第94話 王族姉弟
夜も更けたラストックの駐屯地、まだカミラの執務室には明かりが灯っています。
昼間は開け放たれたままになっていたドアも閉められ、秘書官も護衛の騎士の姿もありません。
『騎士は護衛をしたがってた……カミラが強く言って止めさせた……』
偵察していたフレッドによると、カミラは一部の騎士達に対して、最初に追放した者が魔王の資質を持っていて、脱走騒ぎの張本人だったと執務室で襲われた顛末を語ったそうです。
その上で、今は交渉を継続している状態なので危害を加えられる事は無い、と言って説得して他の業務や休息するように指示したそうです。
カミラは、僕らに対して抵抗しても無駄と考えているのでしょう。
眷属化された疑いを抱かせ、一夜にして材木や資材を揃えてみせた効果なのかもしれませんね。
カミラが手元の書類に集中している間に影から出て、応接用のソファーに座り、テーブルに足を投げ出して不遜な態度を装います。
魔王らしい姿を演出してみたのですが、全然気付かれないのは少し悲しいですね。
仕事に熱中しているカミラの表情には疲れが浮かんでいて、目の下には隈が出来ています。
疲れ目を感じたらしく、目元に左手を添えて、軽く頭を振ったところで、ようやくカミラは僕の存在に気付きました。
「なっ……貴様、いつからそこに……」
「対策は順調に進んでいるのか?」
「と、当然だ……」
言葉使いは強気を装っていますが、表情には戸惑いや恐れのようなものが浮かんでいるように見えます。
ここは強気の態度を崩さずに、話を進めた方が良いでしょう。
テーブルに乗せていた足を下ろしながら、向かいの席に座るように、カミラに顎で示してみせました。
カミラは悔しげな表情を見せつつも、大人しく向かいの席に座りました。
「そ、それで何の用だ……」
「四十八人……いや四十九人だな」
僕は、召喚による校舎の崩壊で命を落とした人数をカミラに突き付けました。
「くっ……リーゼンブルグ王国第三王女である我が、この身体を差し出しても足りぬと言うのか……」
「はぁ? 何言ってんの?」
「四十九人の乙女を差し出せという要求ではないのか?」
「そんな事じゃない。お前が行った召喚で犠牲になった人の数だ」
「なんだと、死んだのは一人だけでは……」
「リーゼンブルグに来た者の中で命を落としたのは船山だけだが、元の世界では四十八人が命を落とし、百五十人以上が負傷した。全部お前の責任だ」
「なぜ元の世界の……」
「僕は、元の世界に戻る力を手に入れた」
「なんだと……で、では、元の世界に帰るのか?」
カミラの表情に、ぱっと喜びの色が浮かんだのを僕は見逃しませんでした。
「何か勘違いしているみたいだね。現時点で元の世界に戻れるのは僕だけだし、もし他の人間も自由に行き来させられるようになったら、それこそリーゼンブルグは終わりだよ。僕の国の軍隊は、リーゼンブルグの騎士なんか物ともしないほどの火力を備えている。王都アルダロスを一日で焼け野原にする事だって可能だよ」
「そ、そんな事……」
「出来ないと思うのは勝手だけど、僕の国の軍隊に比べれば、リーゼンブルグの騎士団は百年以上は遅れている。ちなみに、僕の世界の別の国は、王都を一撃で吹き飛ばすような兵器を保有しているからね。カミラ・リーゼンブルグ、お前が喧嘩を売った世界は、そんな世界だと理解しておいた方がいいよ」
勿論、僕の一存で自衛隊や米軍を動かす事なんか出来ないし、ましてや核ミサイルを王都に撃ち込むなんて出来るはずもないけど、話を聞いたカミラは顔を蒼ざめさせています。
「ま、待ってくれ……私は、そんなつもりでは……」
「僕らと共に召喚された建物は、四階建ての建物の三階部分だった。そこが無くなれば、どんな事になるかぐらい想像出来るよね。崩壊した建物の下敷きになり、四十八名が死亡、百五十人以上が重軽傷を負っている。今日の午後、事の経緯の詳細を国の役人に報告した。近々リーゼンブルグに対して、正式な抗議と賠償の請求がなされるはずだ。それを拒絶するならば、当然報復が行われると思っておいた方がいいよ」
「ば、賠償金の支払いには応じる。応じるが私の一存では……」
「じゃあ、国王に事の次第を報告して、協力を求めるんだね」
「だが、召喚は私の一存でやった事だから……」
「仮にも王族がやった事を、国には関係の無い個人の一存だから……なんて話が通ると思っているの? いつも言ってたよね、全てはリーゼンブルグの利益のために……って。それで国は関係が無いとか言われても、説得力ゼロだよ」
カミラがは、答えに窮して暫し黙り込みました。
