第125話 奪取した属性

 目を覚ました時には、すっかり夜が明け、太陽はかなり高い位置にありました。

 フカフカのネロのお腹、モフモフのマルト達、そう言えば一度目覚めてから二度寝したんでした。


『ケント様、お加減はいかがですかな?』

「あーっ……うん、何とか……」

「ご主人様、大丈夫?」

「うん、みんなのおかげで楽になったよ」

「ホント? 良かった」

「撫でて、ご主人様、撫でて」

「ネロも撫でて欲しいにゃ」


 冷え込む夜の魔の森で、風邪も引かずに一夜を過ごせたのは、ネロやマルト達のおかげです。

 たっぷり撫でて労ってあげました。


 体調は少し回復していて酷い頭痛は治まってきましたが、まだフラフラします。

 たぶん、昨日の朝食を最後に何も食べていなかったのに加えて、胃液まで吐いたからでしょう。


『ケント様、サンドイッチがありますが、食べられますか?』

「えっ、サンドイッチなんて、どうしたの?」

『事情を手紙にしたためて、マルトに持たせてアマンダ殿に作っていただきました』

「あぁ……また心配掛けちゃったよ」

『アマンダ殿にも聖女殿にも、おそらく過労だと伝えておきましたが……』

「うん、それでいいや、ありがとう。後で僕から事情を話すよ」


 サンドイッチとミルクで腹ごしらえをすると、いくらか頭がシャキッとしましたが、身体のダルさが抜けません。

 それと、僕の身体に異変が起こっている事も自覚できました。


『ケント様、昨日行った属性の奪取ですが、あれを残りの皆に行うのは無理がありませぬか?』

「うーん……ぶっちゃけ、あんまりやりたく無いし、やったとしても一週間に一度ぐらいかな……」

『体調は……本当に大丈夫なのですか?』

「今はもう殆ど大丈夫。たぶん奪い取った木沢さんの魔力に酔ったんだと思う」

『魔力に酔う……ですか?』

「うん、今はねぇ……身体に馴染んできているみたい……」

『ほぅ……では?』

「うん……」


 ラインハルトに向かって頷いた僕は、肩や首をグルグル回して身体を解した後で、ボクシングのファイティングポーズをとりました。


「ふー……ふー……ふっ!」


 頭の中でイメージを固めながら二回ほど深呼吸をして右ストレートを突き出すと、拳の先から火の玉が撃ち出され、木の幹に命中すると爆散して大きく抉りました。


『おぉぉ……あの女子は火属性の持ち主でしたか。それにしても、火属性の魔法も詠唱無しとは素晴らしい!』

「これ、ヤバいよね……他の属性も奪い取れば、全部の属性を使えるようになりそうだよ」

『さすがはケント様、まさに魔王と称されるに相応しいですな』

「ご主人様は凄いにゃ」

「凄い、凄い、ご主人様」


 まさか他の属性が使えるようになるとは思ってもみなかったので、少し楽しくなってしまいましたが、同時に火属性の魔法を使うと身体のダルさが増します。

 火属性魔法の炎は、不思議な事に自分の身体に触れてもまるで熱さを感じません。


 着ている衣服に付けても燃えないのに、周囲の木や草に触れると燃え上がり、灰にしてしまいます。

 最近忙しくて鍛練をしていませんが、火属性の魔法も練習したら色々な使い方が出来そうです。


 試しに拳や脚に魔法の炎をまとわせると、非力な僕でも直径30センチほどの木を一撃で折る事が出来ました。

 うん、アニメのヒーローみたいですよね。


『ぶははは、素晴らしい! 素晴らしいですぞ、ケント様。火属性の魔法をそのように使った者など見た事がありませぬ』

「そうなの? 漫画やラノベでは普通の使い方だけど……こちらの世界は魔法の使い方に保守的なのかな。でも、火属性の魔法は確かに攻撃には向いてそうだね」

『いかにも、攻撃力においては火属性が一番でしょうな。さてケント様、一度お戻りになられておいた方が宜しいのでは?』

