自分なりの答え
『やっと言えたね。』
私が泣きながら本音をぶちまけた後、妖精さんがかけてくれた言葉だった。いつもなら周りに否定されるからと自分の中で処理するしかなかった気持ちを全部、妖精さんは何も言わずに受け止めてくれた。
『大丈夫?落ち着いた?まだスッキリしない?』
私を心配してか、話を終えてかなり経ってもそんな優しい言葉をかけてけれている。
「ん、もう大丈夫。ありがと.....。」
妖精さんは、本当に優しい。今まで出会ったどんな人よりも優しかった。
『そう、なら良かった。どうする?ネバーランド、行く?』
妖精さんはもう一度、私にしっかり目を合わせて質問する。
自分で........答えを出さなくてはいけない。
「私は.....」
また、本音を話した時と同じような感覚がする。上手く声が出ない。それでも妖精さんは、頷きながら答えを出すのを待っていてくれる。決して、急かしたりせずに。
「わたしは......ネバーランドには、いかない......。」
私は、ちゃんと答えを出すことができた。私の答えを聞いて妖精さんは、優しく微笑んで『うん、幸せになってね。』と言った。
ネバーランドには行かないと決めたものの、大人になることに対して不安がなくなったわけではない。そんな私は、妖精さんにこんな質問をした。
「ねぇ、もしお別れしたら.....もう私たち会えないのかな.....。」
すると妖精さんはまた優しく微笑んで話し始めた。
『そんなことないよ?大人になるまでなら会うことができるよ。今日みたいな、三日月の夜にね。』
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