ行くって伝えておいて」

「わふぅ、了解しました」


 キルトにフレッドへの伝言を頼んで、急いで出掛ける支度を整えました。

 幸い、メイサちゃんは既に夢の中なので、言い訳の必要はありません。


『まったく、せっかくケント様が警告をなさったのに……』

「やっぱり、アーブルの手の者による毒殺なのかな?」

『それぐらいしか理由は考えられんでしょう』


 ラインハルトと一緒に、フレッドを目印として移動しました。

 移動した先は、第一王子派がカミラからの早馬の知らせを受け取り、協議を行っていた野営地です。


 冬枯れの草原に、それぞれの貴族の家の旗がたなびき、数多くの天幕が立ち並んでいます。

 フレッドが居たのは、その野営地の中央に建てられた、一際大きな天幕でした。


「フレッド、どんな状況なの?」

『第一王子は……愛人と交合してた……』

「えぇぇ……遠征の最中なのに?」

『愛人マグダロスは……近衛騎士の部隊長……』

「あぁ、常に行動を共にしてたんだね。ってか、近衛騎士が一緒にいたのに殺されたの?」

『一戦交えた後、マグダロスは酒……王子は水を口にした……』

「つまり、その水に毒が仕込んであったって事?」

『おそらく……』


 第一王子アルフォンスは、水を一息に飲んだ数瞬後に、いきなり胸を掻き毟りながら吐血し、暫くの間もがき苦しみ続けていたそうです。

すぐに治癒士が呼ばれて、治癒魔法が掛けられたそうですが、そのまま帰らぬ人となったそうで、今は寝台に寝かせられて、顔には白い布が掛けられています。


 今現在、アルフォンスの天幕に顔を揃えているのは、血走った瞳のマグダロス、参謀のトービル、派閥の重鎮であるドレヴィス公爵、ラングハイン伯爵、サルエール伯爵、それに第四王子のディートヘルムと初老の騎士が一人。


