第55話 新しい月の始まり

 週明けの火の曜日、今日から暦は十一月、気分一新で参りましょう。

 朝食を済ませ、マルセルさんの店の跡地へと足を運びました。


 一緒にギルドに行き、貸付けに関して間に入ってもらう手続きをする為です。

 まだ少し時間が早いかと思っていたのですが、更地になった店の跡には、もうマルセルさんの姿がありますね。


 もう一人、体格の良い中年の男性と何やら打ち合わせをしているようです。


「おはようございます、マルセルさん」

「おうケント、おはよう。早いな」

「いえいえ、マルセルさんの方が早いじゃないですか」

「そりゃあ俺の店の事だからな、モタモタしていられんだろう」


 マルセルさんは、焼け落ちた店を悄然と眺めていた時とは、とても同一人物とは思えないぐらい生き生きとして見えます。


「マルセル、この坊主は?」

「おう、そうだ紹介しとくな。ケント、こいつはハーマンって言って、大工の棟梁をやってるダチだ」

「おはようございます、ケントです」

「あぁ、おはよう……それで、マルセル、この子は誰なんだ?」

「このケントはな……ヴォルザードの守り神だ!」

「はぁ? 守り神とか、何を言ってんだ?」


 ハーマンさんは、マルセルさんの言葉に呆れたような顔をしています。


「ふふーん、まぁ、そういう顔になるわな。だがなハーマン、ここ最近立て続けで起こった魔物の襲来、あれを撃退したのが、このケントだ!」

「おい、マルセル大丈夫か? 店が焼けたのがショックで、おかしくなっちまったのか?」

「だははは……まぁいい、信じろってのが無理な話だろうからな。だがケントが、ヴォルザードの守り神だってのは本当だぜ」

「はぁ、この坊主がねぇ……」


 大工の棟梁とあって見上げるぐらいのガッシリとした体型のハーマンさんが、見下ろすチビの僕を見て、話を信じられないのも当然ですよね。


「マルセルさん、もうお店の再建に取り掛かるんですね?」

「おう、そうだぜ。焼け落ちた店もケントが片付けてくれたしな、あとは建てるだけだ」

「おい、マルセル、焼けた店を片付けたって……この坊主がか?」

「そうだぜ、ありゃ凄かったな。こう黒い壁がドーンと突然現れて、中でメリメリ、バキバキ物凄ぇ音がして、この壁は何だ、あの音は?……ってケントに尋ねて、説明を聞いてる間に店が無くなってたぜ」

「はぁ? お前……本当に大丈夫か?」


 心底マルセルさんを心配するハーマンさんを、マルセルさんは面白がっているように見えます。


「大丈夫に決まってんだろう。それによぉ、今の話が嘘だったとしたら、なんでここが更地になってんだ」

「そ、そりゃあ……何処かに頼んで……」

「たった一日で、こんな綺麗さっぱり焼け跡を片付けちまうような業者が、ヴォルザードの何処にいるんだ?」

「いや、それは居ないが……でもよぉ……」


 ハーマンさんは、得体の知れないものを見るような目で、僕を品定めしているようです。

 うん、これはちょっと面白いかも、マルセルさんの気持ちが分かりました。


「とにかく、前の店と建物の外観は一緒にしてくれ。内装工事に入る前に、ちょこちょこっと変えてもらいたい場所を相談するからよ。もし掛かれるならば、工事に入ってくれよ」

