27. スーパー猫の日に聴きたい「猫の曲」

 今日は2022年2月22日です。私は動物に縁がほぼないのですが、それでもこんな猫の日には賑やかしくらいにはなりたい……。そう思いながら自分のiTunesを探って……探るまでもなく思いついた、猫が出て来る曲をご紹介します。

 ぜひ、あなたの目の前に居る猫を、または脳内で飼っている猫を、思い出の中の猫を愛でながらお聴きになってください。



1.『猫になりたい』スピッツ(1994)

 シングル『青い車』のカップリングとして収録され、のちに1999年リリースのアルバム『花鳥風月』に収録された名曲です。私はだいぶ後になって『花鳥風月』を聴いて(私にとって初めて聴いたスピッツのアルバムです)、この曲の存在感に心を奪われました。

 内容を見ているとタイトル通り「猫になりたい」人が主人公となった歌のようです。しかしその目的は、自由に街を歩き回りたいとか、好きな時に寝て起きてご飯が食べたいとか、そういうものではないというのがわかる切ない曲。メランコリックな雰囲気で切々と、硝子のように歌い切る思い。そういうところが、この曲の人気の秘密なのかもしれません。



2.『ホラ吹き猫野郎』米津玄師(2014)

 アルバム『YANKEE』収録曲。米津節のべらんめえ口調、自暴自棄になりながら踊る足元のようなぶっきらぼうさが耳に残る楽曲です。結構、猫が出て来る曲って猫に対して好意的だったり、あこがれを抱いている曲が多い中で、この楽曲は「あなた」を(多分好意は持っていたのでしょうけれど)、「ホラ吹き猫野郎」と“猫”という言葉を悪い意味合いで使って罵っているのが特徴的です。

 猫が持つ自由気ままさというのは、猫本人にとってはいいのでしょうが、周りの人からすれば“自分勝手”とか“気まぐれ”といったネガティブな作用もする要素です。それに振り回された「あたし」の愚痴が、アップテンポな千鳥足のような楽曲に昇華され湿っぽくない音楽になっているのが好きなところです。喜劇であり悲劇の恋が終わる、そんな雰囲気があります。



3.『A Fan’s Mail (Tron Song Suite II)』Thundercat(2017)

 アルバム『Drunk』に収録された、思いっきり猫になりたいと歌う楽曲。なにせ、開口一番「ニャーニャー」とThundercat本人が歌っているのですから。ニャーニャー言いながら超絶技巧のベースを弾いているThundercatの世界観。まあベジータの格好でライブをやるような人ですから(歌でドラゴンボールとか悟空とか言い出す人でもある)、これくらい大したことではないのかもしれません。

 堂々と、「みんな猫になりたい。猫になるのはかっこいい」と歌い上げるこの曲。今回取り上げた3曲の中で、最も猫へのあこがれを語り猫になりたいと焦がれる曲であることに間違いはありません。なのにメロウなナンバーで、一番洗練されているように聴こえるのもまた、Thundercatの魅力だと言えるでしょう。



 私の手持ちの楽曲だけでも、猫に関する曲がたくさん出てきました。きっと、この世にはたくさんの「猫の歌」があるのでしょうね。猫はどうしてこんなに人の心を魅了し、時にかき乱すのでしょう。猫に縁遠い私も、音楽を通しその気持ちを少しだけ理解できる気がします。

 それでは、よいスーパー猫の日を。200年後のスーパー猫の日も、楽しみですね。

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