第139話 バルシャニアの皇族

 バルシャニアの東端の街チョウスクは、砂漠との境になるグレナノ川の西岸にあります。

 古くから砂漠の玄関口として、旅人たちが支度を整え、また砂との戦いを終えて安らぐ街として栄えてきました。


 以前は、砂漠への出入りに渡し船を使っていたそうですが、今は立派な橋が掛けられています。

 橋は中央の部分が跳ね上げ式で、戦時には敵の渡河を防ぐために橋板を揚げられるように作られていました。


 月明かりに照らされた砂漠から眺めたチョウスクの街は、砂の海に浮かんでいるような幻想的な眺めです。

 街には、まだ魔道具の明かりが灯され、寝静まっているようには見えません。


『砂漠を渡ろうとする者……足止めされている……』


 フレッドによると、一昨日から砂漠への立ち入りは禁じられていて、足止めされている旅人には、バルシャニアから宿泊費の援助がなされているそうです。


「それって、戦争に巻き込まれるのを防ぐためなのかな?」

『おそらく……』


 バルシャニアから砂漠を渡る商人の多くは、バルシャニアで仕入れた織物などを運んでいくそうです。

 言うなれば、バルシャニアにとってのお得意様を守るための足止めなのでしょう。


 チョウスクの街並みの殆どは、グレナノ川の西岸に集まっています。

 川を挟んだ場所ならば、季節風が東から吹いても、街が砂に埋もれる心配は無いという訳です。


 それでは、橋を渡った川の東岸には砂漠以外の何も無いのかと言うと、開拓によって農地が作られていました。


『水路を掘り……木を植え……砂漠を追いやっている……』

「これは勿論、バルシャニアが国として進めている事業なんだよね?」

『第二皇子が……計画を主導している……』


 水路と防砂林で砂漠を食い止め、川が運んでくる肥沃な土を利用して農業を行う。

 言葉で言うのは簡単ですけど、多くの人手と時間が掛かる、言うなれば大規模公共事業です。


 それを主導する第二皇子は、内政面でのキレ者という事なのでしょう。

 皇帝コンスタンを始めとする皇族は、街の北側にある宮殿に滞在しているそうです。


 一国の皇帝が滞在する宮殿にしては、こじんまりとしていますが、イスラム教のモスクを連想させられるドームは、その殆どが大理石で作られているようです。

 柱、壁、屋根、至るところに精密な彫刻や彩色が施され、砂漠の宮殿として相応しい風格を湛えていました。


 宮殿に隣接する駐屯地には、たくさんの天幕が建ち並んでいます。

 街中には明かりが灯り、行き交う人の姿も見えていましたが、こちらは足元を照らす最低限の灯りのみで、天幕の外に人影はありません。

 影の中から天幕の中を覗いてみると、既に兵士達は寝静まっているようです。


「眠るのには、まだ少し早くないかな?」

『ケント様、それだけ早く起きるという事ですぞ』

「なるほど……明日は早朝に出立するって事か」


 出立が早朝ともなれば、皇族も早く眠ってしまう恐れがあります。

 僕らは、急いで宮殿内部へと移動しました。


 バルシャニアの皇族たちは、宮殿の奥まった一室に集まっていました。

 赤々と暖炉が焚かれた部屋で、集まった皇族の真ん中に居るのは、皇帝コンスタン……ではなく、第一皇子のグレゴリエでもありません。


 バルシャニアとリーゼンブルグの描かれた地図を前にして、コンスタン、グレゴリエ、そして第三皇子のニコラーエを仕切っているのは、小柄な女の子でした。


「うちの軍勢が戦場に雪崩れ込むのは、リーゼンブルグの王子達が戦い始めてから三日後の予定……大丈夫ですね?」


 真っ白な髪の間からは、丸みを帯びた耳が顔をのぞかせ、少し吊り目気味のアーモンド型の瞳は気の強さを感じさせます。

 どこぞの紳士の皆さんならば、泣いて拝みそうな、白髪ショートボブの虎幼女という感じです。


「勿論だよ。セラちゃんのために頑張っちゃうから二日ぐらい早く着けちゃうかもよ」

「父上! この作戦ではタイミングが重要なのです。リーゼンブルグの王子同士で争わせ、疲弊しきったところに我が軍を突入させる。そうでなければ兵に多くの損害が出てしまいます!」

