第31話 委員長の不意打ち

 森に差し込む光に茜色が差しはじめたので、野営の準備を始めます。

 道の脇に小川が流れている場所があったので、ここを今夜の寝床に決めました。


 設営、撤収を早めるために、天幕は一張りだけで済ませます。

 元々、こちらの世界では5人が一単位となるので、軍の天幕は5人用になっているそうです。


「てかよぉ、6人居るけど、寝られるのか?」

「あっ、そうか、今日は僕も下宿に戻らないって言ってきたんだった」

「まぁ、一晩だけだし、雑魚寝なら大丈夫じゃね?」


 八木に言われて、初めて自分を数に入れていなかった事に気付くあたりは、僕の計画もまだまだですね。

 まぁ大人の騎士用のサイズで充分大きいので、新田の言う通り一晩ぐらいなら大丈夫ですし、なんなら僕は影の世界で寝るから大丈夫ですけどね。


 てか、何で新田と古田は腹筋やってんの? って、桜井さんもやるんかい!

 秋の夕日は釣瓶落としなんて言うけれど、それはこちらの世界も同じなようで、日が傾き始めたと思ったら、あっと言う間に暗くなるようです。


 ようです……と言うのは、僕は夜目が利くようになったんで、真っ暗闇でも大丈夫なんで、あんまり暗いと感じなくなっちゃったんですよね。

 天幕の中には明かりの魔道具を吊るしてあるので、みんな平気そうなのですが、外に出るのは怖いみたいですね。


「うぇぇ……マジで真っ暗じゃん、ちょっとヤベぇぜ……」

「なによ八木、あんたビビってんの? だっさ……」


 天幕の外を覗いて呟いた八木に、小林さんがチャチャを入れてます。


「うっせぇな。じゃあお前、夜中に明かり無しで小便しに行けるか?」

「えっ、そんなの……いや無理」


 八木が広げた天幕の入口から外を覗いた小林さんは、あっさりとギブアップしましたね。

 夜目の利かない人から見ると、本当に真っ暗闇のようです。


「外にも明かりを吊るしておくから大丈夫だよ」

「おう、サンキュ……って、国分は大丈夫なのかよ?」

「うん、闇属性の特権というか、暗闇でも見えるから問題ないよ」

「何それ、マジかよ……俺も闇属性が良かったなぁ」

「でしょ、僕もそう思うよ……てか、闇属性持ってなかったら、ゴブリンに食われてアウトだったし」

「何それ、お前ゴブリンに襲われたの?」


 荒れ地に召喚された後、ゴブリンに襲われて腸まで引き摺り出されて食われた話をして、みんなも下手したら昼間のオークに食われてたんだよって言ったら、真っ青になってましたね。


「ちょっと待って。腸まで食べられて、何で生きてるの?」


 おぅ、小林さん良い所に気付きましたね。

 光属性も使えるとは、まだ話してないんですよね。


「ちょ、待てよ……国分、お前まさかゾンビなんじゃ……」

「えっ、嘘っ、やだ……」


 八木も桜井さんも、何言ってんでしょう。

 ヴォルザードで生活してるって言ったでしょうが。


 ゾンビがギルドに登録できる訳……無いよね?

