読み取った感情と悩み事
「なんで分かったの......?」
私は妖精さんには一度も気分が優れないことを話したことはなかった。なのに何故、妖精さんには分かってしまったのだろう。
『なんで.....か、そういえば言ってなかったね、チカラのことは。』
そう言って妖精さんは、自分の持っている【チカラ】について話し始めた。
『簡単なことだよ。ボクたち妖精には他人の感情が読める、何も口に出さなくてもね。』
そういうことだったのか。ということは、妖精さんには私の考えていることは全部筒抜けということになる。
少し、切なそうな顔をして私に問いかける。
『教えてくれない?キミが何に対してそんなに苦しい思いをしているのか。』
隠してもどうせバレていると分かってしまったから、いっそのこと全部話して妖精と別れた後にもう一度飛んでもいいかもしれない。
どうせ誰にもわかってもらえないんだから、そうでもしないとまた自分で自分を保てなくなりそうだった。
笑われてもいい、最後くらいは全部吐き出して楽にになりたかった。
「本当に聞いてくれる?」
『もちろん。』と、妖精さんは笑って答える。
私は、今悩んでいることも不安なことも全部妖精さんに話すことにした。
「大人に、なりたくない。」
あぁ、やっぱり声が出ない。
本当は大声で叫びたいのに。やっぱり笑われることが怖いのかもしれない。それに、こんな事を言ったところでなんの解決にもならないことも分かってる。
『そっか、じゃあ........』切なそうな表情のまま、妖精さんは話を続ける。
『ボクと一緒に来る?』
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