「もう、分かってるよ。冗談だよ、冗談!」


 白髪の虎幼女を取り囲む、マッチョな男共は、揃ってだらしの無い笑みを浮かべています。


「えっと……フレッド、何これ?」

『分からない……たぶん、第一皇女だと、思う……』


 バルシャニアを探っていたフレッドによれば、話し合いを仕切っている? ロリ虎娘は、皇帝コンスタンの一人娘、セラフィマのようです。


『情報ではケント様より年上……見えないけど……』

「えぇぇ、ホントに?」


 確かに口調こそはシッカリとしているものの、アニメ声だし、外見だけならメイサちゃんの同級生と言われても納得しそうで、とても年上には思えません。


「セラちゃん、どうしたの?」

「いえ……何だか、とても失礼な事を言われているような気がしたもので……」

「何だと……誰だ、誰が、僕らのセラちゃんに失礼な事を言ったのだ!」

「兄上、見つけ出して処刑しまじょう」

「よし、今すぐ……」

「馬鹿者どもが! 処刑など生温い! 生まれて来た事を後悔するぐらいの拷問を……あたっ!」

「もう、父上も兄上も、いい加減にして下さい! 気がしただけです!」


 父親の頭を殴った拳を痛そうに摩りながら、セラフィマは大きな溜息をついています。


「うわぁ……これって、もしかして極度の親バカ、兄バカの集まり?」

『もしかしなくても、ケント様の言う通りでしょうな』


 どうやら、バルシャニアの皇族のイメージを下方修正する必要があるようです。

 その後も四人は、部隊の編成や、侵攻の日程、リーゼンブルグ国内で予想される反攻などを、セラフィマが中心となって確認していきました。


 テキパキと話を進めるセラフィマと、ニマニマと頬を緩めたままで頷く三人。

 どう見ても、子供の宿題を見守っている家族にしか見えません。


『ケント様、どうやらこれは、皇女のための勉強会という感じですな』

「みたいだねぇ……やってる事は、物凄く殺伐とした内容なのに、目茶目茶ほのぼのムードだもの……」


 このまま緩い雰囲気のままで打ち合わせが終わるものだと思っていましたが、リーゼンブルグの王子達を討ち果たした後について、セラフィマが切り出した途端に空気が変わりました。


「リーゼンブルグの王子達を討ち果たした後は、そのまま戦闘を継続して、アーブル・カルヴァインを討ち、そのままの勢いで王都アルダロスを囲みます」

「セラフィマよ。密約を交わした相手を裏切るのか?」

「はい。アーブル・カルヴァインという男は、信用するに足りません」


 それまでとは一変した、コンスタンの鋭い問いに対しても、セラフィマはまるで動じる事も無く、キッパリと言いきりました。


「アーブル・カルヴァインからは、自領の鉱山では落盤事故などで大きな怪我を負う者が多く、そうした者の苦痛を和らげる医薬としてファルザーラの提供を求められました。ですが、実際には第二王子ベルンストや第三王子クリストフに享楽のために与えられたという情報が届いております」

