第85話 方針変更
ラストックと王都アルダロスの偵察を終えてヴォルザードに戻り、先生達と今後の打ち合わせを始めたのですが、やっぱり空気が重たいです。
王族の様子も報告したのですが、あれ程の俗物とは小田先生も考えていなかったようです。
「そんなに酷いのか……」
「はい、正直に言って、国王やベルンストを交渉の場に引き出したとしても、僕らに有利に働くような気がしません」
前回と同じ顔ぶれで集まっていますが、他の先生達も頭を抱えている状態です。
強硬な意見を主張していた中川先生ですら、考え込んだままで口を閉じています。
「国分が調べてくれた情報からして、カミラに単独で交渉を仕掛けても、賠償金はおろか送還の儀式を執り行えるかどうかも分からん状態で、現国王も第二王子もその有様では……」
打ち合わせの場に漂った重たい沈黙を破ったのは、古館先生でした。
「いっそ革命を起こしてしまいますか」
全員の視線が一斉に向けられたので、ちょっと怯んだ様子を見せながらも古館先生は話を続けました。
「これまで話を聞いてきて、リーゼンブルグの王族の中で、唯一まともに話が出来そうなのはカミラ王女でしょう」
「まさか、カミラを王にしてしまおうと言うのですか?」
小田先生の問いに、古館先生はきっぱりと頷いてみせました。
「国王も、第一王子も、第二、第三王子も使い物にならなそうです。ならば排除してしまいましょう」
「いいぞ、古館君、いいアイデアだ!」
中川先生は、一も二も無く賛成に回りました。
「ちょっと待って下さい。排除するって……殺すのですか? 国分君に人殺しをさせるのですか?」
「それは、ほれ、眷属とやらにやらせれば良いだろう」
千崎先生の抗議を、中川先生が煩そうに遮ろうとします。
「それでも、国分君が手を下すのと一緒でしょう」
「国分に指示を出すのは我々で、国分は逆らう事が出来ない……責任は我々が背負えば良いだけでしょう」
「責任を背負うなんて簡単に言いますけど、どう責任を背負うつもりなんです?」
「それは、ほれ、日本に帰った時にマスコミとかに責められても、我々が責任を被ってだな……」
「そんな事で国分君の罪悪感が消せるとは思えません」
「では、どうするのかね、さっきから駄目駄目言うばかりで、そんなに否定するなら対案を出したまえ」
「それは……これからですね……」
「ふん、対案も無しに否定してるだけじゃないか」
「そんな、今話し始めたばかりで……」
「じゃあ、いつ対案を出すのかね、我々はノンビリしていられないのだよ、さぁ、いつ出すんだ?」
「それは……」
「そこまで!」
ヒートアップした中川先生と千崎先生の間に、加藤先生が割って入りました。
「二人とも、もう少し冷静に……まだ話し始めたばかりで、古館先生の提案が全てとは限らんでしょ。慌てて結論を出しても失敗する可能性が増えるばかりですぞ」
加藤先生の諭すような口振りに、腰を浮かしかけて言葉を交えていた二人も、もう一度腰を下ろして息を入れました。
加藤先生に目配せされて、小田先生が打ち合わせを再開させます。
「古館先生のカミラ以外の王族を排除するという意見は、正直に言ってとても魅力的に感じます。ですが、千崎先生が仰るように、生徒に殺人を命じる事は出来れば避けたい。だとすれば、不要と思われる人間の力を削いでしまい、カミラに実権を握らせるしかないでしょう」
「力を削ぐと言うが、具体的にどうするのですか?」
当然のように中川先生が疑問を呈しました。
「具体的な方法はこれから考える事になります」
