6.2020年ベストアルバム15選
2020年発売のアルバムで、自分が購入したものの中から、特に好きな15枚をまとめておきます。
そちらとあわせて、2020年リリースではないけど、2020年に購入して良かったアルバムのご紹介も簡単に。
動画リンクは、外部サイトになってしまうので掲載しませんが、いずれもフルまたは何曲かがYouTubeやBandcampなどで聴けますので、気になったものがあったら、ぜひ覗いてみてください。
●2020年ベストアルバム15選 ※購入順
1. Mumrunner / Valeriana
フィンランドのシューゲイザー・バンド、Mumrunner(マムランナー)のデビューアルバム。
インストとボーカルありの曲の境目を感じない、マーブルみたいな心地よさ。シリアスとポップを行き来する、夢っぽすぎない夢。自分はまだシューゲイザーって聞き慣れないジャンルだけど、彼らの音楽はシューゲイザーの特徴である「騒音」と「夢っぽさ」のバランスが良くて、とても好き。
2. Westerman / Your hero is not dead
ウェスト・ロンドンのシンガーソングライターWesterman (ウェスターマン)のデビューアルバム。
EPしか出てない頃から、アルバムを楽しみにしていた人。しんみりしすぎず明るすぎず、バランスが絶妙。こもり気味の声色をしたボーカルが好み。
3. Bibio / Sleep on the wing
アンビエント・エレクトロニカの暖かい音色で根強い人気、イギリスのBibio(ビビオ)がリリースした10曲入りEP。
じめっとした季節を穏やかな空気に変えてくれる、除湿系アンビエント。この人の音楽は「生活の一部」という感覚がなぜか強い。自然と聞こえて来る感じ。
4. Phoebe Bridgers / Punisher
LA出身のシンガーソングライターPhoebe Bridgers(フィービー・ブリジャーズ)が、年間ベストアルバムのリストを総なめにしたデビューアルバムから3年ぶりに発売したセカンドアルバム。
これがセカンドアルバム……?と思わず疑ってしまうような風格。この人の音楽で好きなのは、一見するとドリーミーなふわっとした感じなのに、実際は骨太でダークな要素をたくさん持ってる所。前のアルバムを聞いた瞬間に感じた、そのドキッとする、ハラハラする感覚が、このアルバムでも味わえる。というか戦闘力が増している。
5. Darkstar / Civic Jams
イギリスのエレクトロニカデュオ、Darkstar(ダークスター)がリリースした、4枚目のアルバム。
リリース前にレーベルが宣伝しているのを見て初めて知って、一気に好きになった。ひんやり冷たいエレクトロニカ、憂鬱な気配とあったかさがちょうど良いバランス。夜のお散歩のお供にも、うだるような暑さや現実からの逃げ場としても、うってつけの1枚。
6. PEACH PIT / YOU AND YOUR FRIENDS
カナダ・バンクーバーの4人組インディーポップ・バンド Peach Pit (ピーチ・ピット) による、セカンドアルバム。
多分YouTubeのおすすめに出てきて、何曲か聞いていいな〜と思ってるうちに、気づいたらアルバムを買っていた。さらさら聞きやすい音楽なので、気づいたら何周もしてしまう。まさにインディーポップなんだけど、どこか日本のロック・ポップスに通じるエモーショナルな雰囲気を感じる不思議なバンド。
7. Tom Misch & Yussef Dayes / What Kinda Music
Tom Misch(トム・ミッシュ)はジャズ、ソウル、ヒップホップ、ディスコ等のジャンルを融合したマルチ・プレイヤー。日本では星野源とのコラボも話題になった。YUSSEF DAYES(ユセフ・デイズ)は、ジャズドラマー。幼少期から同じサウス・イースト・ロンドンの同じ地区に育った二人のコラボレーションアルバム。
Tom Mischのことは知ってたけれど、ポップスなのかなーと思っていてなんとなく手が伸びなかった。それが、このアルバムは一筋縄ではいかない雰囲気、ダークさ(仄暗さとはまた違う)でいっぱいの音色になってるもんだから、惚れてしまった。もしかしたら、今年一番聴いたアルバムかもしれない。
8. Bob Moses / Desire
エレクトリック・ミュージックデュオのBob Moses(ボブ・モーゼス)によるEP。表題曲“ Desire”のMVは、“Pleasure(快楽)”と“Pain(苦痛)”、のどちらかを選択するとストーリーが変わるインタラクティブな仕掛けがされている。
この人たちの音楽は、一貫して雰囲気が変わらなくて本当に安心できる。信頼と実績の夜の闇。でもどんよりうじうじ暗い訳ではない、程よくシュッとした所が魅力。夜の高速道路が似合うイメージ。表題曲のMV、なんとなくSFっぽさもあってかっこよかった。
9. Washed Out / Purple Noon