「分かった、それなら今日から取り掛かるが……マルセル、金は大丈夫か?」

「あぁ、そいつは心配無い、ギルドが間に入ってくれるから、心配すんな」

「そうか、分かった。いや、思っていたよりも元気そうで安心したぞ」

「まぁ、さすがに店が焼けた日には凹んだがな、こいつ……」


 マルセルさんは、ポンっと僕の頭に手を乗せて言葉を繋ぎました。


「このケントがよ、そりゃあ一生懸命頑張ってっからよ、俺も負けてなんかいられねぇよ」

「ほう、なるほどな、ヴォルザードの守り神ってのはピンとこねぇが、マルセルの福の神なのは間違い無さそうだな」

「おう、ご利益絶大だぜ、拝んどけ、拝んどけ!」

「ちょっと、マルセルさん、からかわないで下さいよ」

「だははは、からかってなんかいねぇぞ、ヴォルザードの守り神様」


 いやいや、完全に面白がってますよね。

 まぁ、マルセルさんが元気になるなら良しとしますか。


 活気溢れる笑顔を浮かべながら、ハーマンさんとの打ち合わせを続けているマルセルさんの姿を眺めていたら、ふわっと良い香りが漂ってきました。


「ケント様……」

「えっ?」


 ヤバいです、油断してました。

 声を掛けられて振り向いた途端、ベアトリーチェに頬にキスされました。


「おっおぉぉ……」


 マルセルさん達の驚きの声や、道の向こうからの黄色い声を聞きながら、ベアトリーチェは僕の肩に頭を預けてきます。


「おはようございます、ケント様……」


 ベアトリーチェは囁いた後、僕の耳にふぅっと息を吹きかけてきました。

 あぁ、これは完全に面白がってますね。


「おはようリーチェ、くすぐったいよ」

「うふふふ、それは失礼いたしました……」


 ベアトリーチェは僕の首筋に自分の香りを擦り付けるように抱き付いて来ます。

 と言うか、道の向こうに血管が切れそうになっているナザリオが、物凄い目で睨んでるんですけど、マジで勘弁して下さい。


「リーチェ……学校に遅刻するよ」

「あぁ、また世間の冷たい壁が私達を引き裂いてしまうのですね……」

「いやいや、学校はそんなに大袈裟なものじゃないからね」

「あぁ、ケント様……お名残り惜しいですが、リーチェは行かねばなりません」

「うん、勉強頑張って来てね」

「むぅ……ケント様は冷たいです」

「痛っ、痛い、痛い、リーチェ……」


 脇腹を抓られたと思ったら、また頬にキスされました。


「いってまいります、ケント様」

「はいはい、いってらっしゃい、リーチェ……痛っ」


 歳に似合わぬ妖艶さを演じながら、最後に僕の脇腹をもう一抓りすると、ベアトリーチェは道の向こうで待っている女子達の所へ颯爽と戻っていきました。

 あぁ……切れるよ、それ以上歯を食いしばってると、本当に血管切れちゃうよ、ナザリオ。


 この前、ラインハルト達と一緒に凹ませたけど、こりゃまた一悶着ありそうだよね。


「キューン……キューン……」

「はいはい、後で撫でてあげるから大人しくしててね……」

「ワフゥ!」


 もう、あちこちで焼餅焼いてるのが居て大変ですよ。

 マルト達の声を聞いて、ハーマンさんがキョロキョロしてますね。


「ケントよぉ、随分とお熱いところを見せ付けてくれるじゃねぇか」

「ベアトリーチェは……何て言うか、僕をからかって面白がってるだけですよ」

「はぁ、面白がってるだけねぇ……てかよ、何でベアトリーチェちゃんから寄って来るんだ?」

