第5話・・・実は俺・・・
「お母さん、戻ったは、」
ララと海夢は、家に入ると燃料を置いて
靴を脱いで、家に上がった、
キッチン場の方からデルさんが歩いて来た、
「あんた達、遅かったじゃない、
店はもう閉まったわよ、
それに野菜は?
海夢、あんた顔痣だらけじゃない、服も破れて」
デルさんは、帰りが遅かった事、海夢の傷を見て
なんとなく、何かに巻き込まれたのではないかと
察していた、
「私が説明するわ、実はねおかあさん、、、、」
ララは、今日の出来事を細かくデルさんに
説明する、
「だからね、お母さん、私のせいなの、
ごめんなさい、」
ララは、頭を下げてデルさんにあやまった、
すると、横にいた、海夢が、口を挟むように、
あやまった、
「すいませんでした、デルさん、」
2人一緒にデルさんに謝罪したのだ、
そしてデルさんは、怒るどころか、
嬉しそうに笑って、
「よかった、よかった、
あんた達が無事でよかった、!来て早々海夢には迷惑かけるねぇ、、」
そう言うと、デルさんは2人を抱きしめて、
嬉しそうに笑っていた、
海夢は、ララの方を向くと、
〈グータッチ〉をし、
2人顔を見合わせた、ニコッと笑った、
「それにしても、まさかララが海夢と
こんなに仲良くなるとはねぇ、
私は嬉しいよ、」
ララは恥ずかしそうに顔を赤くして二階の部屋に歩いて行った、
「海夢、ちょとこれ〔燃料〕運ぶの手伝ってもらっていいかしら?」
「はい!、もちろんですよ、」
「ごめんね、怪我人にこんなことさせて、
本当助かるわ、!」
「いえ、けっこう重たいので、」
海夢は辛い顔一切せず、それどころか、
ニコッと笑顔で答えた、
すると、海夢とデルさんは、一緒に店の裏に燃料を持って行った、
「よいしゃっと、ふー、海夢、ここに並べて置いて、!」
「はい、」
5本の燃料を綺麗に並べて置くと、
改まった様子で、デルさんが言った、
「ねぇ、海夢、少し話そうか、、!」
「私ね、あんたを街で見つけた時ね、
少しビビって来たのよ、
まるで、夢の世界にたどり着いた様な顔をしてさ、
実はね、私、住人が20人もいない小さな里で育ってさ、ずっと人がたくさんいる、都会に住みたいと思ってたのよ、」
「そうだったんですか、」
「だから、わたし、あんたの顔を見た時、まるでここに来た時の私の姿を見ているようだったの、」
デルさんは、空を見ながらそう言った、
その様子を見て、海夢はマジマジとした表情で、
デルさんの話をうなずきながら聞いていた、
「デルさん、信じてくれないかもしれないけど、
俺、この世界の人間じゃないです、!」
「そ、それはどう言うことだい、?」
驚いたような顔し目を丸くして、
デルさんは、海夢に耳を傾けた、
「実は、この世界に来るまで、なんもしてこなかったんだ、1日中、家で寝転がって、
正直言うと、現実に絶望していたんです、
俺って昔から取り柄がなくて、、料理を好きでやってたぐらいで、後は何もできなかったんです、
だから勉強だけは頑張ってたんです、
自分が努力した分だけ、自分の力になる、
だからそこそこいい、大学も受かるって言われてたんです、
だからこそ、自分の力を過信して、
自分の目指していた大学に行けなかった時は、
絶望して、生きる意味すら考える様になってたんです、全く情けないですよね、」
デルさんは、マジマジと海夢の話を聞きいていた
「でも、こんな俺でも、ゲームをしてる時だけは楽しかったんです、俺もこの世界に行きたいって
思えた、
まぁでも案の定シルティアを名乗る謎の女の子に、この世界にとばされたんですけどね、」
「前の世界では、そんな事があったのね、」
デルさんは同情する様に答えた、
「信じてくれるんですか、」
「勿論よミラやララを助けてくれた、
人がそんな嘘つくとも、思わないしね、
シルティア様はこの国の創造者、おそらく海夢の思いが届いたのよ、
それに私はあんたが落ちこぼれた人間なんて思ってないわよ、それに、料理が出来るなら私の店ではとても役に立てるじゃない、」
海夢はデルさんの優しい言葉を聞いて、
涙が流れたのだ、
今まで自分を、信じていたのは、自分だけだ、
そう言う考えをして生きて来た、だからこそデルさんの言葉は海夢の心にとても響いたのだ、
「ありがとうございます、デルさんに話せて
よかったです、」
そう言うと、
2人は立ち上がって家に戻った
↓
1日が終わり、部屋に戻って、海夢は布団で寝転がっていた
〈はぁー、今日も疲れたな、この世界に来てから
なんか毎日傷だらけになってる気がする、
でも、色々と疲れたけど、毎日が楽しい、
デルさんに出会って、ミラに、ララに、シャウラに出会って、一緒に過ごして、こんな生活だけど楽しい、」
海夢はそんな事を1人でつぶやいていると、
ドアが開いて誰かが入ってきた、
「ガチャン、」
「いま読んだよねぇ、シャウラって、」
風呂上りで髪の毛を濡らした、シャウラだった
「シャ、シャウラか、どうしたんだ、
こんな時間に、」
「いゃー別に用があったわけじゃないんだけどさ、ララが気持ち悪いくらい笑顔で部屋に入って行くのを見たからさ、なんかあったのかなーって、」
「まぁ、色々と災難だったよ、」
シャウラは嬉しそうにニコニコ笑っていた、
「私、嬉しかったの、ララのね、あんな顔見た事ないし、
それにミラも明らかに海夢と出会ってから、
変わったわ、勿論いい意味でね、感謝してるのよ、」
「いゃ、俺は何もしていないさ、逆に感謝してるのは、俺の方だよ、それに、
シャウラ、お前にも感謝してるんだ、」
シャウラは、少し顔を赤くした、
「わ、私はなにもしてないわよ、そ、それより、海夢が着てた服あるでしょ、あの珍しい服、
あれが、破けてたらしくて、明日お店休みだから
買って来なってお金くれたの、お母さんが、」
「いゃ、俺はいいよ」
「そんな事言ったって着る服ないでしょ、?
家の中ならお父さんの服借りて来られるけど、
そんなブカブカなサイズで街の中歩いたら、
笑われるわよ、」
〔いや、もうすでにジャージで外歩いてた時の方が目立って恥ずかしかったんだが、〕
「と、に、か、く、明日は朝から海夢の服買いに行くから、ちなみにミラとララも一緒に行きたいって頼み込んで来たから、私たち3人が海夢に似合う服を一緒に探しに行くからね、
寝坊しないでよ、」
ミラはそう言いうと、ニコニコしながら部屋を出て行った、
「まぁでも、明日は服を買いに行くついでに、
この街を案内してもらおうかな、
寝坊したら怒られそうだし、寝るかぁ、」
こうして、海夢は目を閉じて、スヤスヤと、
ゆっくりと眠りについた、
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