6 「『外』へ」

「なぁ。お腹が痛いから少しだけトイレに行ってもいいか?」


 椛が校舎から出る時に突然そう言った。

 見れば椛は苦しそうな表情でお腹を抑え、身体をくの字に曲げている。

 心なしか身体は小刻みに震え立っているのもやっとだという様子だ。


 そんな弱弱しい様子の椛を見て、心配そうな顔をした赤髪は口を開く。


「駄目だね」


「くそったれぇぇぇぇぇえ!」


 無慈悲にトイレに行くことを却下された椛は下駄箱前であるにも関わらず大声をあげながら頭を抱え地面を転げまわりだした。


 どうやら先程までの態度は嘘だったようだ。


「な、なんだいきなり……!?」


 赤髪は17歳男性の本気の駄々こねを見るのは初めてらしく、目を見開き顔をひきつらせている。


 長い間椛と悪友をしている俺としては、椛がこうして叫びながら地面をのたうちまわるのを見るのはこれで8回目なのでもはや見慣れた光景だ。


 まったく。いつ見ても男子高校生としてのプライドが全く感じられない全力の駄々こねだ。

 ここは1つ、椛に借りを作らせるという意味でもフォローをしておいてやるか。


「どうやら驚かせちゃったみたいだな。実は、椛には発作的に自分の身体を使って床掃除をするクセがあって」


「そんなクセがあるかバカ野郎!」


 俺の精一杯のフォローに椛は罵倒を浴びせてくる。

 なんて失礼な奴だ。友人からの思いやりは素直に受け取っておくべきだろうに。


 俺の事をジロリと、いやドロリと睨みながら椛は寝転がったまま言う。


「まぁ聞けよ高希。俺様はな、靴を履いていざ校舎の外に出ようとした瞬間『今からゾンビワールドに行くのかぁ』って実感が急にわいてきてな。なんかもうマジ気持ち悪くなってきて、もう本気で学校の外に行きたくなくなったんだよ。……あっ、やっぱり緊張と不安感で吐きそうだから少しだけトイレに行っていいか?」


 ドロリとした視線を俺から赤髪に移し椛はやはり寝転がったまま言う。


「駄目だね」


「チクショウめぇぇぇぇぇえ!」


 だが赤髪の答えは変わらず、椛はまた地面をのたうちまわりだした。


「なんで10秒前と同じ流れを繰り返すんだよ」


「てかマジおかしくね? 学校でたら死地ぞ? 死が溢れる地と書いて死地ぞ? 十分な説明も無し、訓練とかも無し、更にはこの通り温情も無し。はぁもう無し無しづくしでやる気無しですわ俺様!!」


 椛は地面に寝転がりながら器用に肩をすくめる。


「黙らないと殺すぞ」


「はい。申し訳ありませんでした」


 だが椛は赤髪に脅されすぐに立ち上がり謝罪した。

 その一瞬のかわり身にさっきまでの駄々こねは何だったんだと赤髪は呆気にとられる。


「椛ってこういう奴なんだよ。いちいちかまってると話しが進まないから基本暴力で大丈夫」


「高希は自分が友人とは程遠い事を言ってる自覚はあるか? 弱いものイジメは罪だぞ?」


 はて? 椛は何を言っているのだ?

 弱いものイジメは確かに駄目なことだが、何故今そんな当たり前な話をするのだろう?


「全く……。いい加減に諦めな。ただでさえ高希と椛は目覚めるのが一番遅かったんだし、なんだったらゾンビが出現した後に目覚めたのはあんたら2人だけなんだからな。もしちゃんとゾンビが出現する前に目覚めていたら説明もしたし、それこそ身体の検査もしっかり出来たんだ」


「えっ、身体の検査?」


 なにその不穏な話?

 初耳なんだが?


