11.だってロックの日だから ~ずっと好きな2000年代の曲

 6/9はロックの日!なので、それに便乗して私の好きなロックの音楽をいくつかご紹介したいと思います。最近好きなロックバンドについては割と書いてきたので、今回は、昔から好きな曲について。(※以下、敬称略)



● ガストロンジャー / エレファントカシマシ (2000年)

 まずは、日本人なら多くの人が一度は耳にしたことのあるバンド、エレファントカシマシ。昔はライブ中に観客と喧嘩しているような尖った印象がありましたが、今ではすっかり「日本人を曲で応援する!」という雰囲気になって、それはそれで好きです。


 この「ガストロンジャー」を私が知ったのは、リリースから時間が経った頃でした。でも、ライブで聞いた瞬間に血が沸き立つような興奮を覚えたことは確かです。ずっとしゃべり続ける宮本浩次、ガンガンに主張するうるせえ(誉め言葉)ギター、重たいドラムとベース……。音で音を殴り散らし、言葉で聴衆や世の中に喧嘩を売る。ああ、昔のエレファントカシマシってこんな雰囲気だったんだな……と、ありもしない思い出がよみがえるような心地がします。


 有名な話ですが、ボーカルの宮本浩次は幼少期にNHK合唱団に所属しており、ソロ曲もあったりするほどの歌唱力の持ち主です。その歌唱力をフルスイングした結果、このがなり散らしたボーカルになったと思うと胸が熱くなります。(こういう歌い方ができる人は、そもそも歌がうまい……というのが私見です)


 歌詞が割と刺激的で、見るものすべてにかみついていくところもまた良し。もし、エレファントカシマシの曲で聞いたことがあるのが美しい「今宵の月のように」やストレートな応援歌「俺たちの明日」だったりする方、または宮本浩次の歌をちゃんと聞いたのが、最近の女性ボーカルカバーだけだという方は、ぜひ聞いてみていただきたい一曲。


 不思議なもので、ガラが悪く口も悪く、挑戦的でやかましいこの曲を聴いていると、それはそれで励まされるものなのです。



● Viva La Vida / COLDPLAY (2008年)

 言わずと知れたイギリスの4人組、COLDPLAY。彼らは5/7にノリノリの新曲「Higher Power」をデジタルリリースしたばかりですね。そこらじゅうのイベントでこの曲のライブをしているようですが、人を呼べない代わりに花火大会みたいにぱかすか豪華な演出をしていて、本当に規模の大きなバンドになったなあ…と思います。


 そんな彼らの曲の中で、私が一番好きなのが、この「Viva La Vida」。2008年にリリースされた古株の曲です。

 讃美歌を思わせるコーラスや荘厳なオーケストラをバックに、COLDPLAYのお家芸であるエモいメロディが歌われ、しまいにはサビで鐘の音が聞こえてくる……!実に美しくドラマチックな曲ですが、何も考えずに結婚式で流そうとする友人がいたら、全力で止めたくなる曲でもあります。

 理由は、その歌詞。本人たちは「特定の誰かを想定しているわけではない」と言っていたようですが、世間的にこの曲は、フランス革命で処刑されたルイ16世をモデルとしているとされています。


 実際に歌詞を見てみると、その通説も納得の文言がずらり。(以下、私による意訳・抜粋です)


・私はかつて、世界のすべてを意のままにしていた。しかし今は、自分の物だった通りを掃除している

・かつて私が賽を振るっていた世界で、民衆が「古き王は死んだ!」と歓喜の声を上げている

・エルサレムの鐘の音が聞こえ、ローマ軍の聖歌隊が歌っている

・革命家が求めるのは、銀の皿に乗った私の首(私は個人的にここが一番好きです)

・誰が、頼りない糸で操られる人形のような王になんてなりたがるだろう?


 こういう、「美しい音で物騒なことを言っている洋楽」って結構ありますが、そういうの大好きなんです。この曲は、見事にその「美しさ」と「物騒」がまじりあった、最高の一曲です。

 後、どうしてもバンドはフロントマンに目が行きがちですが、この曲で一番の功労者は、ドラム担当のウィル・チャンピオンだなあと思います。「Viva La Vida」のドラムは、ごまかしの効かない一定のテンポをシンプルに刻み(ティンパニ使っていたような。)、サビではエルサレムの鐘の音を打ち鳴らす……。ドラムがなければ成り立たない、素晴らしい存在感に毎度ほれぼれします。



● Black Holes & Revelations(アルバム) / MUSE (2006年)

 最後は、ちょっと悩みましたがこのアルバムを。MUSEも、もはや説明不要のイギリスのロックバンド。3人しかいないのが嘘みたいな重厚な音色(特に、ギターボーカルとは信じがたい超絶技巧)、一度聞いたらいい意味で頭がおかしくなりそうなくらい存在感のある旋律、ダークな世界観とは裏腹に楽しそうなライブ(法被着たり、百鬼夜行したり)を繰り広げるご本人たち……。いろんな面で魅力たっぷりなバンドです。


 実は私、当時はMUSEの曲調って怖いなあと思っていました。もう少し、わかりやすいロックが好きというか。でも、ライブを見たり友達がカバーしているのを聞いていくうちに、段々好きになり、人生が経過するほど彼らの音楽が好きになっていきました。


 その中でも、特にこのアルバムは捨て曲がないというか、息つく間もなくMUSEの音楽が襲ってくるので大好きです。一曲目の「Take a Bow」からすでに、まるで宇宙を思わせるようなMUSEワールドが展開し、ちょっとポップな「Starlight」でニコニコしてたかと思えば「Supermassive Black Hole」と「Map of the Problematique」で一気に荒れ狂う真っ暗闇に放り投げてきて……。

 これ、全曲シングルじゃないの? ベストアルバム? と疑いたくなるような構成で、幸せな眩暈に見舞われます。


 MUSEの音楽って、不思議なのは、どんな時でもなんやかんやで聞きたくなるんですよね。疲れている時、テンション上げたい時、一人で落ち込みたい時……。音がガンガンに迫ってくるのに、なんとなく抽象的な世界観だったり、現実味のないところがあるからかもしれません。このアルバムは、自分の人生において、きっと何度も聞き返すんだろうなと思います。



 ロックの日にあやかって、昔から好きな2000年代の曲を3つ(?)ご紹介しました。もしまだ聞いたことがないものがあれば、ぜひあなたのプレイリストの拡充のためにもお試しください。(散々書いて気づきましたが、3つのうち2つはすでにちらっと触れていた音楽でしたね…失礼しました)

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