「いずれは、我等の手で討ち果たされる者どもだ、別に良いのではないのか?」


 第一皇子のグレゴリエが洩らした一言に、セラフィマは柳眉を吊り上げました。


「兄上、本気でそのような事を申されるのですか……」

「い、いや……それは何と言うか、つい……」

「ついではありませぬ! 王族という権力を握る者が、例え一時であろうともファルザーラに酔うような事があれば、民に悲劇がもたらされるかもしれないのですよ!」

「いや、すまん……セラフィマの言う通りだ……」


 ロリっ子のセラフィマに怒られて、グレゴリエが身体を小さくしているのをコンスタンと第三皇子のニコラーエはニヤニヤしながら眺めています。


「父上もニコラーエ兄様も、何を笑っているのです!」

「いや、笑ってなどいないぞ」

「そ、そうだぞ、私らは真面目に考えている」

「はぁ……まぁいいです」


 セラフィマは、また大きな溜息を洩らした後で、気を引き締めるように姿勢を正して話を続けました。


「いいですか。アーブル・カルヴァインには、ファルザーラの効用と共に、その危険性をくどい程に伝えてあります。決して悪用しないという誓約の下に提供を行ったのです。それなのに、事もあろうか王族に、しかも享楽のために使わせるなど言語道断です。そのような男が実権を握る国が存在する事は、例え砂漠を挟んだ向こう側とだとしても許されません」

「では、アーブル・カルヴァインを亡き者とした後、リーゼンブルグをどう収めるつもりだ? まとめる者が居なくなれば、泥沼の戦乱が起こるやもしれぬぞ」


 コンスタンの質問には、グレゴリエもニコラーエも頷いています。


「カミラ・リーゼンブルグを王に据えます」

「ほう、その理由は?」

「カミラ・リーゼンブルグは、王族の中で唯一人、民の為に働いていると聞いております。国の西部で砂漠化が進行し、それによって苦しむ民を受け入れるための開拓事業を進めているそうです。ですが、それも人員の不足により思うように進んでいないのが現状だそうです。かの者であれば、現在の腐ったリーゼンブルグの王族を一掃し、我々の後ろ盾によって王位に就けば、必ずや民のための治世を行うでしょう」


 コンスタンは、満足そうに頷きながらも、質問を重ねました。


「我々が治めた方が良いのではないのか?」

「いいえ父上、それはなりません」

「なぜだ? 武力の面では我々はリーゼンブルグを圧倒する事も可能だぞ」

「はい。確かに武力で劣るとは私も考えておりません。ですが、リーゼンブルグ全土を制圧し続けられるほどの戦力ではございません。なので、カミラを傀儡とし、ニコラーエ兄様に婿入りしていただきます」