 でも、ちょっと面白そうなので、話に乗っかってみますかね。


「あぁ、僕、みんなに『まだ生きてる……』とは言わなかったよね……」

「ちょ、待てよ……お前、マジなのか……」

「大丈夫、大丈夫、みんなに生き残ってもらいたいのは本心だし……」


 ちょっと雰囲気出して、両手で自分の身体を抱えて、震えてみせましょう。


「こ、国分君……」

「あぁ……桜井さん、大丈夫だから、本当に大丈夫だから……ただ……」

「ただ、何……?」

「時々、無性に人の脳みそが食いたくなるのは、何でなのかなぁ!」

「いやぁぁぁぁぁ!」



 はい、皆様こんばんは、ケントです。

 今、僕は正座させられて、絶賛お説教を受けている最中でございます。


「あんたねぇ、いくら何でもやり過ぎよ!」

「はい、ごめんなさい、反省してます……」


 ゾンビのフリをしたら、桜井さんがパニくって泣き出しちゃったんですよ。

 当然、コンビを組んでる小林さんが怒るのも無理ないですよね。


 ただ、八木まで調子に乗って、僕に説教しようとしてるのがムカつきますね。


「お前さぁ、いくら怖がらせようと思ったからって、腸まで食われたとか話盛り過ぎだろう」

「えっ、それは本当だよ、こうガブっと腹に食い付かれて、ズルズルって腸を引き出されて……うわぁ、思い出しちゃったよ」

「だから、何で腸まで食べられて生きてるのよ」

「うん、光属性の魔術も使えるからね」

「えぇぇぇぇぇ!」


 おう、全員揃って実に良い反応ですねぇ、待ってましたよ、こんな展開。


「ちょっと、マジなの? ねぇ?」

「うん、マジマジ、たぶんね、闇属性と光属性の両方が使えるから、例の水晶球が反応しなかったんだと思う」

「光属性も使えるって、マジかよ……」

「あー……八木、ちょっとナイフ貸してみて」


 オークに襲われた場所に、新旧コンビはナイフを、他の三人は剣を偽装のために残してきています。

 八木のナイフを借りて、左手の指先を切って、すぐに治癒魔術で治療して見せると、全員納得したようです。


「なんだよ、それじゃあ一番レアなの引いた国分を捨てたのか?」

「うわぁ、あいつら馬鹿じゃん。まぁ、あたしらが助かったのは、そのおかげだけど」


 八木と小林さんの言う通り、僕を不要と切り捨てたカミラには後悔させてあげますよ。


「さて、僕はちょっとヴォルザードのギルドまで報告に行って来るけど、ラインハルトとバステンに残ってもらうから大丈夫だからね」

「お前、マジに影を使って移動出来るの?」

「八木ぃ……じゃなかったら、オークに襲われた所に、僕はどうやって行ったのさ」

「うっ……そうだった」

「じゃあ、ラインハルト、バステン、みんなをよろしくね」

『了解ですぞ』

『お任せ下さい、ケント様』


 天幕の外に出て影に潜れば、すぐにギルドに到着です。

 ドノバンさんは、今夜も一人で仕事してますねぇ……なんか、ヴォルザード最強の社畜って感じがしますよ。


「こんばんは、ドノバンさん」

「むっ……ケントか、どうだ?」


 今夜も一声掛けてから、ヌルッと表に出て挨拶しました。


「はい、順調です。明日の夜にはこっちに到着できると思います」

「そうか、なかなか速いな」

「実は救出する時に、オークの群れに襲われたんで、みんな早く森から出たいんだと思います」

「オークの群れだと、何頭いた?」

「えっと……14頭です」

「うむ……少し大きいが、まだ通常の範囲か……だが油断は出来んな」

「今度はオークが大量発生するんですか?」

「それは分からんが、一度大量発生が起こると、暫く魔の森の活動が活発になる傾向があるから油断は出来ん」

「そうですか……じゃあ、森を抜ける間に変わった事が無いか注意しておきます」

「おぅ、そうだな、頼むぞ」