「なんだ? 何か検査が必要なのか俺様達は?」


 どうやら椛もそこに不安を感じたらしい。


「『人類進化薬じんるいしんかやく』を2人は投与されているからね。みた目は人間でも身体能力・感覚器官が元の人間とは全く違う。加えて未知の多い『副作用』という訳が分からんものまである。まぁ一応、2人が寝てる間にちょっとした解剖・実験をして、そこからどんなタイプの副作用かは大まかに分かってはいるし、意識のズレ・身体のズレを警戒して元の人間の身体能力・感覚器官になるように変な薬を投与してあるぞ」


「『投与してあるぞ』じゃないよ!? えっ、解剖されたの俺!? 怖ッ!」


 なんでこの機関の人達は後から大事な事を言うの!?


 大事なことなのに1度も言わないのやめろよ!


「お前ら人様が寝てる間に色々やりすぎだろ!? 仮面ライダーの秘密結社だってもうちょっとソフトだぞ!!」


 椛も椛で混乱しているのかよくわからない例えをしてキレている。


「安心しろ。意識のズレ・身体のズレを警戒した変な薬は高希の方にしか投与していない」


「俺にとってそれはどこに安心する要素があるんだ!?」


「いよぉぉっしゃぁざまぁみやがれぇ!」


 椛にざまぁみやがれと言われたが、なぜそう言われたのかが本当に分からない。


「本当は2人が起きて、テストを行った後に薬の投与がされる予定だったんだけどもな。その前にゾンビが発生したから仕方がない」


「いやでもそんなよくわからない薬を投与されて俺の体は大丈夫なの!?」


「おい少し落ち着けよ高希。見苦しいぞ」


 さっきまで大声をあげながら地面をのたうちまわっていた男に見苦しいって言われただと!?


「なぁ。ちょいと聞きたいんだが、その前の体と今の体の身体能力と感覚器官の違いによる意識のズレや身体のズレってやつを調整できるって事は、俺様達の副作用の事はそっちでは大まかに分かっていて制御ができるって解釈でいいんだよな?」


 椛は自分が投与されてないときいて余裕ができたらしい。

 先程までの焦りが全く感じられない。

 前歯を折ってやろうかこいつ。


「あぁ。大まかにだが確かに副作用の種類はわかっている」


「そうか」


「………………」


「………………」


「……………?」


 そして2人は黙り、真剣な顔をして見つめ合う。


 何こいつら?


「どうした椛、ずっと見つめ合ったりなんかして……。……ハッ! まさか、恋?」


「どういう思考回路してんだお前!? 俺様はこいつの次の言葉を待ってたんだよ!」


「私の次の言葉?」


 椛の言葉に赤髪は首をかしげる。


「あぁそうだよ。聞いた話だと骨がなくなったり眼球が割れたりするそうなんだが、俺様と高希の副作用はどんなんなんだ? 今のところ特に違和感がなくて逆に怖いのだが?」


「いや、私は聞かされていないな」


「てめぇほんとつかえねぇなぁ!? というか絶対【嘘】だろそれ!?」


 椛は地団太を踏みキレる。


 因みに俺もビックリだ。

 この赤髪はほんとになにも聞かされてないのか?


「落ち着きなよ。副作用があると言っても今のところ違和感はないんだろ? なら今は考えないようにしてくれないか? もう時間がないんだ」


「時間?」


「あぁ。お前らは明りのない見通しが悪い夜にゾンビ溢れる外に行きたくは無いだろ?」


「あたりまえだ」


「そうだろう? それは私達も同じでな、出来るだけ太陽が出ている今の時間帯に外の探索をしたいんだ」


 赤髪のその有無を言わさぬ口調や雰囲気、そして真剣な表情に俺と椛は話を聞くため口を閉ざす。


「いいか? 今からなぜ外に出るのかという説明をする。

 まず今回はお前ら2人が目覚めたてであるのと検査が充分じゃない事から、この私が引率しお前らを監視・護衛することになっている。

 内容としては学校近辺にある資材の回収と生存者の保護。

 そして朝のうちに出ていた他の探索班である1班・7班と合流次第この学校に帰還する。

 もしゾンビと未確認危険生命体みかくにんきけんせいめいたいを発見し、私が危険だと判断した場合は即帰還することになる。

 ここまででなにか質問はあるか?」


「未確認危険生命体ってなんですか?」


「未確認危険生命体は未確認危険生命体だ。」


 だからその未確認危険生命体は何なんだよと聞いてるんだが……。

 まさか、先程校長室で目にした巨大な鳥とかの類か?