「あっ……そうだった。黙って来てたんだった。捜査本部にも顔を出しておいた方が良いね」


 優先順位を考えて、まずは本当に木沢澄華を届けられたのか、捜査本部に確認に行く事にしました。


 木沢さんが戻ったので大きな騒ぎになっていると思いきや、捜査本部には大きな変化は感じられませんでした。

 捜査員の皆さんから離れた所で表に出て、須藤さんに挨拶しました。


「おはようございます、須藤さん」

「おぉ、おはよう国分君、待ってたよ。昨日は随分と調子が悪そうだったけど、大丈夫かね?」

「はい、まだ本調子という感じではありませんが、何とか……」

「そうか、むこうの世界から人を連れ帰るのは、やはり大変なのかな?」

「そうですね……毎日は無理です」


 須藤さんに、影の世界に人を引き入れて連れ帰る手順を説明しました。


「なるほど、他人の魔力を抜き取るのが大変なんだね?」

「はい、何て言うか、拒絶反応みたいなものだと思うのですが、とにかく魔力が馴染むまでに時間が掛かります」

「どの位の間隔を開ければ良いのかな? 大体でかまわないのだが……」

「そうですね、出来れば一週間、少なくても五日ぐらいは間隔を開けて欲しいです」

「正直、我々としては、出来る限り短い間隔でお願いしたいところなのだが、無理をして国分君に倒れられたら元も子もないからね」

「体調を考慮しながら、なるべく早くしますが……」

「問題は、その魔力の奪い方だね?」

「はい、男同士でもやらないといけないのかと思うと、目茶苦茶気が重いです」


 僕が顔を顰めると、捜査本部に笑いが起こりました。

 いやマジで笑い事じゃないんですけどね。


「ところで須藤さん、木沢さんはどうしていますか?」

「あぁ、彼女なら健康状態には問題が無さそうなので、署員の振りをさせてマスコミを巻いて家まで送り届けたよ」


 手紙のやり取りは出来るようになったとは言え、これだけ長い期間行方不明状態だったので、とにかく家族の下へと戻る事を優先したそうです。

 その上で、後日捜査員による事情聴取に応じる事、当面の間は帰還を大っぴらにせず大人しくしている事などを約束させたそうです。


「木沢さんが話していたが、国分君は本当に大活躍だったそうだね」

「えっ、いえ……僕は僕が出来る事をやっただけですから」

「それでも彼女は物凄く感謝していたよ。国分君が居なかったら自分は死んでいたはずだ、国分君は命の恩人だって」

「はぁ……そうなんですか」


 うーん……何なんでしょうね。ヴォルザードに居た時にはクズ呼ばわりだったんですけど、この差は一体……。


 とりあえず、木沢さんを無事に届けられた事を確認したので、今日の分の手紙を預かってヴォルザードへと戻る事にしました。

 下宿に戻ると、アマンダさんの店は、そろそろお昼の営業が始まる時間でした。


「アマンダさん、ご心配をお掛けしました」

「ケント! あんた大丈夫なのかい。また倒れたってラインハルトから聞いたけど……」

「はい、ちょっと新しい事にチャレンジして予想外に消耗してしまっただけで、今はもう大丈夫です」

「まったく、気を付けないと駄目じゃないか。あんまり心配させるんじゃないよ」

「ごめんなさい、気を付けます。でも、まだ一人だけなんですが、ようやく同級生を元の世界へ送り届ける事が出来ました」

「本当かい! あぁ……だから無茶して倒れたんだね。まったく、この子は……」


 薄っすらと涙を浮かべたアマンダさんに、ぎゅーってハグされました。


「良く頑張ったね。初めてうちに来た時よりも、こんなに逞しくなったんだね」


 ギルドで下宿として紹介されて来た日も、こうしてアマンダさんに抱き締められました。

 あの時と同じ、汗と香辛料の混じった匂いは、ヴォルザードの母さんの匂いです。