「そんな事で、上手くいくんですかね?」
「分かりません、ですが、王族を暗殺したところで、確実にカミラが実権を握れるかも分からないですよ」
「そんな事は無いでしょう。カミラとその弟しか残らなければ、他に選択肢などありませんよ」
「貴族がカミラ姉弟を亡き者にして、国を乗っ取ろうとするかもしれませんよ」
「そんな可能性まで言い出していたら、何も出来ませんよ」
「そうですが、全く考慮しない訳にもいきません。我々は色々な可能性を考え、その中で一番確率の高い方法を選ばなければなりません。最終的に暗殺しか方法が無いのであれば、私も決断を下すつもりです」
先生達の視線が僕に向けられ、思わず視線を避けて目を伏せてしまいました。
その僕に、中川先生が容赦なく質問を投げかけてきました。
「国分、お前は他人の胃袋に眠り薬を放り込めるんだったよな? 眠り薬を毒薬に変えても大丈夫だよな?」
「えっ、えぇ……それは可能です」
「ちょっと待って下さい」
「何だね古館先生、王族の排除と言い出したのは君だろう」
「そうですが、毒殺とかでは証拠が残ってしまうかもしれないので、出来れば証拠が残らないような別の方が良くありませんか?」
「わざわざそんな手間を掛ける必要があるのかね?」
「勿論ですよ。下手に暗殺騒ぎになれば、王位継承の正当性にケチを付ける奴が現れないとも限りませんよ。それこそ、実は私は王の隠し子だ……とか言い出して」
「ならば、バレずに殺せば良いのだな……どうだ、国分?」
「えっ……それは……」
可能か不可能かと言えば、サラマンダーを倒した時のように、寝ている間に延髄や脳の血管を切断すれば良いので可能です。
可能ですが、人を殺すという事を目の前に突きつけられて、簡単に出来ますとは答え難いです。
冗談や何かの例えならばまだしも、出来ると答えたら有無を言わさず実行させられそうな状況では尚更です。
「お二人とも、少し待って下さい。教師の立場ならば、まず国分君が人を殺めないで済む方法を先に検討すべきです。最初から殺人ありきの議論には賛成しかねます」
「私も佐藤先生のご意見に賛成です。まずは、人殺し抜きの方法が無いか考えるべきです」
「私も、そうすべきだと思いますよ」
佐藤先生の言葉に、千崎先生や加藤先生も賛同してくれたので、追及は打ち切られましたが、中川先生はあからさまに不満そうな顔をしています。
「ですが、暗殺抜きに、どうやって排除するのです?」
「ちょっと良いですかな……」
手を上げたのは、加藤先生でした。
「これまで聞いた話では、第二王子が最も王位に執着が有り、積極的でもあるように感じます。この第二王子は第三王子を抱きこんでいる形ですが、この二人を仲違いさせたらどうなりますかな?」
「第二王子派の力は大きく削がれるような気がしますね」
確かに小田先生が答えた通り、第三王子が離反したら大きなダメージになりそうな気がします。
僕が見て来た第三王子は、兄者大好きって感じでしたが、仲違いさせる事なんて出来るのでしょうか。
「第二王子派から第三王子が抜けて、第一王子派に加わるような事になれば、形勢は大きく変わるでしょうな。そのまま第二王子が排除される事になるかもしれませんし、第一王子や第三王子が排除される可能性もありますが、いずれにしても我々が手を汚さなくても勝手に居なくなるように仕向ける事も出来るんじゃないですか?」
加藤先生の言葉を聞いて、中川先生や古館先生も考えを巡らせ始めました。
そんな中で、小田先生が考えを話し始めました。