 ほかにもああいった危険そうな生物がいるって事?

 俺が寝ていた間にいったい何があったんだよこの世界は。


「……ゾンビは『誰が』殺すんだ?」


「いい質問だな椛。群れてなく、簡単に殺せると判断した場合はお前らのどちらかに殺させる。これはお前らに早くこの世界に慣れて貰うということがこの任務での目的の1つであるからだ」


「……この世界に慣れて貰う、か。ならまずは……はぁ?」


 椛は何かを言いかけるが、いきなり間抜けな声を出した。


「どうした?」


 俺は椛が向いている方向を見る。

 そこは校舎の正面、つまりグラウンドがある場所だ。


 いつも放課後には陸上部やサッカー部、野球部などが使っていたグラウンドは今や様々なテントが張られ、沢山のトラックが停められていた。その周りを白いガスマスクをつけた研究者らしき人間達がせわしなく動き回っている。


 それを見て、運動部の部活をする活気の溢れた声がもう聞けないのだと思いすこしだけ寂しさを感じた。


 だがそんな寂しさを感じたのも一瞬で、変わり果てたグラウンドにはひと際目を引くものがあった。


 グラウンドの端に、何故か小屋が建っているのだ。


 その小屋には煙突が付いており、おとぎ話に出てくるようなファンシー的な可愛らしさがある。


 そのファンシーさがグラウンドの状況と差がありすぎて少し不気味だ。


 小屋の近くに人がいるのがかろうじて見える。だがなにをしているかまでは遠すぎてよくわからない。


「あれは……紗希とエレナか? いったい何をしているんだ?」


 不意に横で俺と同じく小屋を見たらしい赤髪が呟いた。

 結構離れているのに目がいいんだな。


「……何か嫌な予感がする」


 赤髪が眉間にしわを寄せ不安を口にした。


「少しだけ様子を見にいかないか?」


 俺も紗希があんなグラウンドの端にある怪しい小屋で何をしているのかが気になったのでダメもとで提案してみる。


「そうだな。それがいい」


「えっ?」


 赤髪は即座に俺の提案に同意し小屋に歩いて行く。

 俺が提案しておいてなんだが、こんなにすんなりいくとは思わなかった。


「……俺様も少し気になる。ここは逃げないで紗希の様子を見に行った方がいいな」


 椛までそう言って赤髪の後に素直について行く。


 1人置いて行かれた俺もすぐに2人の後を追った。


 小屋に向かう途中、何人かの研究者がいぶかしげに――白いガスマスクをしてるから表情は分からないが――俺と椛を見るが、一緒にいる赤髪がひとこと言えば軽く会釈だけして自分の作業に戻っていく。


 トラックが多いなとキョロキョロ辺りを見回していると、たまたま荷台が開いているトラックがあったのでチラリと中を覗いてみる。


 そこには沢山の米袋と沢山の野菜などの食材が書かれた袋があった。


 ……まさか、グラウンドを埋め尽くすほどのトラックの中身は食材なのか?