「えぇぇ……僕のお嫁さんはセラちゃんだと……」

「兄上ぇ……」

「うっ、分かってるよ……皇族は国のためだろぅ……」


 三人の中では一番華奢……と言っても、ギリクよりも二回り以上マッチョなニコラーエが、セラフィマに怒られて縮んでいます。


「うはははは、愚か者め。セラちゃんは、このワシのお嫁さんに……」

「父上ぇ……」

「すまん……」


 今度は皇帝のコンスタンが睨まれています。

 うん、何でしょうね、この家族コントは……。


「はぁ……三人とも真面目にやって下さい。この度の戦は、バルシャニアの……」

「分かっておる。兵に加え、兵站を担う者を加えれば、優に4万を超える軍勢を動かすのだ。失敗など許されない事ぐらい、分かっておる」

「セラ……我等とて戦場に出向くのだ、命を落さぬ保証など無い」

「無論、むざむざと殺されるつもりなど無いがな」


 コンスタン、グレゴリエ、ニコラーエ、三人とも覚悟を決めた武人の顔であり、家族を愛する男としての笑みを浮かべています。

 その笑顔を見たセラフィマの瞳から、ポロリと涙が零れ落ちました。


「どうか……どうか、ご無事で……」

「あぁ、もう泣くな。ワシらが、リーゼンブルグの腰抜け共にやられるとでも思っておるのか」

「父上の言う通りだ、俺とニコが組めば、無人の野を駆けるようなものだ」

「兄上、逸り過ぎて、兵を置き去りにした一騎駆けとかやめて下さいよ」

「馬鹿、あれは演習だと弛んだ連中がおったから、気合いを入れるためにだなぁ……」

「そんな事を言って、セラちゃんに良い所を見せようとしたんじゃないんですか?」

「ば、馬鹿言ってんじゃねぇ。俺は、軍の士気を高めようとだなぁ……」

「セラちゃん、心配いらないよ。兄上の手綱は、ちゃんと僕が握っておくからねぇ……」

「手前、ニコ! お前こそ良い格好見せようと企んでやがるんだろう!」

「いやいや、僕は不出来な兄上をカバーするために……」

「もう、分かりました! 泣かずに帰りを待っていますから、必ず無事に戻って下さい」


 セラフィマが声を張り上げると、三人は視線を交わしてニヤリと笑いました。


「ならば、ここで誓おうぞ」

「我等三人、一人として欠けることなく」

「揃って、無事に戻って来ると」


 三人は岩のごとき右の拳で思い切り己の胸を叩くと、天を指差して唱和しました。


「バルシャニアの誇りにかけて!」


 やっべぇ……格好いいっすよ、このおっさん達。

 思わず応援したくなっちゃいますけど、この連中に攻めて来られると、たくさんの血が流れ、たくさんの命が失われる事になっちゃいますよね。


「ラインハルト、フレッド、援護してくれるかな?」

『むっ、ケント様、何をなさるおつもりですか?』

「うん、これほどの相手ならば、こちらが正体を明かさずに戦うのは失礼だと思うから、挨拶しておこうかと……」

『よろしいのですか? 存在を知られていないという強みを失う事になりますぞ』

「うん、でも負けないでしょ?」

『ふっ……ふはははは、いかにも、我等魔王ケント様の眷族として、何者にも遅れを取る気はございませんぞ』

『勿論、負けない……負けるはずがない……』

「じゃあ、ちょっと挨拶しに行こうかね」


 地図や書類を片付けて、ミルクティーのようなお茶を楽しみ始めた皇帝一家から、少し離れた場所に闇の盾を出して室内へと踏み出しました。


「こんばんは、夜分遅くに失礼します」

「何者だ!」「貴様、どこから現れた!」


 三人とも、セラフィマを庇う位置に瞬時に移動したのは、さすが親バカ、兄バカといったところでしょうか。

 両手を開いて肩の位置に挙げ、敵意の無い事を示しましたが、当然ながら警戒は解いてもらえません。


「僕はケント・コクブと申します。まずは不躾な訪問をお詫びします」

「ふむ、闇属性の魔術士か……どこの手の者だ?」


 コンスタンは、虎そのものという爛々と光る瞳で僕を睨み、セラフィマに話し掛けていた時とは別人のように低く、響く声で訊ねて来ました。


「特別に、どこかに属しているという訳ではないのですが、今はヴォルザードに暮らしています」

「んん? ヴォルザードだと……ランズヘルトか、リーゼンブルグではないのか?」

「まぁ、リーゼンブルグとも全く無関係という訳ではないのですが……話し始めると長いので、それはまた別の機会にでも……」

「ふん、それで、ヴォルザードの小僧が何の用だ」

「今回の出兵を取り止めていただけないかと思いまして……」

「出兵を取り止めろだ? ワシらには止める理由は無いな」


