ミシアの思い付き(語り:ケニー)

設備を一通り説明し終わったミシアは、ちょっと思案顔をした。

そして良い事を思い付いたかのように、にまーっと笑う。僕としては、悪い予感しかしないが…。


そして厨房と露天風呂の方を順番に腕で差し示しながら、甘い(と当人が思っているらしい)声を僕に向かって出す。

ミシア「ねえねえ、食事にする?お風呂にする?それとも、ワ・タ・シ?」

「は?!」

思わず素っ頓狂な声が出てしまうが、アーキルがニヤニヤしながら口をはさむ。

アーキル「なんだあ?3番目の意味分かってるのか、ぼうず?」

ちなみにルディアは意味が分からなかったようで、首をかしげている…。

ミシア「ぼうずじゃないって!ボクはれっきとした女だよ!それにこないだ15歳になったから、立派な成人だよ。ちゃんと意味分かってるって!」

アーキル・コノハ・ケニー「は?!」

確かにタニアはミシアのことを姉と言っていた。クラスタリアでは15歳で成人だということも間違っていない。

でもタニアより背が低くくて子供のようなミシアが、まさか15歳だとは思わなかったのだ。


アーキル「それで、3つ目を選ぶとどうなるんだ?」

ミシア「選ぶ?ボクのこと、欲しい?」

アーキル「おう、欲しい欲しい」

コノハ「こら、アーキル!」

コノハが怒るが、アーキルはニヤニヤしながら催促する。

ミシア「仕方ないなー。そこまで言うならー。ボクが!お兄さんたちの冒険隊パーティーに入ってあげるね!」

ミシア以外の全員「はあ?!」「ええ?!」「お姉さま、どういうことですか?!」「あら~?」

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