第56話 クラウスへの謝罪
ノックをして入室の許可をもらいドアを開けると、腕組みをして厳しい表情のクラウスさんの姿がありました。
「入ってドアを閉めろ」
「はい……」
ベアトリーチェの事がバレた時でも、どこか軽い印象を失わなかったクラウスさんですが、今日は微塵の緩みも見えません。
ヴォルザードを預かる領主という立場に立てば、今回の騒動が笑って済ませられるレベルでは無いのは明らかです。
クラウスさんが座った机の前に立ち、深々と頭を下げました。
「同級生が街を騒がせ、多大なご迷惑をお掛けしました。 本当に申し訳ございませんでした」
「ケント……」
「はい」
「俺は、言っておいたぞ……」
「えっ……」
「言っておいたぞ……」
一気に汗が噴き出しました。同級生をヴォルザードに連れて来る際には、リーゼンブルグとのトラブルを防ぐために、隷属の腕輪を外すように言われました。
なので、城門に着く前に全員の腕輪は外しておきました。
今回のようなトラブルを起こさないのは当たり前の話ですが、その際の処分などについては話を聞いた覚えがありません。
何も聞き逃した覚えは無いのですが、クラウスさんが確信を込めて言ってくるのですから、もしかしたら何かとても大切な事を忘れているのかもしれません。
でも、何の事ですか……なんて聞ける雰囲気でもありませんし、必死に頭の中をかき回して思い出そうとするのですが、きっかけすらも見つかりません。
「ケント、まさか覚えていない……なんて言うつもりじゃないだろうな?」
「は、はい……い、いえ、その……」
頭から吹き出した汗が顎を伝ってポタリと落ち、背中にも汗の粒が流れていきます。
俯いたままで必死に記憶を探っていると、重たい足音が近付いて来て、ドアがノックされました。
「ドノバンです……」
「入ってくれ」
「失礼しま……ん、どうされました?」
頭を下げたまま固まっている僕を見て、ドノバンさんが怪訝そうに聞いてきます。
「あぁ……どうやら俺が言っておいた事を、スッカリ忘れちまってるみたいでな」
「言っておいた事ですか……?」
ドノバンさんが訝しげな声で答えました。
という事は、クラウスさんと2人の時に言われた事なんでしょうか。
「クラウスさん、ランズヘルトでは多妻は許可されていますし、そもそも結婚前の恋愛は自由ですよ」
「へっ……?」
「う、うるせぇ! ケント、俺は言っておいたよな。リーチェとの仲は考えてやるが、他の女には手を出すなって」
「えぇぇ……そっちの話ぃ?」
てっきり同級生の騒動の件だと思っていたので、力が抜けて床に座り込んじゃいましたよ。
「手前、登校途中のリーチェとイチャついてやがったくせに、ギルドの中でマノンとベタベタしやがってたんだってなぁ、眷属増やして調子に乗ってんじゃねぇぞ、この野郎!」
「いや、あれは、リーチェに……」
「リーチェだぁ?」
「もう、面倒臭いな……ベアトリーチェさんからキスされたんで、マノンともしておかないと不公平かと思って……」
「手前、うちのリーチェを面倒臭いだと?」
あぁ、もう本当に面倒臭くなってきちゃいました。
いっそ開き直っちゃいましょうかね。
「違いますよ。面倒なのはクラウスさんで、ベアトリーチェはむしろ気持ち良い……?」
「て、て、手前、うちのリーチェに何しやがった!」
「僕からは何もしてませんよ、ただ、ベアトリーチェがギューとして、チュってしてくるから……」
「殺す! 手前は俺の剣の……」
ズシン……
ギルドの建物全体が揺れたかと思うような振動に、思わずクラウスさんと顔を見合わせた後で、チラリと視線を横に向けました。
そこには腕組みをして、憤怒の形相のドノバンさんが仁王立ちしています。
今のはドノバンさんが足を振り下ろした振動なんでしょうね。
「私は、下らんじゃれ合いに付き合うほど暇ではないですが……」