「わ、私の命で……」
「何とかなる訳ないだろ。たとえ自分で命を断ったところでリーゼンブルグの責任がチャラになったりしないからね。てかさ、他の王族が責任取れると思う? あの国王や第一王子や第二王子が、事態を収拾出来ると思う? あんな連中に任せたら、マジでこの国つぶれて無くなるよ」
「ど、どうすれば……」
「知らないよ。自分が蒔いた種でしょ、自分で責任持って刈り取ってよ。そうそう、良い事を教えてあげるよ。第一王子のアルフォンスは、極大発生が起こったら、その騒ぎに乗じて兵を起こして第二王子を討つ気でいるよ」
「なっ、国の危機だというのに、何を……」
「あぁ、ちなみに第二王子は、今回の極大発生の報告を兵を入れる口実だと思っているから、第一王子が手勢を進めてきたところで待ち伏せして返り討ちにする気だからね」
「それでは完全な内戦状態になってしまうではないか」
「そうだね。しかも、それが起こるのはラストックが極大発生に襲われている時だからね。どうなっちゃうのかねぇ……リーゼンブルグは」
「あぁ……そんな……」
カミラは愕然とした後で、両手で顔を覆って肩を震わせて始めました。
思っていた以上にカミラを追い詰められているようなので、畳み掛ける事にします。
「力が欲しいか?」
「えっ……?」
慌てて目元を拭って顔を上げたカミラの顔には、不安と期待が入り混じったような表情が浮かんでいます。
「民を守る力が欲しいか?」
「も、勿論だ、例え我が身がどうなろうと、民が守れるならば本望だ」
「ならば、僕に忠誠を誓え。お前自身の口で、僕、ケント・コクブに忠誠を誓うならば、民を守る助力をしてあげるよ。サラマンダー四頭を一人で倒す力が欲しくない?」
「サラマンダー……四頭だと……」
「二百頭を超えるロックオーガの群れを討伐するスケルトンの力が欲しくない?」
「ロックオーガを二百頭……」
指を鳴らすと、ラインハルト、バステン、フレッドが、僕の背後に勢揃いしました。
「三百頭を超えるオークを一匹残らず根絶やしにするリザードマンとコボルト軍団の力が欲しくない?」
「勿論欲しいに決まっている!」
もう一度指を鳴らすと、ザーエ達とアルト達が、執務室を埋め尽くすように姿を現しました。
「あぁ……これが魔王の力……」
「で、どうするの?」
カミラは少しだけ迷った後で席を立つと、テーブルを回り込んで僕の前に膝を屈して頭を垂れました。
「わ、私、カミラ・リーゼンブルグは、魔王ケント・コクブ様に忠誠をお誓い致します。どうか民を守るために力をお貸し下さい」
「いいだろう、力を貸してやろう。ただし、それは民を守るためであって、お前の罪が許された訳じゃない。極大発生の恐れが去り、リーゼンブルグ国内が落ち着いた後には、その罪を償ってもらう。いいな?」
「仰せのままに……」
うっきゃ――っ! 気持ちいぃぃぃ! あのカミラが跪いてるよ。
不謹慎かもしれないけど、気持ちいいと思わずにはいられないよねぇ。
「当面は、ラストックの守りを固めることに専念しろ。第一王子と第二王子、ついでに第三王子もかな、民を省みずに王座を争い続けるならば、まとめて始末してやる」
「そのような事が……いえ、魔王様ならば可能なのでしょう」
「そう言えば、僕は第四王子って、どんな人物なのか知らないけど、お前の弟は使い物になるのか?」
「ディートヘルムは……」
カミラなら、勿論優秀な弟だと断言するのかと思いきや、言葉を濁しています。
もしかして、この国の男性王族は馬鹿ばっかりなのかな。
「ディートヘルムは、私同様に民を思う優しい性格の弟ですが、身体があまり丈夫ではございません」
「それは、健康さえ取り戻せば、優秀な王となる資質はあるって事?」
「はい、それは間違いなく……ですが、王室の治癒士の手によっても、病弱な体質は治らない状態ですので……」
「ふーん……分かった。お前が投獄されるような事になったら、弟が王位を継げるように準備させておいて」
「魔王様がリーゼンブルグを治めるのではないのですか?」
カミラが少し驚いたような顔をしていますが、王様の仕事なんて面倒だからやりたくありません。
きれいな女性を侍らせて……というのには、ちょっと、ちょっとだけ憧れたりはしますが、委員長達が怖いので却下です。
「王様なんて面倒な事をやるつもりはないよ。でも、ふざけた王様に鉄槌を食らわす程度の事はやるかもね……」
「で、では、弟に王座を……」
「王座を得て、何をさせるつもり?」
「それは勿論、民のための
「それならいいけど、私利私欲に走るなら……消えてもらうかもよ」