「それはですね……」


 ベアトリーチェを治療した事を、色々とオブラートを被せて説明しました。

 だって、色々撫で回しちゃったなんて言えませんからね。


「ほぉぉ、治癒魔術まで使えんのか……とんでもねぇな……」


 マルセルさんは目を丸くして驚いていますが、ハーマンさんは、また怪訝そうな顔をしてますね。


「本当に治癒魔術を使えるのかい?」

「はい、どうやってるのか自分でも今いち分かってませんけど」

「ふむ……肩の痛みなんかも治せるのかい?」

「どうかされたんですか?」

「あぁ、材木を担いでいて……ちょっと痛めたんだが、なかなか治らなくてな」

「だははは、ハーマン、お前も歳だな」

「うるせぇ、治癒院に行ってる暇がねぇんだよ。あんな所で、ぼーっと何時間も待ってられっか」


 なんだか、どこの世界も同じなんですね。

 日本でも仕事している人は、忙しくて病院にも行ってられないとか聞きますもんね。


「えっと……どっちの肩ですか?」

「あっ? あぁ、左肩だが……本当に治るのかい?」

「はぁ、たぶんですけど、治っても治らなくても、お金は取りませんから大丈夫ですよ」

「おぅ、それもそうか。んじゃ、どうすれば良い?」

「そうですね、ちょっとここに座ってもらえますか?」


 ハーマンさんに、木箱に座ってもらって左肩に手を当てて治癒魔術を流します。

 もう他人に治癒魔術を掛けるのも慣れたものですよ、なんで治るのかは良く分かりませんけどね。


「おぉ……なんか、こう、じんわりと中から暖まってくる感じだな……」

「ほう、だけど打ち身とか捻挫とかは、何度か治療しないと駄目なんだろう?」

「いえ、たぶん大丈夫だと思いますよ」


 五分ほど揉みほぐすようにして治癒魔術を流して治療を終えました。


「えっと……どうでしょう?」

「ん、もう終わりか? あぁぁ!」

「ど、どうした、ハーマン」

「痛くねぇ。嘘みてぇに綺麗サッパリ痛みが取れてる……」


 ハーマンさんは、確かめるように肩を回しながら、こぼれ落ちそうなほどに目を見開いて驚いています。


「なぁ……俺の言った通りだろう、ケントは凄い奴だって」

「いや、マルセルが偉そうにする理由は分からんが、ケントだったな、お前さんは大したもんだ、いやマジで驚いた」

「いえいえ、これからハーマンさんには、マルセルさんのお店の再建を頑張ってもらわないといけませんからね」

「おう、そうだぜ、頼むぞハーマン」

「ふん、任せておけ、文字通り肩の荷が下りた感じだからな、バリバリやるぞ!」


 こちらの建物の多くは、木組みと土属性魔術の組み合わせて作られているそうで、ハーマンさんの所には腕の良い職人さんが揃っているから仕事も早いそうです。

 二階建ての建物の外観が整う程度なら、二週間ほどで出来上がるらしいです。


 早速、職人を呼んで作業に入るというハーマンさんと別れて、僕とマルセルさんはギルドに向かう事にしました。


「知り合いの倉庫の一角も借り受けたからな、そこで店が出来るまでの間に商品の靴を作っておけば、すぐにでも店を再開できるって訳だ」

「すみません、僕の仲間が本当に迷惑掛けて……」

「おっと、ケント、そいつはもう言いっこ無しだ。 お前さんには金の融通をしてもらうし、何より凹んでた俺を立ち直らせてくれたんだ、頭を下げるのは俺の方だぜ、ケント、ありがとうな」