アメリカ・アトランタを拠点に活動するアーネスト・グリーンによるプロジェクト、Washed Out(ウォッシュト・アウト)の4枚目のアルバム。
何も知らないのに、YouTubeで偶然、海辺でのライブ映像を見かけて好きになってしまった。フワフワと夢みたいな曲調なのに、電子音のパーカッションが輪郭はっきりめなのがアクセントになっててそれがまた堪らない。評される通り、現実逃避にもってこいの一枚。
10. Keaton Henson / MONUMENT
イギリスを拠点とするシンガーソングライター、Keaton Henson(キートン・ヘンソン)のアルバムで、RadioheadのPhilip Selwayがドラムとパーカッションを担当。Keaton Hensonには不安障害があり、このアルバムではその疾患や父親の死と向き合っている。
つい最近知った人……だと思ったら、自分は2年前に見たライブ映像が好きだと言っていたらしい。アンビエントの要素が強いけど、ボーカル入ってるしちょっとフォークっぽさもありとっつきやすい。しかしとっつきやすいわと思って聞き込んでいると、気づくと心が召されている……。
11. Mercury KX / Flow
アンビエント、エレクトロニカ、クラシック、オルナタティブなどを扱うレーベルMercury KX(マーキュリー ケーエックス)の3周年を祝ったコンピレーションアルバム。先述のKeaton Hensonの他、レーベルを代表するアーティストÓlafur ArnaldsやピアニストJEAN-MICHEL BLAISも参加。
まるでひとつのアーティストのアルバムの様に、世界観がまとまっていて美しい。青い暗闇、靄のかかった森、誰もいない石造の廃墟……そんな景色を思わせる音楽がたくさん。個人的には、このレーベルを知れたのは2020年の大きな喜びのひとつ。
12. Mini Trees / Slip Away
L.A.を拠点とするドラマー/シンガー・ソングライターLexi Vegaによる、インディーポッププロジェクト。
ゆるさと切なさが混ざるボーカルがいい。水面が日があたってゆらゆら揺れてるのを、目を細めて眺めてるような気分になる。ローファイポップだけど、そこまで夢見心地でもない、でも夢みたいな一枚。いい音楽を見つけられて嬉しくなるのは、こんな時。
13. Tycho / Weather Remixes
サンフランシスコを拠点に活動するスコット・ハンセンを中心としたプロジェクト、Tycho(タイコ/ティコ)によるアルバムWeatherのリミックス版。
聞き終わった最初の感想が、「どうもありがとうございました…」だった。自分がどちらかと言えばエレクトロニカ慣れしてないせいかなんなのか理由はわからないけど、個人的にはWeatherより聴きやすい。Weatherよりも、ボーカルと楽器の音が全部等しく「音色」として扱われてる感じがあるからかもしれない。
14. Moses Boyd / Dark Matter
ロンドンを拠点とするジャズドラマー、Moses Boyd(モーゼス・ボイド)による、個人名義では初のアルバム。
骨太で、タイトル通り真っ暗闇みたいなカッコいいジャズ。ジャズと言うには緊張感があるし、かと言って肩肘張ったすまし顔でもない、まさにDark Matterって感じがとても好き。(この人、ライオンキングのサントラにも参加してたらしい。どんな曲なんだろう)
15. Khruangbin / Mordechai
60-70年代のタイ・ファンクに影響を受けた、異国情緒溢れる音楽で人気のスリーピースバンドKhruangbin(クルアンビン)による3枚目のアルバム。
「2020年悪の組織が経営してるアンダーグラウンドなバーで演奏してて欲しいバンドNo.1」。無国籍だけど懐かしい、レトロだけど今時。スリーピースだからこその余白を感じる世界観なのに、隙がないようにも思えて不思議。ライブで見てみたい。
●2020年リリースではないけど、2020年に買って好きになったアルバム
1.Moon Monsoon / Moon Monsoon
2. Far Caspian / Between Days
3. Peter The Human / Goodbye Summer
4. Hoops / Routines ※彼らは2020年にアルバムがリリース予定だったのに、1日で配信が終了。フィジカルリリースもされなかった……。
5.Slowdive / Slowdive
6. FKJ / Ylang Ylang EP
2020年も良い音楽をたくさん聴けて良かったです。この年は、ますます自分の好みが、ロックからアンビエントに寄って行ったのを実感した年でもありました。
でも、これが2021年には何を聴いているのかわからないのが人間の面白いところ。これからも、好きだと思った音楽を、貪欲に聴き続けたいと思います。
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