「我々の住んでいた日本では、地球の裏側の情報もネットを通じて瞬時に届けられていましたが、この世界では情報の伝達にも時間が掛かります。ですが、ここに瞬時に遠方まで情報を運べる者が居ます。この情報力の差を使えば、リーゼンブルグの内部を掻き回して自滅に追い込む事も可能じゃありませんか」
「しかし、それでは時間が掛かり過ぎませんか?」
やはり中川先生は不満そうです。
「それは実行してみないと分かりませんが、少なくとも生徒に殺人を教唆するよりは良いと思いますよ」
「ですが……」
「ひとまず、やらせてみてくれませんか? それに互いが疑心暗鬼になるような状況をつくれば、暗殺を実行するとなった場合にも理由付けが出来ると思いますよ」
確かに、今の状況だと第二王子が殺されたら、第一王子派の仕業と思われますが、第三王子と仲違いをさせれば状況は変わります。
「あの……加藤先生」
「なんだ、国分」
「さっきの第二王子と第三王子を仲違いさせるって話ですけど、国王とか第一王子とかも巻き込むんでしょうか?」
「そうだな、俺の考えでは第四王子だけが残るような展開が望ましいと思っている」
「でも、国王が殺されたりしたら、国が大混乱になるんじゃないですかね?」
「どうだろうな、今でも役に立っていない男が一人消えたところで、大丈夫じゃないのか?」
確かに、あの国王が居なくなって困るのは、媚を売って甘い汁を吸っている取巻きだけでしょうし、そういう人間は、直ぐに乗り換える人間を探しそうな気がします。
とは言え、一つの国の行く末とかを、僕らが裏から操っても良いものなんでしょうかね。
「どうした国分、気乗りせんか?」
「国の中枢に居る人間をどうするとか、日本に居た時には考えられなかったので、実感が無いというか、何と言うか……」
「まぁ、確かに俺も実感があるかと聞かれれば首を捻るしかないが、それでも我々が日本に帰るには必要だから、やるしかないだろう」
「カミラとの交渉はどうするんですか? 実権を握るまで待つんですか?」
「どうするのかね、小田先生」
加藤先生は、小田先生に話を振りながらも、他の先生にも視線を向けました。
「そうですね、少し様子を見た方が……」
「いや、内紛を起こすならば、先にコンタクトした方が良いのではありませんか?」
勢い込んで話し始めたのは中川先生です。
「我々の要求を伝え、交渉に応じなければ極大発生への対応を妨害する。だが、交渉に応じるならば、第四王子が王位に就く手助けをする……という感じにした方が効果が高いでしょう」
「それが良いですよ、デメリットだけでなく、我々に協力するメリットも示した方が交渉に応じるでしょう」
古館先生も中川先生の意見に賛成のようです。
今回は、佐藤先生も千崎先生も異論はなさそうで、加藤先生も頷いています。
「そうですね。ただ一つだけ問題が……」
「何ですか小田先生、まだ文句があるんですか?」
「いえ、そうではなくて、その条件で交渉を進めるとしたら、国王派、第一王子派、第二王子派のいずれにも我々の存在は知られる訳にはいきません」
「それは……確かにそうですね」
「だとすると、どこに第二王子派の目が光っているかもしれません。私や佐藤先生が乗り込んで行く訳にはいかなくなってしまうかと……」
小田先生の視線が僕に向けられました。
「えっ……僕が交渉役って事ですか?」
小田先生に頷かれて、一気に冷や汗が噴き出してきました。
交渉役から開放されて、ほっとしていたのに、今更やれと言うのは酷じゃないですかね?