「いえ、そんな、僕は出来る事をしただけで……」


 日本ではポンコツ扱いしかされてこなかったんで、こうして面と向かってお礼を言われるのは、どうも気恥ずかしいですね。


 移動したギルドでは、朝の喧騒がそろそろ終わろうとしていました。

 仕事を見つけた人達が、次々に職場や採集へと出掛けて行きます。


 入口からカウンターに向かって歩いて行くと、壁際に見知った顔がいくつもありました。

 猫耳天使のミューエルさん、自爆した犬っころのギリク、小さく手を振っているマノンは今日も可愛いですね。


 そして、マノンの横には本宮さんと相良さん、その他にも十名以上の女子が居ます。


「おはようございます」

「おはようケント、久しぶりだね」

「ふん、俺は負けてねぇからな……」


 うん、誰もそんな事聞いてないよね。

 ミューエルさんも苦笑いを浮かべてますし、ギリクはそっぽ向いてるけど耳真っ赤ですね。


「おはようケント」

「おはよう国分君」


 マルセルさん、お願いですからベアトリーチェの事は喋らないで下さいよ。


「えっと……みんなは、もしかして仕事を探しに来たの?」


 希望的観測を込めて訊ねてみると、女子の皆さんは力強く頷きました。


「いくら何でも国分君に頼りすぎだもの」

「そうそう、生活費を負担してもらってるんだもん、その他のお金ぐらいはね」

「まぁ、遊ぶ金欲しさ……みたいな感じ?」


 相良さんと本宮さんの言葉に、他の女子も笑顔で頷いています。

 それに日本に居た頃は、まだアルバイトが出来る歳でもなかったし、働く事にも興味があるのだとか。


「なるほど、それでマノンが案内役って事?」

「うん、僕もちょっとはケントの役に立ちたいからね」

「ありがとうマノン、お願いするね」

「うん、任せて」


 ちょっと頬を染めて頷くマノンが可愛い過ぎて辛いです、ハグしちゃ駄目ですかね、ギューって、ギューって……あっ、相良さん達の生暖かい視線が痛いですね。


「あれ? でも仕事を探しに来たのは、この……十五人だけ?」


 凸凹シスターズを加えれば、女子は二十五人居るはずですが、みんなの表情が暗くなりましたね。


「澄華……木沢さん達のグループがゴネてて、ともちゃんと、あっちゃんが乗馬の訓練に引っ張っていったのよ」


 相良さんの言う木沢澄華は、僕とは別のクラスなので名前だけ聞いても顔が分からないのですが、たぶん一昨日の晩不貞腐れていた連中の一人でしょう。


「働くのは嫌だけど、乗馬なら……って感じなのかな?」

「まぁ、そんな感じだけど、乗馬の訓練って、馬の世話とかもやるんでしょ?」

「あっ、そうか、乗馬って言葉で誘い出して働かせようって魂胆?」

「うん、あっちゃんが、そうしようって……」


 なるほど、一部の女子を除けば、みんな考えてくれているんですね。

 だとしたら、アマンダさんからの忠告を教えておかないと拙いよね。


「みんな、ありがとうね。 あのぉ……みんなのやる気を削ぐようで申し訳ないんだけど、ちょっと聞いた話だと、一昨日の騒ぎで、少し僕らへの風当たりが強いかもしれないから、少し覚悟しといて」


 僕の言葉に女子達の表情が曇りました。


「大丈夫だよ。僕が良い仕事選んであげるから、大丈夫」


 マノンが両手をぐっと握って、みんなを元気付けてくれています。


「ヴォルザードは最果ての街って呼ばれていて、色んな人が流れて来るんだ。 その中には過去に悪い事をした人や、今回みたいに騒ぎを起こす人も居る。でもね、ちゃんと反省して頑張る人は、ちゃんと評価して一緒に頑張るのがヴォルザードという街なんだよ」


 女子のみんなだけでなく周囲に居る人達も、マノンの言葉に耳を傾けて頷いているようです。


「今回、みんなの仲間が騒ぎを起こしたけど、それは、みんなの責任じゃないし、これまでにヴォルザードは、いっぱい、いっぱいケントに助けてもらってるんだ。だから、今度は僕が恩返しするよ、みんなにきっと良い仕事を探してみせる」


 僕の目を見詰めて、可憐な花がほころぶような笑顔を浮かべるマノンが可愛くて、我慢が出来ませんでした。


「ありがとう、マノン……」

「えっ、ケント……」

「きゃぁぁぁ、国分君、だいたーん!」


 相良さん達が騒ぎ立てたますけど、もう関係ないです。

 ベアトリーチェに比べたら、ぎこちないことこの上ないのでしょうが、マノンを抱きしめて頬にキスました。

 マノンは顔を真っ赤にして、目がグルグルしちゃってますね。


「えっと、さっきベアトリーチェに遭遇しちゃったからね……」


 そう伝えた途端、マノンの目がキュっと正気に戻りました。

 マノンは僕の首筋に顔を埋めて、なかなか解放してくれません。


 背中をポンポンとすると、ようやく放してくれましたけど、口を尖らせて涙目で睨んできます。


「負けないもん……」


 ぐぅ……ぐぅカワだよ、もう何もかも放り出して、マノンと逃避行しちゃっても良いかな、いや駄目だよね。

 こうなったら救出作戦を前倒し……したら委員長がヴォルザードに来るんだよね。

 はうぅぅ、どうすりゃ良いの?


