選択
冬斗が帰ったあとベッドの上に横になった私は微動だにせず二人のことばかり考えていた。
春斗。
あんなにモテる春斗が私の事が昔から好きだったと言ってくれた。抱きしめられたとき全然嫌じゃなかったな。なんか私より全然良い匂いがした・・・だってこないだまで中学生でしょ、ませすぎだよ。なんだか自分が負けている気がして恥ずかしくなった。春斗と付き合ったらお互いおしゃべりだし楽しいとは思う。
でもモテるから付き合ったら付き合ったでいろいろ大変な目に合うかもしれない。というか・・・。
というか、男の人として見始めるとちょっと格好良すぎる。
どうしよう。なんでさっきまであんなに何も考えず普通に話せてたんだろうか・・・もうどちらにしろ平常心で接せる気がしない。そう考えると熱くなってきて手で顔を仰いだ。目が覚めすぎて本当に眠れそうにないな。
さっき言ってたみたいに冬斗もまだ起きているんだろうか。
冬斗。
小学校高学年くらいまでは三人で良く遊んでいて面倒見が良く頼りになる冬斗が好きだった。転んで擦りむいたり、遊び疲れた時はおんぶしてもらってたんだよね・・・懐かしいな。
もっと沢山しゃべりたいと思っても冬斗が何考えてるかわかんなくて幼いながらももどかしい思いをしたっけ。
そんな冬斗が私を好きって言ってくれたのはびっくりしたのと同時に正直嬉しい。私の初恋はここにきて実ったんだよね。でも・・・いつからだったんだろう?
冬斗といると不思議と安心するし甘えてしまう。たぶん付き合っても学校での関係はそれ程変わらないんじゃないかと思う。
贅沢だよなぁ・・・。
ただ一つ複雑なのはもう日中みたく三人で平和にやりとりする日は無くなってしまうんじゃないかっていうこと。
もう春斗も冬斗も普通の幼馴染みとして見ることは出来なくなっていた。
う、うーん・・・。
ベッドの上で数えきれない寝返りを打ちながら悩み続ける。
考えても考えてもなかなか答えに辿り着けなかった。どちらが好きかと言われたら・・・どっちも好きだし、春斗も冬斗も大切な存在であることには変わりない。
・・・・・・・・。
・・・・・・・・。
だんだんと空が明るくなり太陽が昇り始めた。雲一つない綺麗な空を窓から眺め、私はやっと決心した。
春斗と付き合う→【春斗】へ
冬斗と付き合う→【冬斗】へ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます