58. ただの音楽好きが選ぶ、かっこいいボカコレ2023春参加曲
やって来ました、ボカコレ2023春。
今回は期間中に色々楽曲を聴いて回れたので(それでも本当に一部しか聴けていないですが……)、好きだなと思った曲をまとめておきたいと思います。
なお、私は音楽好きですが専門家でもないし有識者でもなく、ボカロについても詳しくはありません。詳しくないけど好きなんです。
※その辺りについては、過去に書いたボカロ系のまとめをご覧頂くとお分かりいただけるかと……👇
8.ただの音楽好きが選ぶ、かっこいい2010年代のボカロ6曲
https://kakuyomu.jp/works/1177354054897097110/episodes/16816452219222826899
46. ただの音楽好きが選ぶ、かっこいいボカコレ2022秋ルーキー参加作品
https://kakuyomu.jp/works/1177354054897097110/episodes/16817330648359523294
今回も相変わらず的外れなことを言っていると思いますが、全体的に「ボカロ素人がなんか言ってるな……」と暖かく見守って頂けると嬉しいです。
それでは早速、曲を聴いていきましょう。今回は、ルーキーかそうではないかを問わず聴いたので、P名の後ろにどのカテゴリで参加しているかを記載しておきました。
※曲名表記はオリジナル準拠のため、曲名内にボカロ名やP名を含んでいます。以下、順不同&ほぼ敬称略です。(ミクさんのことだけは文中でミクって書けなかった……許してください。)
● けだもの ft.裏命
霄 / Mizore (ボカコレ2023春TOP100ランキング参加曲)
今時点で聴けた範囲の中では、一番好きな曲です。アンダーグラウンドっぷりと艶っぽさとお洒落さのバランスが、私にはちょうど良かったです……。
とか、冷静な感想文をしたためているように見えますか?
いいえ、残念。かき乱されていますよ、心を。
ジャズをベースにしたエレクトロニカ・ポップで、正統派な音を最高に引っ掻き回した楽曲です。この軽快な音に、こんな退廃的で純粋で艶めかしい物語を乗せるの……?
〈俺〉の一人称で進む歌で、最初は元々の〈俺〉が冷静さを保とうとしていた・どちらかと言えば知的だったことが、なんとなく窺い知れるのですが、ええ、まあ、こうどんどんと……。
本当にもう、いくつものメロディを経たサビが大好きですね。段々と破れかぶれになって行くのがいい。物語性を感じる。これほどまでに、楽曲が終わった先にあるものが気になるボカロ曲って珍しいですよね……。純文学じゃん……。
裏命というボカロを知ったのは多分初めてですが、このどちらかと言えば子どもっぽい可愛らしい声に、こんな三毒満載の楽曲を歌わせるセンスがもう、淡々と純粋に狂って行った〈俺〉を思わせて本当に……。ありがとう……。
生々しさの代わりに残酷さが出る、ボカロにはそんな良さもあるなと改めて思いました。こういう出逢いがあるから、ボカロを聴くのがやめられません。
● 劇場版 / 看板ロデオ feat. 初音ミク
看板ロデオ (ボカコレ2023春TOP100ランキング参加曲)
すべてのボカコレ参加曲の中で、自分が今年初めて聴いた曲です。そういった意味では、私の中でボカコレ2023春を象徴する楽曲になりました。
優しい曲調とミクさんの声色がぴったり。ものごとの切なさとあったかさを同時に感じられる、春らしい一曲。
めちゃめちゃいいハッピーエンドの映画か、必死にあがいたのに全く救いがないバッドエンドで終わった映画、どちらかのエンドロールで流れて欲しいですね。それを映画館で号泣しながら眺めていたいです。
● 大ニュース ft. 可不, 知声
キツネリ (ボカコレ2023春ルーキー参加曲)
ゆるっとした調声のポップス。ぴったり3分で終わる曲で、短めの楽曲が多い今時の流行にも合ってる曲だなあと。
コメントにもありましたが、ちょうどいい温度感の人生賛歌。可愛らしいMVの雰囲気、緩いけれど現代人の心境を的確に表現したさりげない歌詞(好きなところに線を引いたら全部に色がつきそう)がいいですね。
● 月怒り / 蒼二才 feat.flower
蒼二才 (ボカコレ2023春ルーキー参加曲)
サビで始まるイントロが耳に残る、ダークなロック。聴いた瞬間思ったのは、「9mm Parabellum Bullet好きな人に勧めたい」です。
自分はこの方向でのダークさ(表現が難しいですが、衝動が自分を傷つける方に向いてしまう憂鬱のようなもの)ってあまり普段摂取しないのですが、ボカロでこうした曲が表現されるのっていいよな……と思います。
人間が人間が故に見てしまう暗闇を、ボカロの声が切実に歌う(ように聴こえてしまう)っていう……。
● シャラソージュ / flower & GUMI
ZEROKU (ボカコレ2023春TOP100ランキング参加曲)
ボカロ曲らしい音をいっぱい詰め込んだ疾走感と、技巧派なギターの存在感がいいロック。ちゃかちゃかギターの音が嫌いな人なんておる……? おらんやろ。そんな曲です。
まさかの2分以内で終わってしまうのが惜しい……。もうひと回しくらいやって3分くらいにして……(ないものねだり)。
● 君はヒップホップしか聴かない / 可不
Nagano (ボカコレ2023春TOP100ランキング参加曲)
ヒップホップしか聴かない〈君〉に思いを寄せる誰かの心境を、ドストレートなエモ・ポップ/ロックで表現しているのが心憎くて好き。
この曲、楽曲の良さはもちろんですが、音楽好きな人ならば思い出補正が働く曲だと思います。
好きな人とカラオケに行って「あいつが好きな曲、全然知らん……」ってなったり(その逆もまたしかり)、お互い歩み寄って好きな曲を教え合ったり、お別れして数年経っても結局あいつが教えてくれた曲を聴いていたり……みたいな。
私はもう教室で〈君〉の横顔を覗き見る時期は終えてしまったので、そんなエモさをふと感じました。
● 染色 | TOQUI feat.知声
TOQUI (トキ) (ボカコレ2023春ルーキー参加曲)
こういうダウナー? なやぶれかぶれポップス好きなんですよね。
知声は前のボカコレで知ったボカロで、人の声かと思うほど自然な声色だった印象があります。しかし、この楽曲では(多分)あえてぐらぐら揺れる調声にされているところが特徴的で、このべらんめいな歌い方がたまりません。
場末のバーで聴きたい。
● 洗脳 / エイハブ feat.可不
エイハブ (ボカコレ2023春TOP100ランキング参加曲)
サムネの印象で、今時の80年代シティ・ポップを想像して聴き始めましたが、シティ・ポップの技法を使った演歌って感じがして興味深く聴きました。
それにしても、2分40秒で終わるの潔いな……。これももうひと回ししてほしくなってしまう雰囲気の楽曲。
もしかしたら、単体で聴くというより、「アルバムに収録されているのを聴くとちょうどいい」という想定で作られているのかも。
● ダーリンダンス / 柊マグネタイト Remix feat.初音ミク
柊マグネタイト (ボカコレ2023春REMIX参加曲)
REMIX部門っていうのがあるんですね。知らなんだ……。
かいりきベアメロディが柊マグネタイトサウンドで鳴ってる……という脳の混乱も含め心地いいです。柊マグネタイトサウンドの、この脳みそ引っ掻き回してくるの本当に好きで……。
今回取り上げた中で、このPのみ私は前から知っていました。特に好きなのは『或世界消失』。(聴いたきっかけはカクヨムで読んだボカロ系のエッセイです。)
驚異の11分32秒、しかしあっという間の11分32秒。この曲を聴いてから今も好きなPです。
今回もいい楽曲をたくさん聴けて楽しいボカコレでした。
もちろん、これからも色々と自分が好きな曲を探して行きたいと思います。
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