「あぁ、ごめんよ、何だか感無量だねぇ……息子を育てるのは、こんな気持ちなんだろうねぇ……」


 ハグを解いたアマンダさんは、そっと目元を拭いました。


「じゃあ、わたしも……頑張ったね、ケント」


 メリーヌさんも、そっとハグしてくれました。

 あぁ、アマンダさんと同じ香辛料の匂いがします。


「じゃあ、他にも知らせないといけないので、ちょっと行ってきますね」

「あいよ。出来れば夕食までには戻っておくれ、メイサも心配してたからね」

「はい、出来るだけ早く戻るようにします」


 下宿の次は、委員長のところです。

 宿舎に居るかと思ったのですが、部屋には姿がありません。


 もしかしたらと思って、診療所を訪ねてみたら、患者さんを治療する委員長の姿がありました。

 ただ、目の下には隈ができていますし、笑顔も弱々しい感じです。


「ユイカ、休んだ方がいいよ。患者さんよりも具合が悪そうだよ」

「でも……健人も頑張っているから……」


 診察の合い間にマノンが声を掛けても、休みそうもありません。

 次の患者さんが入って来る前に、診察室へとお邪魔しました。


「唯香……」

「健人、健人、健人!」


 委員長は、凄い勢いで抱き付いて来ました。


「心配掛けてゴメンね。ちゃんと木沢さんは日本に送ってきたよ」

「今まで何してたのよ。心配したんだから、馬鹿、馬鹿、馬鹿……」

「ゴメン。奪い取った魔力で酔ったみたいな感じになっちゃって、魔の森で吐いた後に力尽きて眠り込んじゃったんだ」

「そんな、大丈夫なの? 森の中で寝ちゃうなんて、下手したら凍死しちゃうよ」

「ネロやマルト達が暖めてくれたから寒くは無かったし、今はかなり良くなったよ。ただ、属性の奪取は頻繁には出来ないかな」

「そんなに負担になるんじゃ体調を整えた状態じゃないと無理だよ。健人が倒れちゃったら、日本に戻る方法が無くなっちゃうんだからね」

「そうだね、僕も気を付けるよ」

「健人……」


 そっと目を閉じた委員長をギュっと抱き締めると、絶望感漂う呻き声が聞えて来ました。


「あぁぁ……誰だよ、あの野郎……」

「馬鹿、あれが魔王だろ……」

「くっそぉ……俺の天使ちゃんが……」


 うん、僕の委員長だからね、それに……。


「マノンにも心配掛けてゴメンね」

「ケント……でも、皆さんが……んふっ」


 委員長を右手で抱き締めながら、左手でマノンを抱き寄せてました。


「ぐぬぉぉぉ……マノンちゃんまで……」

「おのれぇ魔物使いめぇ……」

「禿げろ、もげろ、朽ち果てろぉぉぉ……」


 うんうん、これで守備隊の皆さんに、僕の所有権をアピール出来ましたね。


「ねぇ健人、木沢さんから奪った属性はどうなったの?」

「うん、木沢さんは火属性だったんだけど、僕が使えるようになった」

「えぇぇ、それじゃあ、三つの属性を使えるって事?」

「うん、そうなるね……唯香、どうかしたの?」


 僕が火属性も使えるようになったと話したら、委員長は何事か考え始めました。


「健人は、闇属性の他に光属性と火属性も使えるのに影の空間に入れるんだよね?」

「そうだけど、それが……あっ!」

「もしかして、属性を奪わなくても闇属性を付与するだけで良いんじゃない?」

「そうかも……どうして気付かなかったんだろう」


 そもそも、僕は闇属性の他に光属性も持っているのに影移動が出来ていました。

 それを考えれば、他の属性を持っていても、闇属性さえ持っていれば影の空間に入れる可能性は高いです。


「ねぇ健人、私に闇属性を付与してみて」

「でも、もし光属性に何か悪影響が出たら……」

「その時は、その時で諦めるよ」

「待って、ユイカじゃなくて、僕が実験台になるよ」