「えぇぇ……僕に交渉は無理なんじゃ……」
「よろしいでしょうか?」
助け舟を出してくれたのは、千崎先生でした。
「国分君の様子を見ていると、私も交渉には向いていないと感じます。ならば、交渉は書面を通して行う事にして、国分君には書状を届けるメッセンジャーの役割に徹してもらうというのはどうでしょう?」
「私も千崎先生の意見に賛成です。それに書状という形にした方が、後々言った言わないなどのトラブルも防げると思います」
佐藤先生の話には、中川先生も頷いて同意を示しました。
「そうですね。正直に言って、私も国分では不安を感じていました」
「えぇぇ……そんなぁ……」
小田先生の言葉にみんなが一斉に吹き出して、強張っていた空気が一気に緩みました。
まぁ、僕が頼りないのは本当だから仕方無いんですけどね。
「では、明日の昼までに我々で文面を考えて書状を書き終えましょう。国分、それを他の派閥に気付かれないように届けてくれ」
「分かりました。たぶんカミラは遅くまで執務室に残っていて、その時には秘書官も退室しているはずなので、その時を狙って接触します」
「くれぐれもボロを出さないでくれよ」
「ぐぅ……善処します」
また打ち合わせの場は、笑いに包まれました。
てか、これってイジメじゃないんですか、教育委員会に訴えちゃいますよ。
先生達との打ち合わせも終わったので、下宿に戻ろうと宿舎の玄関まで来た時に、昨日の事を思い出して足が止まってしまいました。
委員長に思いを寄せている男子達からの言葉は深く胸に刺さって、彼らの言う通りにしてしまいそうな自分が居ました。
玄関を出たら、また違う男子や腹を立てている女子が、待ち構えているのではないかと思ってしまいます。
正直ちょっと足が竦んでしまい、影に潜って帰ってしまおうかと思ってしまいますが、これは僕が決断した結果なのだから、正面から受け止めないと駄目ですよね。
大きく深呼吸をしてドアを出ると、その先に待っていたのは予想していない人物でした。
「健人……」
「唯香」
宿舎の壁にもたれていた委員長は、今にも消えてしまいそうなぐらいに儚く見えて、思わず抱き締めてしまいました。
「冷たい……ずっと待ってたの? こんなに冷え切って……」
「だって……会いたかったんだもん……」
少し潤んだ声で、こんな事を言われたら、愛おしくて離したくなくなっちゃうよね。
「健人……私、どうしたらいいんだろう……健人と一緒に居たい。でも、パパやママにも会いたいよ……健人、苦しいよ……」
「ごめん……ごめんね唯香。僕も唯香と一緒に居たい。でも、僕を必要としてくれたヴォルザードで生きていきたいって思うんだ」
「マノンが居るから? ベアトリーチェが居るから?」
「それだけじゃないよ。下宿のアマンダさんやメイサちゃんは、僕を家族同然に扱ってくれるし、クラウスさんやドノバンさんも僕を頼りにしてくれる。僕は、日本に居た頃はポンコツだったから、人の役に立って、人から頼りにされるのが嬉しいんだ」
「でも、健人だって日本に家族が居るんでしょ?」
「うん……まぁ一応ね……」
「健人……?」
少し迷ったけれど、委員長に僕の家の事情を話しました。
「そうだったんだ……」
「うん、お婆ちゃんが死んじゃったら、家の中にポツーンと一人で居る事が多くなっちゃって、父さんも母さんも生きてるのに、まるで他人みたいな感じだったんだ」
「ごめんなさい、全然気付かなくて……」
「ううん、言ってないんだもん、分からなくても当たり前だよ」
少し話がしたいと言う委員長のために、影収納から椅子代わりの木箱と毛布を取り出しました。
二階の窓から明かりが洩れている宿舎の壁際に箱を置き、委員長と二人で毛布に包まりました。
「えへへ……こうしてるとラストックの部屋に、健人が忍び込んで来てた時みたい」
「あの時は、すっごくドキドキしてたんだ。だって、みんなが憧れている唯香と二人きりで……」
「二人きりで?」
「いや、その……色々柔らかくって……」
「健人のエッチ……」
「ぐぅ……ごめんなさい」
エッチと言いながら、委員長は僕の左腕を抱え込んで、温もりを伝えてきます。
「今はドキドキしてないの?」
「してるに決まってるじゃん。もう心臓が破裂しそうだよ」