「はい、それじゃあ、戻ります」

「うむ……」


 ドノバンさんの目の前で影に潜ったのですが、さすがにドノバンさんも微妙な表情してましたね。

 影に潜ったついで、ちょっとラストックの様子も覗いて来ましょうかね。


『フレッド、ラストックも覗いて来たいんだけど……』

『了解……』


 もう全員宿舎に居る時間だと思うので、まずは男子の宿舎を覗いてみたのですが、廊下の常夜灯が点けられているだけで部屋の中は真っ暗です。

 ですが、みんな眠っていないようで、そこら中からヒソヒソと話し声が聞えてきますね。


「やべぇよ……どうやったら生き残れるんだよ」

「あいつらの言いなりになるしかねぇだろう、船山に新旧コンビもだぞ」

「てか、オークってそんなに強いのか?」

「こっちの単位が良く分からねぇけど、話の感じからすると2メートル以上あんじゃね?」

「無理、そんなの熊相手に剣で戦うのよりハードじゃんかよ」

「死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない……」

「やめろよ、うぜぇな!」


 どうやら、すでに5人は死んだと思われているみたいですね。

 結構追い詰められている人もいそうだし、何とか上手く情報を流したいですね。


 続いて女子の宿舎を覗いてみたのですが、こっちは更に深刻な状況です。

 明かりが消えているのは男子の宿舎と一緒ですが、あちこちからすすり泣きする声が聞こえてきます。


 凸凹シスターズは、女子の味方ですから、その二人が死んだと言われれば、こんな状況になるのも仕方無いですよね。

 この絶望的な雰囲気を上手く癒してくれなんて、委員長に頼むのは酷ですよね。


 委員長を探して、医務室を覗いてみましたが既に明かりが消えています。

 宿舎の方を覗いてみると、居ました居ました。


 委員長は既にベッドに入っていましたが、何でしょうかキョロキョロと周囲を見回しています。


『ケント様……世話役が居ない、今のうち……』


 おう、エルナはカミラの所に報告にでも行ったのでしょうかね。

 しからば委員長にも報告しておきましょう。


「委員長……」


 うわぁ、委員長が飛び起きたよ。


「国分君……どこ?」

「今、出るね……」


 昨日と同じく、窓辺の影から表に出ると、委員長が突進して来ましたよ。


「ふぶぅ……委員長、危ないよ……」

「ご、ごめんなさい……つい……えへっ」


 ふわぁぁぁ……ぎゅって抱きつかれちゃってます。

 

「国分君が来たって事は、みんなは無事なんだよね」

「勿論、今は、森の真ん中の天幕に居るはずだよ」

「えっ……そこって、魔の森じゃないの?」

「大丈夫、ちゃんと護衛が付いてるから心配しないで」

「はぁ、良かった……」

「委員長、その……風邪引いちゃうから……」

「うん、じゃあ、こっち……」


 うわわわ……また一緒の毛布に包まるんですね、うぅぅ……頑張れ僕の理性。


「い、委員長、お願いがあるんだけど……」

「えっ、お願い……?」

「うん……お願い」


 みんなの精神的なケアを頼もうとしたのですが、どうしたのでしょうか、委員長がモジモジし始めたのですが。


「えっと……私のお願いも聞いてくれるなら、いいよ……」

「勿論、僕に出来る事なら、何だってやっちゃうよ!」

「じゃあ、委員長じゃなくて、名前で呼んで……」

「えっ? えっと……浅川さん」

「むぅ……名前で、唯香って呼んで」

「えぇぇ……えっと、ゆ、ゆ、唯香さん」

「さんは要らない……唯香って呼んで」

「ゆ、唯香……」

「はい、健人君」


 ふぉぉぉぉ……お持ち帰りしたい! この可愛らしい生き物、ヴォルザードにお持ち帰りしたいよぉぉぉ!