 そう考えながら歩いているとすぐに小屋についてしまった。


 そして近付いてみてわかったのだが、どうやら紗希は地面に倒れ首輪のついたあの幼女に馬乗りにされているようだ。


 何をしとるんだ紗希は。


 全く状況が理解できないままさらに近付いて行くと、かすかだが舌足らずで甘い雰囲気を感じる幼い女の子特有の声が俺の耳に届いてきた。


「エレナのこと、好き? エレナのこと、愛してる?」


 聞こえてきた内容は、舌足らずな幼い女の子の声の割には凄い内容だった。


 俺の記憶が確かなら、『エレナ』というのは紗希の上に馬乗りになっている幼女の名前だったはず。


 そうか。あの幼女は一人称を自分の名前にしてるタイプなんだな。


 いやはや、それにしても近頃の子供は大人びていると聞いているが、こんな小学校低学年のような女の子が自分を愛しているかの確認をするとは驚いた。


「ねぇねぇねぇ? エレナのこと、好きですか? 好きですか? 愛してますか?」


「「「うわぁ……」」」


 俺ら3人はさらに近付き、同時に声が出た。


 何故かというと、紗希が幼女に首を絞められているのが分かったからだ。


「なにして」


 何気なく声をかけようとした瞬間、体が震えた。

 心臓がひと際大きく跳ねる。

 数瞬、自分がどこに立っているのか分からなくなる。


 そんな錯覚のような強烈なものを感じた。


「止まろう。勘だが、これ以上近付くのはヤバイ。」


 俺はこれ以上の紗希と幼女に近付くのはやめるようと2人に言う。


 明らかにこれは近付いたらヤバいと、危険だと俺の勘が告げている。俺の勘はこういう時は大体正しい。何度もこの勘で命が救われた。


 ……つまり、この勘が働いたと言うことは俺の命に危険が迫っているのだ。

 疑問はあるが、ゾンビが溢れ怪鳥が空を舞う世界だ。用心に越したことはない。


 2人は意外なことに素直に俺の言葉に従い止まった。

 椛は驚いた顔で俺の顔と紗希を交互に見ている。椛は俺の勘の重要性・信憑性を知っている。だから驚いているのだろう。


 俺は辺りを見回す。


 特にこれといって危険なものがあるようには見えない。


 せいぜい紗希が首をエレナに絞められていて、それを小屋の影から密入国者のケーシィが見ているくらいだ。


 ……ん? 密入国者のケーシィ?


 俺は思わず目を見開き小屋の影に隠れるようにしてこちらを見ている人物を見る。

 その人物こそ最強の美貌びぼうの持ち主、あの密入国者みつにゅうこくしゃのケーシィだった。


 クソッ! 俺とした事が紗希とエレナに気を取られ密入国者のケーシィがいることに気付けなかった!

 男としての恥だと言っても過言ではないぞ!!


「まさかあの人物は密入国者のケーシィ……! 生きていたか……!! よかった……よかった……!!」


 椛も隠れている密入国者のケーシィに気づいたらしく幸せをかみしめるように言う。


 それはそうだろう。密入国者のケーシィが殺されてしまっていたら、人類の損失だ。

 密入国者のケーシィはそれほどまでに美しい。


 ……いや待て!?


 ケーシィがいつもの食堂のおばちゃんがきているようなダセェ服とエプロンをつけてない!


 オーバーオールを着ているだと!? 

 バカな! 

 自分の身体のスペックを理解していないのか!? 

 ケーシィのような巨乳がオーバーオールなんて来たらお前……暴動が起きるぞ!! 俺の中で!!


「エレナちゃん好きです……! 愛してます……!」


 密入国者のケーシィの生存とオーバーオールに心を熱くしていると、首を絞められている紗希が苦しそうに声を出した。


 そういえばいたなこいつ。


 紗希はこちらに気づいているのかいないのか、エレナの顔を必死に見つめている。


「ならちゃんとエレナだけをみてますか? エレナだけを。 ほかのひとみちゃだめ。 エレナだけみて。みてるよね?みてる?みて。エレナをみて」


「見てます見てます……! めっちゃガン見してます……!!」


「ねぇほんとにエレナだけ?エレナのことであたまがいっぱい?ほかのひとあたまにいない?ねぇ」


「いないよ……! ほんとエレナちゃん最高ですマジ天使……!!」


「じゃぁなんでさっきそこにかくれているひとにこえかけたの?エレナだけなんだよね?ねぇ?なんであのひとにこえを?紗希はエレナのものなんだよね?どうして?ねぇ?どうしてなの?なんで?どうして?なんでなの?どうして?」