 闇属性付与の試みに、マノンが手を上げました。


「でも、これはマノンには関係の無い話だから……」

「ユイカ、この世界では光属性の持ち主は貴重な存在なんだ。ユイカみたいに強い魔力の持ち主は更に貴重だから、悪影響が出たらヴォルザード全体が困るんだよ」


 日本のように医療が進歩していないので、治癒魔術の使い手は本当に重要視されています。


「でも、マノンだって魔術が使えなくなったら困るでしょ」

「水属性は他にも沢山いるし、魔術が使えなくなってもケントは僕を嫌いになったりしないでしょ?」

「勿論、僕は魔術が使えるからマノンを好きになった訳じゃないからね」

「じゃあ平気、ユイカ、お願い……」

「うん、分かった、お願いするね」


 委員長が固唾を飲んで見守る前で、マノンにキスをして闇属性の付与を試みました。


「……んぁ!」

「ど、どうなの、上手くいった?」

「駄目……僕の魔力が入っていかない……治癒魔術なら大丈夫なのに、闇属性を意識すると上手くいかないや」


 委員長はガックリと肩を落しました。

 どうやら闇属性の魔力を付与する為には、相手の属性を奪うまで魔力を吸い尽くす必要があるようです。


 そうなると、委員長が日本に戻るには、光属性魔術を捨てなければなりません。

 たった今、光属性の持ち主が貴重だと聞かされたばかりだけに、落胆も大きかったのでしょう。


「唯香、まだ方法を探し始めたばかりだから、絶対に光属性を持ったまま影の世界に入れないと決まった訳じゃないよ。僕は諦めずに探すから、元気出して」

「うん、ありがとう。それにパパとママが来る事は、すぐにも出来そうだもんね」

「そうだね。理論上は可能だよね……理論上は……」

「うふふふ……パパとキスするのは難しそうだね」


 まだ、交際を認めてもらってもいないし、色々な状況を考えると委員長のパパから許しを得るのは、とても高いハードルです。

 委員長が日本に戻れないとなると、僕一人で説得しなければなりませんし、考えるだけで胃が痛くなって来ます。


 委員長には軽く治癒魔術を施して、二人と別れて先生のところへと報告に行く事にします。

 委員長に教えてもらったのですが、やはり帰還できるらしいという話が洩れて騒ぎになり、講堂で説明会が行われているらしいです。


 委員長も出席するように言われたそうですが、伝えられる内容は全部話したし、質問責めにされるのが嫌で診療所の方に来たそうです。


「健人も行かないほうが良くない? 騒ぎが大きくなりそうな気がするけど……」

「うーん……でも報告しなきゃいけないし、頻繁には出来ない事も伝えないとね」

「木沢さんは、どうしてるの?」

「マスコミにバレないように自宅に戻ったみたい……下手に出歩いて騒ぎにならないと良いけどね」

「そうだね、でも木沢さんって、あの性格だからちょっと心配」

「そうだけど、心配してもどうにもならないし、そこまでは面倒見きれないよ」

「それもそうね……健人は働きすぎだしね」

「あっ、そうだ、働きすぎって言えば、カミラの謝罪リハーサルを撮ってきてたんだ。これ、タブレットに入ってるから見ておいて」

「分かった、後で見ておくね」


 委員長にタブレットを預けて講堂に向かうと、予想以上の騒ぎになっていました。


「おかしいじゃないか、なんで木沢だけ先に帰れるんだよ!」

「そうだ、ズルいぞ! 不公平だろう!」

「国分は何処行ったんだよ! あいつ木沢にも手ぇ出してんじゃねぇの?」

「私達は何時になったら帰れるのよ!」

「魔術なんかいらねぇから、早く家に帰らせろよ!」


 やっぱり木沢澄華を先に帰してしまったのは、少し拙かったようです。

 ただ、男子の三割程度、女子の六割ほどは静観していて、こちらはヴォルザードの生活に馴染んできている同級生達なのでしょう。