「こ、心得ております」
眷属のみんなを影の世界に戻し、カミラに言い付けました。
「僕には力があるけど、その力は無限ではないし、全てをリーゼンブルグのために使うとは限らない。だから自分達で自分達の国を、街を守るための努力を続けろ。助力はする、だが頼り切る事は許さない。いいね」
「はっ、畏まりました」
「それと、今の時点では、僕以外の者は元の世界には戻れない。帰還を望む者のためにリーゼンブルグ王家に伝わる召喚術式に関する情報を全て開示せよ」
「しかし召喚術式は、あくまでも指定した条件に合致する者を呼び寄せる術式で、場所を指定して行うものでは……」
「分かっている。例えそうであったとしても、細かく条件を指定して、僕が元の世界で召喚を行えば、元の世界へと戻せる可能性はある」
「ですが、召喚術は王家の秘事で……」
「お前の忠誠は、その程度のものなのか? ならば僕にも考えが……」
「お待ち下さい。出します、召喚術式に関する全ての情報をお渡しします」
「三日以内に準備しておけ、いいな」
「はっ、畏まりました」
もう一度カミラが頭を下げている間に、僕も影の世界へと潜りました。
頭を上げて、僕の姿が無い事に気付いたカミラは、大きく、大きく溜息を洩らしました。
「ふぅぅ……私は、とんでもない者を召喚してしまったようだ。この程度の状況で済んでいるのは僥倖と思うべきなのだろうな……」
カミラは、ゆるゆると頭を振って執務机へと戻り、書類の整理を再開しました。
『ケント様、さすがの貫禄……』
『いやいや、ボロが出ないか内心ヒヤヒヤだったけどね』
『これでカミラも……ハーレム入り確定……』
『しないからね。そんな事は考えて……フレッド、どうやったら顔に出さず……いやいや、やっぱり駄目、絶対バレるから』
『既成事実を作ってしまえば……大丈夫……』
『なるほど……って、駄目だからね、そんな事したら、どんな恐ろしい目に遭うはめになるか……』
なんだか最近、カミラ絡みでフレッドに遊ばれているような気がします。
もしかして、フレッドもサクッと討伐とか身体を動かしてストレス発散させた方が良いのでしょうかね。
などと考えていたら、ラインハルトに話し掛けられました。
『ケント様、何故カミラに忠誠を誓わせたのですか?』
『んー……その方が、色々と便利だと思ったんだけど……』
『召喚術式に関する情報を聞き出せば、ケント様には不要な存在になるのではありませんか?』
『んー……この先、僕の住んでいた国、日本から正式な抗議とか賠償の請求とかが行われる事になると思うんだけど、それを正規の手続きで進めようとすると、大変な事になると思うんだよね』
何しろ、日本と異世界の国との交渉になる訳で、当事者同士は顔を合わせる事も出来ません。
言葉も地球には存在しない言葉ですから、通訳するとなると、召喚に巻き込まれた僕がやる必要があります。
しかも、一方の当事者であるリーゼンブルグ王国では、カミラを除いた他の王族は事態を知りもしない状態です。
こんな状況で、まともに話が進むなんて到底思えません。
『なるほど、確かに仰る通りですな』
『だからね、カミラをリーゼンブルグの代表として交渉した事にしちゃおうかと思ってるんだ』
森田さんが、大人の事情で捜査を続けるのと同様に、他の省庁の皆さんも色んな事情を抱えているはずです。
賠償金を引き出すのは、ぶっちゃけ盗み出せば済むでしょう。
ですが、リーゼンブルグ王家が支払った形にするには、協力してくれる王族が必要になります。
和睦の書類のサインしろとか、もしかしたらビデオに出演しろ……なんて要求が出てくるかもしれません。
そうした時に、カミラをリーゼンブルグ代表として形式を整えてしまおうと思ったのです。
『なるほど、確かに現在のリーゼンブルグ王家と正式な交渉をしていたら、何時まで経っても話は前に進まないでしょうな』
『でしょでしょ、だからカミラを使おうと思ってね。シャンとしている時には、王族らしい雰囲気あるからね』
正直に言って、何時までも日本とリーゼンブルグのゴタゴタに関わっていたくありません。
早くヴォルザードに愛の巣を築いて、甘い生活をするのです。
『ケント様、意識が洩れてらっしゃいますぞ』
『ぐはっ……こ、これは、あくまで願望であって……』
『ぶははは、構いませんぞ、ケント様には相応の力もございますし、相応しい働きもなさってきましたからな』
『そ、そうだよね。僕、けっこう頑張ったと思うよ』
『ならば、もう一頑張り、面倒事を片付けてしまいましょう』