「密入国者のケーシィとは知り合いで……!」


「しりあい?かんけいは?紗希とあのおんなはどんなかんけいなの?ゆるさないよ?ぜったいにゆるさない。紗希大好き大好き好き好きなの愛してるの紗希もエレナを愛してるんだよねそうだよねじゃぁどうして?どうして?あのおんなにこえかけるの?にがさないよ?にがさないエレナからはぜったいににがさないんだから紗希?ねぇどんなかんけいなのおしえてよ好きっていってよエレナのこと好きっていってよ好きって好き」


 え、何この状況?

 段々とヒートアップしてくる幼女からなんかこう黒いオーラというか殺気が感じられて怖い。怖すぎる。


「待って待ってエレナちゃん一旦落ちつこ? ね? ほら僕の眼を見て、受け入れて……あっ! そこにいるのは高希に椛にさんじゃないか!? 丁度いい所にちょっとエレナちゃんを」


 紗希は何とか幼女の手を掴み首の拘束を取る。

 そして厄介なことに俺ら3人気付いてきやがった。


 即座に横にいた椛とアイコンタクトをする。


(逃げるか?)


(勿論)


 俺と椛は赤髪を置いて走り出すため後ろに少し下がる。


「ねぇ!エレナだけをみてよ!だれがめをはなしていいっていったの!?いってないでしょ!?なんでめをはなすの!エレナだけみて!紗希はエレナだけみろ!エレナだけをみろ!みろみろみろ!はやく!!」


「ひゃぁぁあああ!!?」


 だが足を踏み出す前に紗希の悲鳴でタイミングを失う。


 幼女は紗希の手を振りほどき、また首を締めだしていた。


「……珍しいな。あいつがあんな声だすの」


「……椛にとっても珍しいのか。俺は初めて見るけどな」


 感慨深げにうなづきあう俺と椛。


 もちろん紗希を助けるつもりは一切ない。


 別に幼女にビビってるわけではないが、ほらよく言うだろ?


 人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死がなんたらって。


「βάρβαρώπηύσσειワロスΔήσοφίαβάώπη」


 そんな俺と椛に気付いたのか密入国者のケーシィが手を振ってきた。


 癒しである。


「相変わらず密入国者のケーシィは何言ってるか分からんな。……うわぁやっぱ胸でかいな。手を振ってるだけなのにバルンバルンいってるよ。バルンバルンって」


「いや高希、明らかに今ワロスって言ってたぞ。……うわぁバルンバルンだな。……バルンバルンだ」


 あの教室での地獄を切り抜けて、生きてて良かったって、今初めて思えたかもしれない。


「いやほんと愛してる! 僕はエレナちゃんをほんと愛してる!!」


「じゃぁなんでエレナからめをはなしたの!エレナのこと好きなんだよね!?ねぇ?ねぇ?ねぇ!?」


「……私が言うのもなんだが、お前ら2人は紗希を助けなくていいのか?」


 今迄黙っていた赤髪は半眼で俺ら2人を見て呆れたように言う。


「紗希だし大丈夫だろ」


「紗希だしなんとかなるでしょ」


「そ、そうか……」


 赤髪は俺らの様子に何を思ったかは分からないが微妙な顔をしていた。


「まぁ、なんだ? とりあえず、行くか?」


 赤髪は気を取り直して、というように校門を指さす。


「おう」


「そうだな」


 それについて行く為、俺と椛は振り返らずに歩き出した。





「あっ、おいコラ悪友2人!? どこに行くの!? え、この修羅場を放置!? ねぇちょ、親友2人!? 君らそんなんで「しんゆう?あいつらがしんゆうなの?しんゆうとかエレナがいればいらないよね?紗希にはなにもいらないんだよね?エレナは紗希がいればなにもいらないよ?なら紗希もエレナだけがいればいいよね?ねぇそうだよね?そうっていってよねぇ紗希愛」


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