「私は、してないよ」
「えっ……?」
委員長の意外な一言に、背中に冷や水を浴びせられたような気になりました。
「だって、健人と居ると凄く安心するんだもん。身体中が癒されている気分」
「唯香……」
「このまま朝まで一緒に居たい……」
「さすがに毛布一枚じゃ風邪引いちゃうよ」
「健人の馬鹿……私もベアトリーチェみたいに一晩一緒に過ごしたい……」
「えぇぇ……それって……」
「うちも一緒に寝る!」
「うちも、うちも!」
「ご主人様、お腹撫でて!」
一緒に寝る話になった途端、マルト達がひょこっと出て来ました。
そうだよね、君らが居るから二人きりとか無理だよねぇ……。
ひょっこり現れて、尻尾をブンブン振り回すマルト達に、委員長もクスクス笑い出しました。
「そうだよね、コボルトちゃん達が居たからベアトリーチェのハニートラップから抜け出せたんだもんね」
「ぐぅ……面目無いです」
「ご主人様、今夜はこの娘と一緒に寝るの?」
「メイサちゃんはどうするの?」
「今夜は、しがみ付かれないで済むの?」
あれ? 委員長と毛布に包まってるはずなのに、何だか急に気温が下がったような……
「健人、どういう事かなぁ?」
「えっ? どういう事って……?」
「メイサちゃんって、下宿の娘さんだよね? 何で一緒に寝てるのかな?」
あれ? 委員長が夜叉になりかかってるんですけど……。
「いや、違うよ、メイサちゃんは違うって、メイサちゃんの目当てはマルト達だからね」
「コボルトちゃん達が目当てで、どうして健人が一緒に寝てるの?」
「だって、マルト達が僕の所に戻って来ちゃうし、メイサちゃんは三頭と一緒に寝たいしで、それなら僕の部屋で寝ろってアマンダさんが……」
「それで一緒に寝てるの?」
「そう、頼まれて、仕方無くだからね。何て言うか……手の掛かる妹みたいな?」
「本当かなぁ……」
「ホント、ホントだから、それこそメイサちゃんとは何にも無いからね」
「ご主人様、枕にされてた」
「うん、涎でれーって垂らされてた」
「ぐはっ……思い出させないで……」
「うふふふ……本当みたいね」
どうにか委員長も信用してくれたみたいで、角を引っ込めてくれました。
「私も健人の部屋にお泊りしたい」
「ひゃい? えぇぇ……お泊まりって……」
「そうだ、マノンも誘わないとだね」
「えぇぇ……マノンも一緒って、僕の部屋そんなに広くないんだけど……」
「そう言えばさ、健人はマノンの家族に挨拶したの?」
「えっ? い、いやぁ……家まで送って行った事はあるけど……」
言われて見れば、まだマノンの家族に会った事無いんだよね。
確か、お父さんは亡くなられていて、お母さんは居る、兄弟の話は聞いた事が無いけど……
「マノンとも本気で付き合うなら、ちゃんと挨拶しないと駄目なんじゃない?」
「うっ……そ、そうだよね、うん、そのうちに折を見て……」
「だーめ! なるべく早く、明日にでも行かなきゃ駄目だよ」
「うーん……でも、ちょっとリーゼンブルグの方が、きな臭くなってきちゃってるんだよねぇ……」
「えっ、どうかしたの?」
「うん、実はね……」
委員長にラストックや、王都アルダロスの王族の様子、それと僕らの対応策などを話しました。
「そんな事になってるんだ……うーん、それじゃあ暫く健人は動き回らないと駄目そうだね」
「うん、でもマノンのお母さんにも会っておかないと駄目だよね」
「そうだよ、僕に娘さんを下さいって……うふふふ」
「唯香、面白がってるよね……」
「だって、私が残ることになっても、うちのパパとママには挨拶してくれないでしょ?」
「うっ……それは手紙を書こうかと思ってる」
「手紙?」
「うん、加藤先生が、こっちに残るならば父さんと母さんに手紙を書けって、責任持って届けるから……って言ってくれたから、唯香の御両親にも手紙を書こうと思ってる」
「健人……そうか、手紙か……思いつかなかった……」
この後、もう少し他愛の無い話をして、僕の頬にキスをしてから、委員長は部屋に戻って行きました。
何だか少し吹っ切れたように見えたのは、僕の思い込みでしょうかね。
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