「で、健人君のお願いって……?」

「お持ち帰り……じゃなかった、他のみんなの事なんだけど……」


 ここに来る前に覗いてきた宿舎の様子を話して、心のケアが出来ないか訊ねてみました。


「出来れば、僕や今日の5人が生きてる事がリーゼンブルグ側にバレないようにして、みんなを励ませないかと……」

「そうだよね。私は健人君から聞いていたから演技で済んだけど、他のみんなは本気でショックを受けているのよね」

「委員……じゃない、ゆ、唯香にばっかり負担掛けちゃうけど、何とか……」

「うん、健人君の頼みだもの、頑張ってみるよ」


 委員長は、僕の左腕を抱え込んで、小首を傾げて、ちょっと上目使いで、じーっと僕の事を見詰めてきます。

 一つの毛布に包まって、お互いの体温どころか吐息や鼓動まで感じてしまう距離で女の子と触れ合う経験なんて無かったから、心臓がバクバクして破裂しそうです。


『ケント様……見張り役が戻って来る……』

『了解……』

「ゆ、唯香……エルナが戻って来るみたいだから、僕も戻るね」


 そう伝えると、委員長は僕の腕を抱える力をギュっと強めました。

 ヤバいです、帰りたくないです。


「唯香……必ず助けに来るから……」


 えっ……い、委員長の唇が……チュっと僕の頬に……


「絶対だよ、約束だからね……」

「う、うん……うん……」

『ケント様……早く……』

「うん……うん……」


 文字通り、フレッドに影の中へと引き摺り込まれると同時に、リビングのドアの開く音が聞こえました。

 エルナはリビングを横切ると、委員長の寝室のドアに耳を寄せて中の気配を窺った後、音を立てずに自分の部屋へ入るとベッドの脇へと歩み寄りました。


 驚いた事に、エルナの部屋からは、委員長の寝室を覗く穴が開けられています。

 ほわほわした桃色気分が一発で吹き飛びましたよ。


 既に委員長はベッドに入って、じっと動かずに居るので問題はありませんが、僕が来た時のようにキョロキョロしていたら怪しまれる恐れがありますね。

 これは、帰る前に伝えておいた方が良いでしょう。


 委員長の部屋を確認したエルナは、一つ溜息を洩らすと、自分も眠る支度を始めました。

 着替えを済ませてトイレに行った隙に、委員長に覗き穴の事を伝えました。


「唯香……隣の部屋から覗かれているから気を付けて」

「やっぱり……変な視線を感じる事が何度かあったんだ」


 あっ、それは僕かもしれないけど……黙っておきましょうね。


「また連絡しに来る。明日はちょっと難しいかもしれないけど、出来るだけ早く来るから……」

「うん、きっとだよ……待ってる……」


 影の中から手を伸ばして、キュっと手を握ると、委員長は一瞬驚いた後で握り返してくれました。

 立ち去り難い思いを振り切って、魔の森の天幕へと戻りました。


「ただいま……」


 天幕の中には、まだ明かりが点っていましたが、一応声を掛けてから入口を開きました。

 みんな寝袋に包まった状態で、体育座りで話をしていたようです。


「おう、おかえり、結構時間掛かったな」

「何か問題でもあったの?」

「ヴォルザードの方は問題無し。ただし、駐屯地のみんなは、かなりショック受けてた」

「ちょ、お前、ラストックにも行ってきたのかよ」

「だから、影を使った移動なら簡単だって言ってるじゃんか」


 まったく、物覚えの悪いガセメガネですねぇ。

 でもって、小林さんの心配は、やはり女子のみんなのようです。


「ねぇ、女子のみんなの様子とかも見て来たの?」

「うん、泣いてる子が多かったよ、凸凹シスターズは女子の味方だもの」

「うわぁ……何だか凄い罪悪感を感じちゃうよ」

「ねぇねぇ、国分君、浅川さんとかの様子は……?」

「あぁ、委員長には昨日のうちに連絡しておいたから大丈夫。うまく演技してくれたんじゃないかな」

「良かった……浅川さんには治療でお世話になってたし、なんか凄い必死な感じだったから心配だったんだよ」


 桜井さんの言葉には他のみんなも同感らしく、安心したように頷いていますね。