「そ、そうだな、本題に入ろうか……なぁ、ケント」
「は、はい、勿論ですよ、クラウスさん」
クラウスさんのこめかみにも、冷や汗が浮かんでます。
二度、三度と咳払いをした後で、クラウスさんは本題である同級生たちの処分について話し始めました。
騒動の起こりは、睨んだ睨まない、見かけない面だ、生意気だ……などの、下らない言い争いで、一度は近藤が間に入って収まったそうです。
なのに、ガセメガネが何か余計な事を言って、再び小競り合いになり、今度は止めた近藤が殴られて、それを切っ掛けに双方入り乱れての乱闘に発展したそうです。
乱闘の中で、新旧コンビとガセメガネの持っていた剣を、抜いたとか奪われたとかで、流血の事態になり更にエキサイト。
混乱した状況の中で、鷹山が魔術を使おうとして、危険を感じた相手が邪魔をした為に狙いが外れ、靴屋の店先に火の玉が飛び込んで燃え上がったのだそうです。
「正直言って、下らねぇガキの喧嘩だ。どっちが悪いだの判断するのも馬鹿馬鹿しい。だがな、武器を振り回しての流血沙汰や、魔術を放って店を燃やしちまえば話は別だ」
「はい、すみませんでした」
「ヴォルザードのガキ共も、とっ掴まえて締め上げて、罪状に応じてガッチリ罰金を課した。ケント、お前の仲間には強制労働を課すぞ」
「はい、昨日少しうかがいました」
「本来ならば、罪状の軽い者は罰金だが、お前の仲間は所持金が無い。罪状の重い者は、ギルドのカードを没収して、街の外に追放するところだが、それで行方知れずになると困る……そうだな?」
「はい、ラストックに残っている者達を救出出来たら、すぐにでもカミラとの交渉を行って、出来るならば早く元の世界にみんなを帰してやりたいと思っています。なので、いざ帰れるとなった時に所在が分からないという事態は避けたいんです」
僕の説明に、クラウスさんは頷いています。
「そうだろうと思って強制労働という形にしたんだが、当然刑期が終わるまでは扱いは罪人だ」
「はい、それはもう仕方の無い事です」
「ケント、お前の国では、罪人はどういう扱いを受ける?」
「えっ、僕の国でですか? えっと……囚人服を着せられて、髪の毛を刈られるのかな……それで刑務所に入れられますね」
「外に仕事に行く時はどうする?」
「えっ、外にですか? えっと……たぶん手錠とかをされて移動して……基本的に外には出してもらえないと思うで、良く分からないです」
「その手錠ってのは?」
「両手を、こういう感じで繋ぐ鎖の付いた錠前みたいなものです」
「そうか……」
僕の説明を聞き終えたクラウスさんは、少し間を置いてから話し始めました。
「ケント、強制労働だが、場所は城壁の工事現場だ」
「はい、前に働きに行った所ですね?」
「いや、一般の連中と一緒なのは拙いだろうから、この先に予定している区画でやってもらうが、いずれにしても牢の外になるよな?」
「はい、そうですね」
「お前の仲間が、どの程度魔術を使えるのかは分からんが、何の対処も無しに外に出す訳にはいかねぇんだよ」
「はい……」
「そこでだ……こいつを使う」
クラウスさんが引き出しから取り出し、ゴトリと机の上に置いたのは、黒曜石を削り出したような腕輪でした。
「れ、隷属の腕輪……」
「そうだ、隷属の腕輪だ」
「で、でも、ランズヘルトでは奴隷制は廃止になったんじゃ?」
「そうだ、奴隷制度は廃止になったが、罪人に使う事は許されている」
所持金の少ない者、ランクの低い者、財産没収やランクの剥奪では罪を償えないものは強制労働によって罪を償う事もあり、その場合には逃走や暴動を防ぐ為に魔術の使用を制限する目的で隷属の腕輪が使われるそうです。
「こいつは、お前の仲間にとっては見たくも無いものだろうが、放逐ではなく強制労働させるには必要な措置だ」