もう夜も更けているのですが、もう一箇所、気になる事を片付けておく事にします。
向かった先は、王都アルダロスです。
『バステン、こっちの様子はどんな感じ?』
『はい、国王からの援助の指示は、相変わらず宰相の所で止まったまま、第一王子、第二王子は共に戦の支度を進めている状況です』
『はぁ……誰も極大発生の心配はしてないの? 本当にこの国、大丈夫なのかな?』
『ケント様が影から助力しない限り、ヴォルザードの時と同じ規模の極大発生に襲われたら大きな被害が出るでしょうね』
バステンには、各陣営の様子を探りながら、賠償金として使えそうな資産のチェックも頼みました。
『現金だけじゃなく金塊とか宝石とか、高価なアクセサリーとかも保管場所を調べておいてね。いずれ僕らの手で運んで、カミラに持ち出しを承認させる事になると思うから』
『なるほど、差し出せと要求するのではなく、持ち出しを追認させるのですね。その方が何倍も早く話が進みそうですね』
何だか盗賊団みたいな感じになっていますが、日本で被害を受けた人達には、早く賠償金を届ける必要もありますから、手段は選ばない事にします。
『それと、第四王子のディートヘルムなんだけど、居場所は分かるかな?』
『カミラに対する人質になさいますか?』
『ううん、カミラに騒動の責任を取らせるには、王位を引き継ぐ人材が必要だから、その資質があるのか、ちょっと見ておきたくて……』
『なるほど、分かりました。御案内いたします』
フレッドに案内されたのは、第三王妃が暮らしている区画でした。
第四王子のディートヘルムは、一応第一王子派という事になっているそうです。
その理由は第二王子ベルンストに単独では対抗出来ないからで、第一王子アルフォンスが王位を継承する事を積極的に支持している訳ではないようです。
ディートヘルムは、現在数え年で十四歳、僕らの一つ年下、ベアトリーチェと同じ年になるようです。
王妃が暮らす区画に住んでいるのも、まだ成人前だからだそうです。
『うん、もう眠っているみたいだね』
『はい、ディートヘルムは少々病弱で、王位を継承するには頼りない印象があります』
確かにバステンの言う通り、豪華なベッドで寝息を立てている表情は、カミラと同じ金髪のサラサラヘアーと相まって、まるで女の子のようにも見えます。
普通に眠っているだけだと思うのですが、どことなく苦しげな息遣いで、時折口を開いて軽く喘ぐ様子が妙に艶めかしく見えてしまいます。
『えっと……王子、なんだよね?』
『はい、間違いございません』
病弱だからか線が細く、凸凹シスターズと並べたら、間違いなくディートヘルムの方が女の子っぽく見えるはずです。
それにしても具合が悪そうに見えますね。
王族なんだから手厚い看護とかあっても良さそうですけど。
『ちょっと治癒魔法を掛けてみようか……』
『王室の治癒士が対処しているはずですが……確かに具合は悪そうですね』
影の世界からディートヘルムの背中に手を当てて、治癒魔法を流してみて驚きました。
身体の状態が、ベアトリーチェを治療した時に近いように感じたのですが、腹膜炎のような炎症とは違っている感じもします。
『なにこれ……内臓がボロボロなんだけど……』
『それほど酷い状態なのですか?』
『うん、そうなんだけど……何か変。病気って感じじゃないんだけど……』
『もしや、毒を盛られているのでは?』
バステンの推測は当たっていそうな気がします。
良くは分からないのですが、身体の中にあってはいけない物が、血の流れに乗って全身に送られているような感じがします。
毒物の分解や排出には、肝臓や腎臓が大きな役割を果たすと聞いた事がありますが、確かに肝臓や腎臓が弱っているように感じます。
根気良く治癒魔法を流していると、身体の状態は快方に向かい、苦しげな息遣いも落ち着き始めました。
『これって、ディートヘルムの素質が危険だと感じた第一王子派の誰かに、毒を盛られたって事なのかな?』
『ここは、第三王妃が暮らす区画なので、必ずしも第一王子派とは限りません。第二王子派の者が入り込んでいる可能性も否定出来ないかと……』
『うわぁ……何だか、とっても嫌な住環境だね』
『ケント様、これほど急に具合が良くなると怪しまれるのでは?』
『あぁ、確かにそうだね。んー……もう一芝居打とうかな……』
部屋の周囲に人が居ない事を確認し、影の世界から出てディートヘルムの枕元に立ちました
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます