第6話・・・お出かけ・・・

聞き覚えのある声が聞こえて来る、


「ねぇ、早く起きて、ねぇってば、」


海夢は、布団から起き上がり眠たげな表情で、

あくびをした、


「こんな朝はやくから何事だ、?」


海夢が細々くも、目を見開くと前には、三つ子の姿があった、


「何事だ、じゃないでしょ、昨日の夜言ったじゃない、今日は、お店お休みだから海夢の洋服をみんなで買いに行くって、!」


〔そうだった、そう言えば昨日の夜シャウラがそんなこと言ってたっけ、

正直、休みならもう少し寝ていたかったんだが、」


「とりあえず私、したくしてくるね、30分後には出かけるから準備しといてー、」


シャウラは、ニコニコしながらそう言うと、海夢の部屋を出て行った、



「はいよ、、!」


海夢の部屋には、ミラとララが残っていた、


「お、お前らは、

      したくしてこなくていいのか、?」



「私は、もう行けるから、心配ない、」


ミラが勝ち誇ったように、自信満々に言う、


「それより、

そんな服〔お父さんのダボダボの服〕で出かけるの?、」


「まぁ、昨日色々あって、俺の服は〔ジャージ〕

破れちゃったからな、


それを聞いて、ミラの横に立っていたララが、申し訳なさそうな顔をした、


それを見た、海夢が、ニコッと笑って

ララに言った、


「ララ、そんな顔するなって、昨日の事はもう

終わった事だろ、」


それを聞いて、ララは小さくうなずき、

明るい表情になり、

海夢と目を合わせてニコッとした、


すると横でそれを見ていた、

ミラが、眉間にシワを寄せて、


「ねぇ、2人とも、そんなに、仲、良かったっけ?

ララ、昨日、何があったの、、説明して、!」


ミラは、今にも怒り出しそうな勢いで、

手をグーっと握って、プルプル震えていた、


「ミ、ミラさん、、、どど、どうして、

そ、そんなに、、怒って、いるのでしょうか、?」


海夢はミラを見てビクビクしながら、

声を焦らせ、そう言うと、


「ミラ、あんたには関係ないは、」


ララが力強く言い返すと、

ミラとララは激しく睨み合った、


〔ジーーー〕   〔フンッ〕


「ふ、ふたりとも、家族なんだから、

な、か、よ、く、、ね、!」



海夢は、2人の間を仲裁するような感じで、

言うと、


ララと、ミラは、声を揃えて


『海夢は黙ってて、、、」


「はっ、はい↑、」


〔はーーー、

まいったなぁ、俺もそろそろ準備したいのに、〕


海夢がため息を吐いていると、


一階から大きな声が聞こえた、


「ミラー、、ララー、、ちょっと手伝って、」


シャウラの声だった、


「はーい、今行く、」


すると、2人は部屋を出て行って、階段を降りて行った、


〔やれやれ、助かった、、〕


海夢はひと段落ついて、息を吐いた、


「さて、そろそろ準備するか、

ってもうこんな時間に、、、まいったなぁ出発まで後10分もないじゃないか、」


海夢は、急いで支度を始めた、

部屋の鏡で髪型をセットして表情を作る、

〔よし、! 決まった、!〕


〔それにしても、この服を着て街を歩くのかぁ、

でもまぁ、

ジャージを着てるよりかは、ましかぁな、

こんな格好じゃ、

一緒に歩くあいつらにも迷惑がかかりそうだな、

だが、それも今日で終わりだけどな、〕


最初は、服装なんてどうでもいいと思っていた、

海夢であったが、

服を買いに行くのがとても待ち遠しくなっていた、


「海夢、そろそら行くわよ、」


「はぁーーい、今行くーー、」


海夢は一階に降りて行った、


「お、お待たせ、」


そこには、見たことの無いとても綺麗で、可愛い

三つ子の姿があった、

海夢は、3人が普段着ているおしゃれ服を見た事が無かったのだ、


ミラが、顔を赤く、もじもじして、

海夢に聞いた、


「どうかな、似合ってる、変じゃない?」


海夢は、少し照れ臭そうに、答えた、


「もちろん、とても似合ってる、3人ともね、!」


ミラは、「プーー」っとむくれた、


「じゃ行こっか、」


シャウラが帽子のツバをつまみながら、そう言った



「今日は私たちが海夢に似合う服を一緒に探すから覚悟してよね、!」


「はいよ、、! 」

〔まったく、何を覚悟すればいいのやら、〕


こうして、4人は、店を出て、

服屋に向かった、、


海夢は外に出るなり、周りをキョロキョロしている、

〔俺、本当に異世界に来ちまったんだよなぁ、

それにしてもやっぱり、

いまだに信じられねぇーな〕


海夢の住んでいた、

日本には明らかにない光景だった、

これと言って、獣人がいるわけでもなく、

空飛ぶ魔法使いがいるわけでもなく、

まして、耳の長いエルフがいるわけでもない、

しかし、建物の作り、人々の服装、明らかに日本では無い光景だった、


「どうしたの、難しい顔をして、」


海夢の表情を見て、

ミラが心配して話しかけてきた、


「い、いやー、なんでもない、

少し考え事をな、」


「そ、ならよかった、!」


ミラは優しく笑った、


〔そうだ、俺がこの3人に心配かけるわけには行かないな、、、、よ、し!〕


海夢は自分の頬を軽く叩いた、

こうして、服屋に向かって歩いている、


        〈30分後〉

          ↓



「シャウラ、後どのくらいで着く?、結構歩いたと思うけど、」


海夢は、少しバテていた、元はと言えば引きこもりのニート、体力は無かった、


「後少しで着くわよ、5分もかからないわ、

もしかして、疲れちゃった、、?」


シャウラは小馬鹿にするように、

笑いながら言った、


「バ、バ、バカ言え、俺が疲れてるわけ無いだろ、」


〔正直めちゃくちゃしんどい、引きこもりに、

この日差し、遠回しに死ねと言ってるようなものだ」


息を上げ、汗をかき、

痩せ我慢をしながらも強がって答えた、


それを見ていたミラが、ハンカチを取り出して、

海夢に渡した、


「はい、、! これ、 使って、!」


「いいのか、? ありがとう、!

             助かったよミラ!」


海夢が笑顔でミラからハンカチを受け取とった、

ミラも少し照れながら笑顔で、

     「どういたしまして、!」と答えた、


はたから見れば、それはまるで、恋人のようであった、


「いい雰囲気のところ悪いんだけど、

            ついたわよ」


シャウラがにやけながそう言うと、

目の前に沢山の、服が並んでいるお店に着いた、


「さてじゃー、海夢の、服買いましょうか、」


すると、三つ子は一斉にばらけて、

服を探しに行った、


〔あ、あれ、買いに来たのは俺の服だよな、みんな

とんでもないスピードで行っちゃったけど、

それにしても、やっぱり服も変わったデザインのものばかりだな、どれを選んで良いのやら、〕


海夢は、ゆっくり歩きながら沢山の服を見て歩いていた、


〔そう言えばこの世界じゃ、お金は円じゃないんだよな、確か、銀貨、銅貨とか言ってた気がするけど、

まぁ、、今度少し時間がある時でもこの世界の事について、教えてもらうか、〕


そんなこんなで歩き周り服を見ている、


そして、10分くらいしたら、三つ子が戻って来た、

三人はそれぞれ、上下の服を持っていた、


「海夢ーーー、! お待たせ、」


「私たち、服、選んできた、」


「に、似合うと思って、 

   ちゃ、ちゃんと選んできたんだから、」



「こ、これ全部俺が着るの、?」


海夢が驚いた表情で目を丸くして言った、


「当たり前じゃない、どれがいいか、私たちの持ってきた服、試着して、!

まずは私から、」


そう言うとシャウラは、自分の選んできた、

服を試着させた、


「どうかしら、結構似合ってると思うけど、」


シャウラが選んできたのは、

黒く大きなマントのようなものを羽織って着る

タイプのものと、白のヒラヒラとしたズボンだった、


海夢は実際に試着した、


「ど、どうかな、似合ってる?」


するとシャウラは少し照れ臭そうに答えた、


「えぇ、、とても似合ってる、!

カッコいいわ!」


「じゃー、次は、私のばん!」


そうして、次にミラ、ララの持ってきた服を順に着た、


そして、全て試着し終わると、


「じゃぁ、みんなでどれがいいか決めましょ、

よかった人の服を〈せーの〉で、指を指して!

行くわよ、〈せーの〉


すると3人は、それぞれ自分の持ってきた服に指を指した、


「これじゃ決まらないじゃない、、

しょーがない、海夢に決めてもらうわよ、

海夢どれが良かった?」


海夢は、困った顔で悩んでいた、正直な話、

どれがいいとか決められなかった、

だからこそ悩んでいた、

そしてついに海夢は悩んだ末に答えを出した、


「俺が、良かったと思う服は、、、、」


3人は唾を飲んだ、

        〈ごくり、〉


「これだ、、、!」


そう言うと、海夢は3人の持ってきた服全てを手に取った、


「ちょっと、どう言う事よ、!」


ララが少し怒った表情で海夢に言う、


「ごめん、俺さ、服とか気にしたことないから、、わからないんだ、!

でも、3人が選んでくれた服は、どれも良かった、これは本当だ、!」


海夢が申し訳なさそうに言うと、

シャウラが笑いながら、


「まさか、そんな逃げ道があったなんて、

やるね、海夢、!

じゃー、、しょーがないそんな優柔不断な君に、

全ての服をプレゼントするよ、!

もともと、お母さんには、多めにお金貰ってるしね、!

感謝も込めて、プレゼントするわ、!」


そう言うと、シャウラは嬉しそうに服を買いに行った、!


海夢は申し訳なさそうな顔をして、

頭をかいた、、、、


「お待たせ、買ってきたわよ、」


「すまん、決められなくて、」


「いいわよ、そんな事だろうとは、思ってたし、

じゃーさ、ここから家までどの服を着て帰るか、!それくらいは決めてもらおうかな、!

次は逃さないよ、、!


シャウラは再び海夢に選択を求めた、

海夢は、難しそうな顔をした、


〔正直さっきの事があったから次は決めないとな、でもやっぱりどれが良いとか、決められない、、

そうだ!、こんな時は、

{ど、れ、に、し、よ、う、か、な、て、ん、の、か、み、さ、ま、の、い、う、と、お、り、!}


「じゃー、これで、」


海夢が指を指したのは、シャウラが選んだ服だった、


シャウラは嬉しそうに笑って服を差し出した、


「はい、! どうぞ、!」


ミラとララも、嬉しそうに笑っていた、


「ありがとー、!」


こうして、シャウラに貰った服に着替えて、

店を出て、家に帰る、


すると帰り道にシャウラが海夢に、

耳元で話しかけた、


「ねぇ、ねぇ、どうして、私が持ってきた服、選んでくれたの、?」


海夢は、顔を赤くし戸惑いながらも答えた、


「そ、そ、それは、

特に理由があったわけじゃないんだけど、、」



「なにそれ、、へんなの、、、」


シャウラは少し呆れながらもニコッと笑いながら答えた、


海夢も、同情するようにして、ニコッと笑った、

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