「はい、それは……そうだと思いますが……」
「ケント、こいつはリーゼンブルグ王家が管理しているものとは別物だが……お前、外せるか?」
同級生達が付けていた特製と思われるものでも外せたので、クラウスさんが持っているものも問題なく外せるでしょう。
「はい、たぶん外せると思います」
「外すなよ……もし、お前が許可無く仲間から外した場合、他の連中も含めて、この街から出て行ってもらう」
「はい……分かりました」
クラウスさんは、じっと僕の目を見詰めた後で、大きな溜息をつきました。
「はぁぁ……昨日もオークの大群を片付けてもらっておいて、こんな事は言いたくねぇし、ケント、お前にはこの先もヴォルザードに残ってもらいたいと思っている」
「はい……」
「だがな、街の秩序を乱す奴を野放しにしておく訳にはいかねぇんだ、それは分かるよな?」
「はい、分かってます」
「強制労働の日数は、やらかした事の内容次第で考える」
「あの、内容次第って事は、マルセルさんの店を燃やした鷹山は……」
「賠償金を払い終えるまでが刑期って事になるな」
賠償金と言う事は、現時点では100万ヘルトで、城壁工事の日当は350ヘルト、払い終えるには相当な期間が必要になってしまいます。
それ自体は、ざまぁとしか思わないのですが、残りのみんなを救出してカミラとの交渉が上手く進んだ場合には、案外早く元の世界に戻れるかもしれません。
そうなった時には、賠償金を払い終えていない鷹山は、こちらの世界に取り残されちゃう事になるのでしょうか。
その事を確認すると、クラウスさんは渋い表情を見せました。
「本来ならば、刑期が終わるまで出すつもりは無い。だが、現状でも実質お前が肩代りしているようなものだから、元の世界に戻る場合だけは恩赦を与えてやる。だが本人には、その時まで話すなよ」
「すみません、ありがとうございます」
「それと刑期が終わった奴には、臨時宿舎の使用も認めよう。だがな、お前が奴らの生活を援助するのは認めねぇ。 手前で働いて、手前で稼いで、手前で飯を食わせろ」
元より、馬鹿野郎共には、もうビタ一文援助するつもりはありません。
「はい、ですが、騒動とは関係の無い女子の経費は負担させて下さい」
「ふん……女は全員囲っちまうつもりか?」
「えぇぇ……そんな訳ないじゃないですか」
「分かってる、冗談だ。だが程々にしておかねぇと、付け上がるばっかりだぞ」
「はぁ、そうなんでしょうけど……」
「まぁいい、これだけの騒動を目の当たりにして、それでも騒動を起こそうって奴は、男だろうが女だろうが容赦はしないって言っておけ」
「はい、分かりました。色々配慮していただいて、ありがとうございます」
もう一度、クラウスさんに向かって深々と頭を下げました。
「よし、この話はここまでにしよう。ケント、昨日のオークだが、全部で何頭いた?」
「はい、全部で374頭です」
「多いな……ドノバン、どう思う?」
「はい、昨日、ケントと少し話したのですが、今回の活性化はかなり規模が大きいと考えるべきでしょう」
「数千、数万単位の極大発生の可能性もあるって事か?」
「確証はありませんが、備えておかねば待っているのは全滅です」
一瞬、ヴォルザードの街に魔物が溢れる様子を思い浮かべ、背筋に寒気が走りました。
「対策は?」
「各家の鎧戸の点検、それに食料、水の備蓄といったところですか」
「冒険者への通達は……もう出したか」
「はい、ロックオーガが襲来した時点で、警報が鳴ったらCランク以上の冒険者には城壁に集まるように通達してあります」
「あれ? 僕、その話、聞いてませんけど……」
「ふん、お前は呼ばなくても来るだろう」
「はぁ……」
昨日のように早鐘が鳴ったら、Cランク以上の冒険者は城壁へ集合、Dランク以下の冒険者は、街中で住民を促して一緒に避難するという事です。