 円形の天幕の外周にそって、床几に下ろした七人の間には、重たい沈黙が漂っています。


「フレッド、あの年配の騎士は誰?」

『ディートヘルム付きの騎士……ユルゲン・レンメルト……』


 天幕を支配していた重たい沈黙を飄々とした語り口で破ったのは、そのユルゲンでした。


「さて、皆様こうして黙っていても何の解決にもなりません。アルフォンス様付きの給仕が一人姿を消している以上、その者が加担したと考えるのが妥当でしょう」

「そんな事を言って、本当は貴様らがやったのではないのか?」


 大声ではありませんが、地の底から響いてくるような声で、ユルゲンの言葉を遮ったのはマグダロスでした。

 それに対してユルゲンは、小さく溜息を洩らした後で、表情を引き締めました。


「マグダロス、言葉を慎め。二度とそのような不敬な言葉は許さん」


 それまでの飄々とした口調とは一変し、ユルゲンの放った言葉には、居合わせた全ての者が背筋を伸ばすほどの威厳と重みが伴っているかのようでした。

 真正面から言葉を放たれたマグダロスも、気圧されたような表情を隠せませんでした。


「アルフォンス様、ベルンスト様、クリストフ様が亡き後、リーゼンブルグの未来はディートヘルム様の双肩に掛かっております」


 静かに言葉を切ったユルゲンは、ディートヘルムに向かって軽く頭を下げてみせます。

 それを受けたディートヘルムは、すっと床几から立ち上がると、天幕の中央へと歩み出ました。


「私は、姉上より毒殺の危険性を知らされていた」

「何ですと! それは真でございますか!」


 どうやら重鎮三人には、アーブルの計画は伝わっていなかったらしく、中でもサルエール伯爵は、顔を真っ赤にして立ち上がりました。

 血相を変えて詰め寄ろうとする伯爵を、ディートヘルムは軽く左手を挙げただけで制してみせました。


 僕と話していた時は、お馬鹿キャラに見えたディートヘルムですが、こうして真面目な表情をしている時には、王族オーラを漂わせちゃってますね。


「義兄上の所にも、警告の手紙が届けられたはずだ。違うか、トービル」

「はい、確かに届きましたが、何者からとも知れぬ手紙を信じるなど……」

「愚か者め! 毒殺の警戒をする事に、何の不利益があると言うのだ。警戒の目を潜り抜け、手紙を届ける者が存在しておるのだ、警戒しない理由など無いぞ」

「も、申し訳ございません……」


 トービルの場合、アルフォンスの死は、没落を意味しており、ガックリと肩を落とし、怠慢のツケの大きさを噛み締めるしかありません。

 再び訪れた沈黙を破ったのは、出兵する時、他人事のように空を眺めていたラングハイン伯爵でした。


「少し宜しいでしょうか、ディートヘルム殿下」

「構わんぞ」

「はい、先程の殿下の話し振りからして、アルフォンス殿下に警告をした人物を御存知のように御見受けいたしましたが……」

「うむ、いかにも存じておる」


 落ち着いた口調で答えたディートヘルムの言葉を聞いて、トービルは項垂れていた頭をガバっと上げて、叫ぶように訊ねました。


「誰なのです、その人物こそが、アルフォンス様を殺めた張本人なのではありませんか?」

「無礼な口を利くな!」

「も、申し訳ございません、ですが……」

「黙れ! その方は、ラストックの街を、リーゼンブルグの民を、そして姉の命を救って下さった方だ! 二度と無礼な口を利くことは許さぬ!」


 うわぁ……タイミングを見計らって姿を見せて、出来ればタブレットでアーブルの映像を見せようかと思っていたのに、ハードルめちゃくちゃ上げてくれちゃってるよ。


 怒りを隠そうともしないディートヘルムに、慌ててトービルは跪いて頭を垂れました。

 そこに口を挟んだのは、立派な髭を生やしたドレヴィス公爵でした。


「殿下は、その人物を随分と高く評価なさっていらっしゃるようですが、実際に顔を会わせたことはございますか?」

「うむ、直接お会いした事は一度きりだが、私がこうして生きていられるのも、その方のおかげだ。私は、長きに渡って毒を盛られていたらしい」

「何ですと、真でございますか」

「そなたらに、今の私はどう見える? かつてのように病弱な身に見えているか?」


 ディートヘルムの言葉に、今更ながらに健康を取り戻しているのに気付き、ユルゲン以外の者は目を見開いて驚いています。

 全員を代表するかのように、ドレヴィス公爵が尋ねました。


「殿下……殿下の体調が優れなかったのは、毒を盛られていたからなのですか?」

「そうだ。いや、そう申されていた」

「ですが、その者の自作自演という事は?」

「たわけ! その方は、三ヶ月ほど前にリーゼンブルグにいらしたばかりだ。我の体調が優れなかったのは、何年も前からではないか。それに申したはずだ、無礼な口を利くことは許さぬ!」

「はっ、申し訳ございません」


 うん、やっぱりディートヘルムって、役者の素質あるよねぇ。

 それとも、これが持って生まれた王族オーラってやつなのかな。

 ここで、これまで黙り込んでいたマグダロスが口を開きました。


「殿下、殿下の申されるその人物とは誰なのですか。それほどの人物は私の記憶にはございません」

「知りたいか?」

「是非……」


 ディートヘルムは、マグダロスに向けていた視線を外すと、グルリと居並ぶ者達を見回し、両腕を大きく広げて言い放ちました。


「魔王、ケント・コクブ様だ」

「魔王……?」


 自信たっぷりに言い放ったディートヘルムに対して、集まった者達はキョトンとした表情を浮かべて、互いに視線を交わしながら首を捻っています。

 うん、ディートヘルム、君、滑ってるからね。

 てか、ますます出て行き辛ぇぇぇ……。


「そなたらが困惑するのも無理はなかろう。だが案ずるな、これより我が、魔王ケント・コクブ様の素晴らしさを語って聞かせてやろう……」


 それからディートヘルムは、僕と眷族がラストックに迫ったミノタウロスを撃退した事から、駐屯地の要塞化や、ストームキャットの討伐、オークの大群を退けた事、更にはバルシャニアの侵攻すら食い止めた事を恍惚とした表情で、滔々と語って聞かせました。


 てかさ、君の後ろで義理の兄が死んでるんだけど、そんな事やってて大丈夫なの?

 語り終えたディートヘルムは、ドヤ顔で胸を張りましたが、居合わせた人々はどう反応して良いものか、判断しかねているようです。


「殿下……」

「何だトービル、魔王様への無礼な言葉は許さぬぞ」

「はい、分かっております。ですが、今お聞きした殿下の言葉が真ならば、その魔王なる者の目的は、リーゼンブルグを支配する事ではないのですか?」

「無論、魔王様がその気になれば、リーゼンブルグを征服する事など造作も無いだろう」

「そのような者に……」

「話を最後まで聞け!」

「申し訳ございません」

「魔王様の望みは、この国の安寧だ」

「安寧……でございますか?」


 ディートヘルムが自信たっぷりに言葉を放つ度に、居合わせた者達の頭の上に、クエッションマークが増えていってるように感じますね。


「魔王様は、自分に歯向かい、後ろから剣で刺した者さえも許し、民を守るために生きよと申されるような御方だ。話の通じない魔物に対しては容赦なく鉄槌を下すが、知性ある人間同士の争いでは、敵の立場さえも慮り、殺さずに活かす道を探る寛大な御方だ」


