僕の名を呼んで(最終話)

「ほんとに??」


 嬉しかった、このままお別れすることにならなくて。またこうしてたくさん話すことができるんだって思うと今からワクワクしてくる。


『そんなに嬉しいの?君は本当に不思議なこだなぁ........普通の子なら気味悪がるところだよ。』

そんなこと言いながら、妖精さんもニコニコ顔だ。

 でもどんな風に、私を空から見つけるんだろうか。


「でも、どうやって空から私の事見つけるの?」

 私は、妖精さんに問いかける。すると妖精さんはイタズラっぽく笑って、『そんなの簡単。君がボクを呼べばいいんだよ。声に出さなくても三日月に向かってお願いすれば、ボクにはすぐ届くから。』と言った。


「ほんとに??」

妖精さんは絶対に嘘はつかない事はよくわかってる。だけど、どうしても不安になってしまって何度も聞いてしまう。


『も〜、ボクってそんなに信用ないの?大丈夫だよ。どんなに離れてたってすぐ見つけてあげる。泣いてても笑ってても、絶対に。』

 だけ彼はこんな風に、私の不安を全部取り除いてしまう。彼は、本当に優しい。


 それからどれくらい話していただろう。内容は 本当にくだらない事。例えば、ネバーランドにティンカーベルはほんとにいるのかどうかとか、フック船長は本当は凄く優しい人なんだとか。

そんな話をしていたら、あっという間に夜明け間近の時間になった。



『おっと、もうこんな時間だ。ボクもそろそろ帰らないと.....。だけどその前にちゃんとお家まで送ってあげなきゃね。』

 一人で帰るよ、と言いたいところだけれどここは空の上。人間の力ではどうすることも出来ない。だからちゃんと家まで送ってもらう。



『さ、到着だよ。色々言えてよかったね。』

 妖精さんが優しい微笑む。


「なんか、夢見てるみたいだった。でも、楽しかったよ。ありがとう。」

 私は妖精さんにお礼をして、ベッドに入った。次に目が覚めた時も、この魔法みたいなひと時を絶対忘れないようにしよう。そう思いながら、私はゆっくりと目を閉じた。

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ソラの三日月 七瀬モカᕱ⑅ᕱ @CloveR072

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