「あっ、みんなに全く教えてないや……」
「早めに教えておけよ、何時起こるのか分からんからな」
「ドノバンさん、家というか宿舎から離れている時は、どうすれば良いのですか?」
「避難者を受け入れる建物がある、あとで地図をやるから配っておけ。それと、受け入れる建物の戸にはギルドのマークが入っているから、場所が分からなかったらマークを探せ」
「えっと、剣とハンマーのマークですね」
「そうだ。大切な事だからな、必ず伝えておけよ」
「分かりました。この後、すぐに行って来ます」
殆どの人は臨時宿舎に居るだろうし、職探しに出て来たみんなにはマノンが付いているから今日は大丈夫でしょう。
男子にも……一応説明しておいた方が良いよね。
「ドノバン、魔物の極大発生が起こるとして、何か前兆的なものは無いのか?」
「前兆と言われるならば、これまでに起こっているような事態が、もう当て嵌まっています」
「群れの大きさか?」
「はい、18年前、ヴォルザードに大きな被害をもたらしたロックオーガの群れも、百頭に満たなかったはずです」
「あれでもか……」
たしか、18年前のロックオーガの襲撃の時には街中まで侵入を許して、クラウスさんのお兄さんも命を落とされたと聞きました。
城壁工事の時に聞いた話を思い出していたら、2人の視線が僕に向けられていました。
「えっ、あの……なにか?」
「ケント、マジでお前が居てくれて良かったぜ。もう18年前みたいな思いはしたくねぇからな」
「ケント、昨日の話、考えておいてくれ」
クラウスさんに、ドノバンさん、ヴォルザードのツートップと言っても過言ではない二人から、真面目な顔で頼まれれば、こちらも真面目に考えないといけませんね。
「前向きに検討します。それに、まだ元の世界に戻れるかどうか分かりませんし、当分の間はお世話になるつもりです。 眷属も増えましたから、ヴォルザードを離れる時も、監視、連絡する要員は必ず残していきますから安心して下さい」
「すまねぇな、頼む」
ラインハルトに預けた5頭のアンデッド・コボルトの中から、ローテーションで二頭は必ずヴォルザードに残します。
何かあった時は1頭が僕の所へ、もう1頭はラインハルトの所へ知らせるようにしました。
移動はノータイムで行えるので、これで大丈夫なはずですが、もっと良い方法を思いついたら改善していきましょう。
それと、昨日討伐したオークの魔石の半分程度は、みんなの強化に使ってしまいましょう。
クラウスさんとの会談を終えたのは、お昼少し前でした。
ギルドからラストックの駐屯地へ移動して、今日も騎士用の食堂でお昼をちょろまかして済ませました。
同級生達の食事は、お世辞にも美味しそうに見えないけど、騎士用の食事は結構美味しいんですよ。
せめて食う物ぐらい、まともな物を出せって言いたいですよね。
委員長のいる診察室を覗くと、何かこれまで以上に怪我人が多いように感じます。
『ケント様……また訓練が厳しくなった……』
『それって、50人が全滅したと思われてるから?』
『騎士もだけど……みんな死に物狂い……』
『そうなんだ……』
へなちょこ勇者の鷹山までオークメイジに食われたと思わされているから、同級生のみんなは少しでも強くならないと死ぬと思っているようです。
その一方で、鷹山でも駄目だったのに、自分なんかじゃ無理だと諦めてしまっている者もいるそうです。
そうした者に対しては騎士達の八つ当たりが酷いらしく、結果として怪我人が増えているようです。
委員長は、また真っ青な顔をして必死に治療を続けていました。
もう見ているのが辛くなるほどです。
午前の治療を終えて、エルナが立ち去った後、影から表に出て委員長を抱き締めて、すぐ治癒魔術を流しました。
「健人……辛いよ……」
「ごめん。救出作戦を前倒しするから、もうちょっとだけ頑張って」