「静かに、静かにしろ! 一度に喚いたところで聞き取れないし、答えられんぞ!」


 演台を叩いて加藤先生が怒鳴り声を上げると、一旦は静まったものの、すぐにざわめくような声が広がっていきます。


「とにかく! 国分が戻って来るまでは、ハッキリとした事は言えん!」

「それじゃあ、何も分からないんですか?」

「国分はどこに行ったんです?」

「もしかして国分も戻って来られないとか?」

「俺、日本に戻れたら、あの子に告白するんだ……」

「やめろよ馬鹿、縁起でもない事言うなよ」


 これは、僕が出て行くと大騒ぎになりそうだけど、出て行かないと収まらないよね。

 加藤先生が立っている脇に闇の盾を出して、表に出ました。


「ただ今戻りました」

「おぉ、国分、どうだった」

「国分だ、戻って来た」

「帰れるのか? 帰れるのかよ、国分」

「次は俺、俺を帰してくれ!」


 予想通りの大騒ぎになったのですが、両手の平を下に向け、無言で落ち着くようにジェスチャーを続けていると、次第に声が止んでいきました。


「最初に大事な事を言っておくから良く聞いて」


 僕の一言で講堂が静まり返りました。

 うん、何かこういうのって良い気分だよね。


「この方法は、とても身体に負担が掛かるようで、毎日やるのは無理です」

「何だよ、それじゃあ何時になったら日本に戻れるんだよ!」

「次、俺、俺を帰してくれよ!」

「うるせぇ黙れ、まだ国分が話してんだろう、黙れよ」


 もう一度、ジェスチャーで静かにさせて話を続けました。


「色々聞きたいと思うけど、先に話をさせて、質問は後で受け付けるからさ……」


 属性を奪取するには、相手の魔力を残さず吸い出す必要があり、異質な魔力により酷い頭痛と吐き気に襲われる事。


 理由は良く分からないが、この頭痛と吐き気には自己治癒が効かない事。

 魔の森で胃液まで吐いてのたうち回り、意識を失うようにして倒れた事を伝えました。


「回数を重ねて、慣れてくれば楽に出来るようになるかもしれないけど、現状では一週間に一回ぐらいしか出来ないと思って。その上で、誰から日本に戻るのか、順番とかも考えて欲しい。ちなみに、属性を奪取するには十分以上も僕とキスした状態にならないと駄目だから、出来る事なら男子は帰国を諦めて欲しい」


 最後に本音と打ち明けると、当然のようにブーイングが起こりました。


「俺だってお前なんかとキスしたくねぇけど、他に方法が無いなら我慢しろよ!」

「てか女子優先って、男子と先にした方が早く慣れるんじゃねぇの?」

「じゃあ、お前先にやってもらえよ、ブチューって……」

「ふざけんなよ、国分と十分以上もキスって、拷問だろう」


 一しきり文句を言わせた後で、もう一度ジェスチャーで静かにさせました。


「うるさいよ! お前らは一回やれば終わりだけど、僕は何回も何十回もやらなきゃいけないんだぞ。こっちの身にもなってみろ! 女子優先、野郎は後回し! てか、女子が終わるまで男子はやらないからな!」

「こいつ、本音吐きやがったぞ、エロ魔王!」

「うるさいわよ、女子優先でいいじゃないのよ!」

「そんな事言って、女子が終わった途端に、もう出来ないとか言い出すんじゃねぇだろうな!」

「そうよ、尊いシーンを見せなさいよ!」

「女尊男卑、反対! 男女平等を求める!」


 再び講堂は騒然としましたが、僕から伝える事は話し終えました。


「先生、それじゃあ次回は一週間後ぐらいにやりますんで、詳しい話はまた今度……」

「おい、ちょっと待て、国分!」


 後始末は先生に丸投げして、影に潜って退場させていただきました。

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