 ラインハルトとフレッドは、影の中から見守っているので、僕が一人だと思ったのか、コンスタンの表情には余裕の色が戻っています。


「そうでしょうか? 僕が皆さんの知らない情報を持っているとしたら、どうします?」

「何ぃ……知らない情報だと?」

「はい、僕は仰る通り、闇属性の魔術士です。先程御覧に入れたように、影の空間を通って自由に移動が出来ます。ヴォルザードからでも、リーゼンブルグからでも……」

「ほう……それでは、リーゼンブルグに関する重要な情報を握っていると言うのだな?」

「まぁ、そういう事です」

「捕らえよ!」


 コンスタンが、さっと右手を挙げると同時に、柱の影に潜んでいた兵士が飛び掛かって来ましたが、僕に辿り着く前に、ラインハルトとフレッドに弾き飛ばされました。

 うん、護衛の兵士が潜んでいる事なんて、影から偵察していた僕らには、丸分かりだったからね。


「スケルトンだと……」

「いやぁ……なかなか手荒な歓迎ですねぇ……」

「グレ、ニコ、気を抜くな」

「いや、別に争うつもりは無いんですけどねぇ……」

「何人たりとも我等の行く手を阻む事など許すと思っておるのか?」

「では、出兵は中止してくれないのですね?」

「愚問だな」

「ちっ、頭の固い親馬鹿オヤジだなぁ……」

「何だと小僧!」


 コンスタンの額には青筋が浮き上がって来ましたが、セラフィマが必死に笑いを堪えているのは見逃しませんよ。


「衛兵! 侵入者だ。取り押さえろ!」

「そっちがその気なら、僕にも考えがありますから、覚悟しておいて下さいよ。親馬鹿さん、兄馬鹿さん!」


 廊下から大挙して兵士が踏み込んで来たので、闇の盾から影に潜って撤収します。

 堪えきれなかったセラフィマが、お腹を抱えて笑い転げてましたね。


「うーん……思った以上に頭の固い皇帝だったなぁ……」

『ケント様、いががいたしますかな?』

「遠征を中止してくれないって言うなら、中止せざるを得なくするだけだね」

『早速……死の雨……?』

「やらないからね。まずは……ネロの出番だよ」

「にゃ、ネロが一番にゃ? 嬉しいにゃ、何をすれば良いのかにゃ、ご主人様」

「うん、一緒に来て」


 僕らが移動したのは、宮殿の隣にある駐屯地です。

 宮殿の中からは、僕を探しているのかバタバタと走り回る気配が伝わって来ますが、こちらの兵士達は夢の中のようです。


「ネロ、この天幕の間を走り抜けてくれない?」

「にゃ? にゃー……さすがに狭くてぶつかっちゃうにゃ……」

「いいの、いいの、天幕を薙ぎ倒して、中の兵士を叩き起こして欲しいんだ」

「にゃあ、ぶつかっていいにゃら簡単にゃ」

「中の兵士にはぶつからないように気を付けてね。だーっ……と天幕を薙ぎ倒したら戻って来て」

「分かったにゃ、お任せにゃ!」


 闇の盾から飛び出したネロは、足音も立てずにトップスピードへと加速すると、天幕の間を疾走しました。


 バサバサバサ……


 ネロの肩が触れ、走り抜ける風圧に押され、天幕は次々に薙ぎ倒されていきます。


「うわぁぁぁ、なんだ、何が起こった!」

「敵襲! 敵襲!」

「くっそぉ、出口はどこだ!」

「明かり! 明かりを灯せ!」


 さっきまで寝静まっていた駐屯地は、上へ下への大騒ぎになりました。

 僕らのように夜目が利かない兵士達は、潰れた天幕から這い出す事すら侭ならず、出口を捜して這い回っているようです。


『ぶはははは……さすがはケント様、魔王と呼ばれるだけのお人の悪さですな』

「えぇぇ……石の雨を降らせるよりも、全然優しいでしょう」

『安眠妨害……明日に堪える……』


 バルシャニアの兵士が、周囲を見回し警戒を始めたのは、ネロが戻った後でした。


「これで良いのかにゃ?」

「ありがとう、ネロ。ばっちりだよ」

『ケント様、この後はどうされますかな?』

「うん、僕はヴォルザードに戻って休ませてもらうから、こっちはお願いして良い?」

『と言いますと……』

「夜明け前までに、あと何回か繰り返してくれるかな。ネロ、お願いね」

「分かったにゃ、任せるにゃ」

「それと、フレッドは遠征部隊の資材を置いてある場所を確認しておいて」

『了解……食料、水、武器、全部チェックする……』


 今回の訪問は突然でしたし、話を聞いてもらえませんでしたが、情勢が悪くなれば耳を傾けてくれるでしょう。

 ラインハルト達に、嫌がらせの代行を頼んで、ヴォルザードへと戻りました。

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