「ケント……?」

「はっ……マノン、みんなをお願いね、僕はちょっと手続きがあるから……マルセルさん、行きましょうか……うっ」


 気付いたら、ギルド中の視線を独り占めしてますね。

 そりゃあ、マノンとギューってハグしてれば、こうなりますよね。


「なるほどねぇ……あっちじゃなくて、こっちが、ケントの本命ってことか……」

「いや、マルセルさん、あっちとか、こっちとか、何の事だか……」

「あぁ、暑い暑い……ヴォルザードは十一月なのに暑いのねぇ……」

「ホント、ホント……でも、ちょっと羨ましいかも……」


 あぁ、相良さんや本宮さん、女子の皆さんの視線が痛いです。


「じゃ、じゃあ、みんな仕事頑張って、マノン、よろしくね、さ、さぁ行きましょう、マルセルさん」

「だははは、分かった分かった、そんなに慌てるなよ、色男」


 突き刺さってくる生暖かい視線から逃げるようにしてカウンターに向かい、貸付け証明の手続きをお願いします。

 少し金額が大きいので、書類の作成はオットーさんがやってくれる事になりました。


「そんじゃあ、ここに金額を書いて、こっちにケントの名前、こっちにマルセルの名前、同じ書類を二枚書き終えたら術印を押すからのぉ」


 書類は二枚作成して、一枚は貸主である僕が保管、もう一枚を証明役のギルドが保管するそうです。

 術印というのは、特殊なインクに血を数滴混ぜて拇印を押すもので、専用の鑑定機を使うと個人の特定が出来るのだとか。


 金額は建物の建設費、駄目になってしまった商品、そして休業期間の補償を含めて百万ヘルトにしました。

 百万ヘルトから、お店の再開までに掛かった経費を差し引いて、余った分は返済。


 そして掛かった費用は、ギルドが馬鹿者共から回収してくれるそうです。

 これでマルセルさんは、経済的な負担無しでお店を再開できるという訳です。


「いやぁ、助かったぜケント。おかげで金の心配をせずに仕事に専念できる」

「いえいえ、僕の仲間のせいですから、お礼を言われると心苦しいですよ」

「しかし、お前さんの歳で、百万ポンっと出せるんだから大したもんだぜ」

「いえ、これも貰い物の力のおかげなんで、なんか申し訳なくって……」

「何言ってやがんだ、ケントのおかげで沢山の人間が助かってるんだぞ、その金はその結果生まれたもんなんだ、胸を張れ」


 マルセルさんに、肩をバシバシ叩かれました。


「そう、なんですかねぇ……」

「そうやって、偉ぶらねぇから女が寄って来るのか? ちょっとはあやからせろよ」

「いや、その話は……」

「マルセルよ、そんな話が嫁の耳に入ったら……」

「おっと、オットーさん、今の話は聞かなかった事にしてくれよ。ヴォルザードに血の雨が降っちまうぜ」


 いつもの素っ気ない言い方ですが、オットーさんの目が笑ってますね。

 どうやらマルセルさんは恐妻家のようです。


 マルセルさんとは握手を交わして、ここで別れました。

 この後は、クラウスさんへの謝罪の時間です。


 馬鹿者共は放逐だけは免れたようですが、この後救出してくる残りの同級生達の事を含めて、色々と決めておかないといけない事がありそうです。

 気持ちを引き締めて、二階にあるクラウスさんの執務室へと足を向けました。

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