 うわぁ……なんかディートヘルムの目が逝っちゃってる気がするんですけど。


『完全に、ケント様に心酔してる……ハーレム入り間違いなし……』

「入れないからね。僕は、そっちの趣味は無いからね。いや、その手の趣味の人を否定する訳じゃないけど、僕は違うからね!」

『ぶははは……それはそうと、ケント様、このままでは第一王子派はバラバラになりかねませんぞ』

「はぁ……しょうがないなぁ、マグダロスとユルゲンをお願いね」

『了解しましたぞ』

『任せて……』


 大きめの闇の盾を出して、ラインハルト達と一緒に表に出て、ディートヘルムの後頭部に平手で突っ込みました。


「話が長い!」

「痛っ! ま、魔王様!」

「何だ、貴様ら!」


 マグダロスとユルゲンが、僕を取り押さえようと腰を浮かせましたが、その前にラインハルト達が立ちはだかりました。

 メタリックなスケルトンと、カーボンブラックなスケルトンが漂わせる雰囲気が、居並ぶ者達に無言の圧力を感じさせ、動きを止めさせています。


「魔王様、いつからこちらに……」

「お前が立って話し始めた頃から見てたけど、話が長すぎる、てか、肝心な話を先にしろ! ディートヘルム、お前は王になりたいんだろう?」


 僕の一言で、僕に向けられていた敵意を含んだ視線は、期待と希望の籠もったものへと変化しながらディートヘルムに向けられました。


「はい、僕は民を思いやれる王になりたいです」

「おぉぉぉ……」


 ディートヘルムが力強く答えると、どよめきが起こりました。


「以前約束した通り、お前が王になる手助けをしてやろう……」

「貴様……やはり、貴様がアルフォンス様を……」


 マグダロスは、血を吐くような呻き声を洩らしつつ、僕を呪い殺さんばかりの視線を向けて来ますが、お門違いもいい所です。


「勘違いするな。アルフォンスを殺すように指示したのは、フロレンツ・タールベルグ、そしてアーブル・カルヴァインだ」

「何だと、宰相に辺境伯爵だと……証拠はあるのだろうな?」

「それを今から見せてやろう……これは、情景を写し取り、記録する道具だ」


 影収納から取り出したタブレットを見せながら、簡単な説明をしました。

 勿論、タブレットの性能は、それだけではありませんが、今は面倒なので省きます。

 電源を入れ、フレッドが隠し撮りした動画ファイルを再生しました。


「な、何だこれは……中に人が封じ込められて……」

「詳しい説明は後でするから、今は黙って見ていろ」

「何だと、貴様……」

「ドレヴィス公爵、話をするのは後にせよ」


 僕みたいな子供に命令され、ドレヴィス公爵は顔を赤らめて抗議しかけましたが、ディートヘルムに咎められて、渋々といった様子で黙りこみました。

 ですが、動画が再生され、アーブルの企みや宰相との密約などが明らかになると、食い入るように画面を注視し始めました。

 そして、動画の再生が終わった途端、トービルが喚き散らしました。


「何たる不敬、何たる悪行、殿下、このような者共に、リーゼンブルグの将来を渡してはなりません!」

「無論だ。私はアーブルなどを義兄と呼ぶつもりは無い!」


 ディートヘルムがキッパリと言い切ると、すかさずサルエール伯爵が進言しました。


「殿下、このような専横、暴挙を許してはなりません。辺境伯爵と宰相を誅すべきです!」

「リーベルト殿の言う通り、このウィリアム・ドレヴィスも微力ながらも御力添えをさせていただきます」

「殿下、ご決断を!」


 ドレヴィス公爵やトービルにも進言され、ディートヘルムは大きく頷いて宣言しました。


「王家に災いをなすアーブル・カルヴァイン辺境伯爵と、宰相フロレンツ・タールベルグを討つ! んきゃ……ま、魔王様?」

「盛り上がってるところを申し訳ないけどさ、まずはアルフォンスさんを弔う方が先なんじゃない?」


 何だか、すっかり存在すら忘れさられている第一王子が哀れに思えて、ちょっと口を挟ませていただきました。


「確かに、アーブルと宰相は私欲のためにリーゼンブルグを手に入れようと画策しているけど、それに対して文句を言えるのは、近衛騎士のお二人と、ディートヘルムだけなんじゃないの?」


 アーブル討つべし、宰相誅すべしで盛り上がった雰囲気に、思いっきり冷や水をぶっ掛けさせていただきました。

 でないと、策略を練ってる相手に、無策で突撃して玉砕しそうな気がします。


「派閥の重鎮お三方は、砂漠化の対策も杜撰だし。魔物の極大発生の対策にも手を貸してない。今回の出兵だって、ラストックの支援というよりも、対立する派閥の力を削いで、自分達の利益を増やそうって思惑の方がメインでしょ。アーブルや宰相の事を非難するような資格があるとは思えないよ」