「みんなを無事に救出したと伝えたし、残っているみんなの心のケアもお願いしてきた」

「えぇぇ……それじゃあ浅川さんの負担が大きくなり過ぎじゃない?」

「うん、委員長のケアは僕がやろうと思ってる」


 そうだよね、チュってされちゃった以上は、僕が頑張らないといけないよね。


「ちょい待ち、なんで国分なんだよ」

「えっ、だって八木達は戻れないし、僕らが生きてる事は出来るだけ秘密にしておかないと駄目だし、そうなると僕がやるしかないじゃん」

「お前、そんな事言って、浅川さんを狙ってんじゃねぇだろうな?」

「そ、そんな事は……無いわけじゃ無くもないけど……」


 いや、どっちかと言うと、僕が狙われちゃってる? と言えなくもないし。


「ふーん……国分も唯香狙いなんだ。へぇー……」

「いや、狙うとか狙わないとか、今はそんな事を言ってる場合じゃないし」


 なんでしょう、凸凹シスターズがニヨニヨした視線を送ってくるんですけど、チュってされたのはバレてないですよね。

 と思っていたら、まだガセメガネが絡んできやがりますよ。


「国分、浅川さんに連絡したって言ったけど、どうやって連絡したんだよ」

「えっ、それは……世話役がカミラに報告に行った隙に、委員長に声を掛けて」

「医務室でか……?」

「いや、宿舎の部屋だよ」

「お前、浅川さんの部屋に入り込んだのかよ」

「いや、だって、しょうがないじゃん」

「てか、この時間じゃ眠ってたんじゃねぇの?」

「いや、ベッドには入ってたけど、まだ起きてたよ」

「お前、ベッドルームにまで入り込んだのかよ!」

「いや、だから、しょうがないじゃん。その時間じゃないと世話役が見張ってるんだから」


 寝室に入り込んだと言ったら、凸凹シスターズはヒソヒソと耳打ちを繰り返しては、更にニヤニヤとした視線を送ってきます。

 そして、新旧コンビまで、話に加わってきましたよ。


「その話、もっと詳しく聞かせてもらおうか? なぁ、そう思うよな達也」

「勿論だ、和樹。これは取り調べが必要だろう、なぁ八木」

「当たり前だ。浅川さんのベッドルームに侵入したとあっては、洗いざらい吐いてもらわないとなぁ……」


 うわぁ……これ、チュっとか話したら、大変な事になりそうだよね。

 てか、完全に修学旅行のノリだよね。


「いや、吐くも何も、話をしてきただけだし、ほら、みんな明日も歩かなきゃいけないから、そろそろ寝た方が……」

「何を隠してる?」


 新田め、野生の勘なのか?


「うぇ? か、隠す事なんて、な、何にもある訳無いじゃない、ねぇ……」

「どんな格好だった?」

「ふぇ? か、格好……?」

「パジャマなのか、ネグリジェなのか、それとも……」

「ふ、普通の寝巻き? ネグリジェって感じじゃなくて、こう……ふわって感じで、絹なのかなぁ……サラサラした手触りのやつ」

「サラサラした手触りって、お前、触ったのか?」

「うぇ……触ったって、僕から触った訳じゃ……」

「じゃあ、浅川さんから触ってきたって言うのかよ」

「いや……ほら、僕って死んだ事になってたから、生きてて良かった……って流れで、ギュって……」

「ギュっ? ギュっだと?」


 あっ……ヤバっ……思い出しながら話してたら、つい口走っちゃったよ。


「い、いや、その、委員長の手を……」

「大人しく吐け……」

「いや、吐けって言われても……」

「抱き付いたのか?」


 うぇぇ……新旧コンビと八木の目の色が尋常じゃないんですけど。


「いや、その……良かったねぇって感じで……」

「本当は……?」

「本当は……その……も、黙秘します!」

「甘いぞ国分、異世界には黙秘権なんて無いんだ、おら、キリキリ白状しろ!」

「い、いやだ……不当逮捕だ! 冤罪だ! 弁護士を呼んで下さーい!」


 深夜に及んだ不当な取調べに屈して、ハグされた件はバレてしまいましたが、チュっの件は知られずに済みました。

 はぁ……いくら奴隷の立場から開放されたからって、みんなはしゃぎ過ぎだよ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る