「バカ……バカ健人……また女の子の匂いがする……」
ヤバいです、ベアトリーチェに抱きつかれたし、マノンもハグしたのを忘れてました。
「ごめん、今朝、油断してたら抱きつかれて……」
「んっ……許さない、ヴォルザードに行ったら直接対決だからね」
「い、いや……それは……」
「覚悟してなさい。一日でも早く迎えに来ないと……暴れちゃうわよ」
「ひゃい……が、頑張ります」
「よろしい……」
委員長は僕の頬にキスした後、エルナが戻って来るまで、ハグしたたまま離れようとしませんでした。
『ケント様……また一歩ハーレムに近付いた……』
『いやいや、その前に流血沙汰に近付いてる気がするよ』
とは言え、ちょっとニヤニヤしちゃうよね。
「ご主人様、うちらもペロペロする」
「ペロペロー、ペロペロー!」
「撫でて、うちはお腹撫でてぇ!」
「はいはい、分かった、分かったよ」
ヴォルザードの守備隊宿舎に行く前にモフっておきましょう。
ずっと、お預け状態だったからね。
順番に撫でて、思いっきり舐められて、マルト達も僕も満足したので、守備隊の宿舎に向かいましょうかね。
守備隊の馬場に行ってみると、女子のみんなは、厩務員のレイモンドさんの指導で乗馬の練習をしていました。
「こんにちは、レイモンドさん」
「おぉ、ケントも訓練しに来たのかい?」
「いえ、僕は別件なんですが……すみませんね、ご面倒掛けちゃって」
「ん? あぁ、面倒どころか助かってるよ。みんなオークの死体の処理に狩り出されちまってるからな。嬢ちゃん達が馬の世話とか馬房の掃除とか手を貸してくれて大助かりさ」
「うわぁ、すみません。うちのがやりっ放しで……」
「あははは、何言ってんだ、あんな数のオークとやり合ってたら、何人死人が出てたかわからんぞ。感謝こそしても文句言う奴なんかおらんよ」
「はぁ……そう言っていただけると、気持ちが楽になります」
「それで、何か用があるんじゃないのかい?」
「あっ……そうでした」
凸凹シスターズと一緒に居る面々が、木沢澄華のグループなんですね。
僕の顔を見て、露骨に不貞腐れた顔をしていますが、一旦乗馬の訓練を中断してもらって、ギルドからもらって来た地図を配って説明しました。
「街に居る時に警報が鳴ったら、ギルドのマークのある建物に逃げ込んで、魔物は僕の眷属が対処する予定だけど、不測の事態が起こるかもしれないからね、良く見ておいてよ」
さすがに昨日の今日で、命に関わる話なので、みんな真剣に聞いているようです。
凸凹シスターズには、仕事に出ている女子にも伝えてくれるように頼んでおきました。
「レイモンドさん、この中で警報が鳴った時は、どうすれば良いですか?」
「あぁ、逃げ込むのは、基本的に食堂だ。 食堂は食い物が置いてあるし、建物も頑丈に作ってあるからな、篭城するには一番だ」
レイモンドさんの話では、食堂は元々篭城を想定した作りになっていて、食料倉庫にも直接入れますし、水や調理器具もあり、百人が一ヶ月程度生き延びられるようになっているのだとか。
例え数千、数万のゴブリンやコボルトが襲って来ても、食うものが無くなれば移動せざるを得ないので、待っていれば勝手に居なくなる可能性が高いようです。
ヴォルザードで避難場所に指定されている建物は、その待つ時間を稼げる作りになっていて、いずれの建物にも食料が備蓄されているそうです。
こうした避難用の建物を整えたのは、クラウスさんだそうです。
例の18年前のロックオーガの騒動で、領主である兄を亡くしたクラウスさんは、誰も犠牲にならなくて済むように城壁や避難用の建物の整備を進めているそうです。
ホント……あの親バカさえ無ければ、凄い人だと尊敬するんですけどねぇ。
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