第10話

「今、容姿が違ってるって思ったでしょ?顔に出てる」


さすがに、それはわかる。

いくら何でも・・・


あの時、話をしていた女性は、お世辞にも美人とは言えない。

それだけは、どうにか覚えてる。


「答えは、憶測通り、整形したからよ」

「整形?」

「うん」

いちごちゃんは、頷いた。


「じゃあ、今の顔は整形?」

失礼ながら訊いてみた。


「正確には、元に戻したの、この顔がオリジナルだよ」

オリジナルって・・・


「さっき、16歳で結婚したって言ったよね?」

「うん」

「私の、誕生日は4月2日だから、その直後に結婚して、整形したんだ」

「何のために?」


いちごちゃんは、間を置いて答えた。


「高校生くらいまでの、男女って容姿で異性を判断するところが、あるじゃない?」

「確かに」

「だから、あの時の顔に整形したの。ブスなら誰も、言いよって来ないから」


今の発言は、世間を敵に回すが・・・


「あの時の結婚は、政略結婚だったんだ」

「政略?今時?」

「うん。詳しくは言えないけどね」


少し、寂しく微笑む女性。


「両親も、当時の旦那も反対したけどね。私は・・・」

そこまで言いかけて、言葉を飲み込んだいちごちゃん。


訊かないのが吉だろう。


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