エピローグ
エピローグ
高校二年度が終わって、翠と共に三年生になった。
今度は生徒会長補佐官というわけのわからない役職ではなく、正式に副会長になっている。
春。
日が穏やかな温かい昼休み。
翠と一緒に屋上に座ってお弁当を食べていた。
翠の差し出す箸に口を付けながら郁斗が尋ねる。
「お前、投票してくれた男たち愛人にするとかいってたけど、相手してんのか?」
翠がふふっと悪戯っぽく笑う。
「内緒」
そう言って郁斗に差し出していたミートボールをぱくと自分の口に運んだ。
「郁斗って、寝取られとか趣味なの?」
聞いてきた。
「そうだったらどうする」
郁斗が突っ込むと、
「だったら郁斗とのプレイをちょっと考えてみるけど」
挑発するような笑みを浮かべた。
と――
「相変わらず仲がいいわね」
声がして前を見ると、挑戦的な睨み顔の吉野春香が立っていた。
「言っておくけど」
一拍置いて春香が続けてくる。
「私は別に負けを認めてないから」
それだけ言い終わると、春香は用事は済んだとばかり去っていった。
翠が何故か嬉しそうな笑みを漏らす。
「私は別にあの子のこと嫌いじゃないんだけどね。負けず嫌いなとことか。私みたいだし」
「ふーん」
郁斗は答えたが、やはり春香のことは苦手だった。
選挙の後で、沙耶に事の顛末を詳細に知らされた時には驚いた。
春香の正体にも愕然としたが、それを沙耶が事細かに知っていることに驚愕した。
沙耶の正体は今もってつかめていない。
翠のこともあって、恐怖の義妹になりかねない事態でもある。
「でも郁斗のこと、本当にずっと監視しなくちゃならなくなったわね」
「まだ監視するのかよ」
郁斗が尋ねると、
「するわよ。私、最初に郁斗の事ずっと監視するっていったでしょ?」
翠が返答してきた。
「ずっとって、いつまでだよ」
「ずっとはずっとよ。教えてあげない」
翠はぷいっとそっぽを向く。
後、こっちに向き直って。
郁斗の口に自分の唇を……重ねた。
了
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最後までお付き合いいただきありがとうございました。
当初の予定通り、全文投稿いたしました。
これを読んでくださっている方に感謝いたします。
ではまた。
ヘンタイ彼女の秘密を握ったら逆に脅迫されて恋人になってしまった 月白由紀人 @yukito_tukishiro
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