「な、何を言うか、我々は魔物の極大発生から国を守るためにだな……」

「ウィリアム殿、ここまで国の内情を知っている者には、そのような言い訳は見苦しいですぞ」


 僕に向かって反論しようとするドレヴィス公爵を止めたのは、ラングハイン伯爵でした。


「その御仁の言う通り、これまで我々は国の行く末に無頓着すぎた。かく言うワシも、かつてはアルフォンス様に諫言をして参ったが、決断の出来ぬ御気性に勝手に見切りを付け、世捨て人のごとく振舞ってまいった。どうせワシに残された時間では、リーゼンブルグを良き方向へと導く事は出来ぬと、決め付けてしまっていた」


 そこまで話すと、ラングハイン伯爵は、眠そうに細めていた目をカッと見開いて語気を強めました。


「だが、それは間違いじゃった。我等貴族は、領民のために、国民のために正しき道を示し、共に歩み、共に栄えねばならん。我等が成すべき事は、アルフォンス様を丁重に弔い、魔物の極大発生に備えて国民を守り、力を合わせて砂漠化という国難を乗り切り、その上で、ディートヘルム様のご指示の下、不忠の輩を罰するべきだろう」


 なるほど、ラングハイン伯爵は、自分の諫言がアルフォンスに認められなかったので、へそを曲げていたって事なんですね。

 言ってる内容は至って正論なんですが、野心家……と言うよりも、家計が火の車なサルエール伯爵は、不満そうな表情を浮かべています。


「国が主導して、砂漠化対策を進めれば、皆さんの領地の収入も回復するんでしょ? それに、アーブルが失脚するとなるとカルヴァイン領の鉱山の権利は、誰の手に渡るんでしょうねぇ……何か大きな功績を残した人とかですかね?」


 分かりやすく誘導してやると、サルエール伯爵は僕にチラリと目を向けた後で、視線を落として何やら考え始めたようです。


「とりあえず、アルフォンスさんが亡くなられた今、第一王子派は、ディートヘルムが引き継ぎ、カミラが率いる元第二王子派と協力して事に当たる……という認識で構いませんか?」


 話を向けると、集まっている人達は頷きましたが、トービルだけは賛同しつつも不安な表情を浮かべています。


「ディートヘルム、お前の所には、片腕となって支えてくれる人物は居るの?」

「いえ、身辺の警護はユルゲンがやってくれていますが……」

「そうか、ならば、そこに居る人物を使ってみる?」


 僕が顎で示すと、居合わせた人達の視線がトービルへと集中しましたが、その視線は必ずしも好意的なものではありませんでした。

 視線を向けられたトービルは、芝居がかった動きでディートヘルムの足元に跪き、深く頭を垂れました。


「ディートヘルム殿下、どうか私めを御使い下さいませ。必ずやお役に立ってみせます」


 ディートヘルムは、どうすれば良いのか決めかねているのか、僕に視線を向けて来ました。


「トービルさんの働きは、ここに集まっていらっしゃる皆さんは良く御存知でしょう。僕の印象では、アルフォンスさんを操って権力を振るっているように見えましたが……」


 言葉を切ると、皆一様に頷いていて、跪いたトービルの頬には冷や汗が伝っています。


「正直、これまでのやり方は感心しませんが、知識に関しては申し分無いでしょう。なので、私欲を捨てて働くと誓えるのであれば、役には立つと思いますが、いかがでしょう?」

「私心を捨てて、必ずやお役に立ってみせます。どうか、どうか……」


 ディートヘルムは、少しの間考えた後、確かめるように居並んだ人達と視線を交わしました。


「良いだろう。トービル、私の下に仕えよ」

「はっ、ありがたき幸せ」

「ただし、私欲に走りし時は、容赦なく斬り捨てるからそのつもりでいろ」

「はっ、胆に銘じておきます」


 アルフォンスが毒殺されたと聞いた時には、アーブルにしてやられたと思いましたが、第一王子派をそっくりそのままディートヘルムに引き継ぐ事が出来ましたので、結果としては良かったのでしょう。


「ディートヘルム、連絡用のコボルトは残しておくから、カミラと良く連絡を取って、行き違いとか無いようにしろよ。もうリーゼンブルグには、下らない派閥争いは無いんだからね」

「はい、畏まりました。魔王様、どうかこれからも御力添えをいただけますようお願い申し上げます」


 ディートヘルムが、僕に跪いて頭を下げると、すぐにラングハイン伯爵が続き、それを見たほかの者達も跪きました。

 うん、ちょっと気持ちいいけど、後々面倒な事になるんじゃないかと考えると、素直には喜べないよね。


「じゃあ帰るから、後は宜しくね」


 亡くなったアルフォンスに黙祷を捧げてから、闇の盾を潜ってヴォルザードへ戻りました。

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