第4話:雨の日


雨が……降っている……


 まるでさっさとなろう用の本編を書けとでも言われているようだ。


 コードでも書こうかとPCのカーソルをPyCharmに合わせて見てからやっぱりやめる。


 今日という日はプログラミング日和ではないのだろう、趣味など気が乗ったときにやるものだ。


 思えば失敗だらけの人生だった、だからといって誰が悪いというわけでもないのが一番たちが悪い、正義の味方には悪役が必要なのだ。


 そうは言っても生まれた以上生きて歩いていかなければならない、それはぬかるみでも関係なく時間の流れは足下を過ぎてゆく。


 他作品を読むという選択肢もあるのだろうが生憎私は人のものを見ても劣化コピーしか作れないボンクラなので余りアイデアの足しにもならない。


 異世界転生ものを書くにはまず設定が必要だがこれが全くもって苦手なんだ。


 異世界なんだから自由に設定すればいいのだが異世界の言語や生活様式などを考えるとたまらなく面倒になる。


 そういうわけで現代日本が舞台になる、取材も何も要らないからね。


 こういう思考が行き止まりにぶち当たったときに限って、やることがないため延々考え込んでしまう。


 ドリップしたコーヒーを飲みながらキャラクターの設定に思いをはせる、まあ現実逃避とも言うのだが……


 こうしている間にもさっさと主人公を異世界転生させてしまえば楽なのだろう……楽なのだろうが納得はいかない。


 そうこうしている間に時間はどんどんと過ぎてゆく、休日だというのに一向に書くものが進まず、このエッセイが無駄に続いている。


 時々自分の正気を疑うときもある、そんなときは服薬でどうにかなっているが、これは一生続くらしい。

 一生とは言え人は一千万年も二千万年も生きるものじゃない、せいぜいあと数十年だと思えば割り切れるものだ。


 グレッグ/イーガンは死を望むことを否定する作品を書いているが少なくとも人類が宇宙に出るまでは人はいつか死ぬ事に変わりは無いだろう。


 最終的には誰もが死ぬのだから生きている時間をどう使うかは本人の自由だろう。


 こういう非生産的な文章を書くのだって楽しいと言えば楽しい。


 おそらくみんなが読みたいのは主人公が最強だったり努力したりしてざまぁや俺TUEEEEEEEEEEをお望みなのだろう。

 申し訳ないが渡した八草の需要に応えられそうにない。


 世界が閉塞的だとついつい書く文章も閉塞的になってしまう。


 では、空が落ちてこないことを祈りつつ〆とさせていただく

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