第1話 恋愛について




「恋愛って、いったい、何なんだー!!」




そう叫び、荒い息を吐いている俺を周りの人達は、白い目で見る。


ああ、いくらでも白い目で見てくれ。


それで、俺の悩みが消えるのならば。




学生時代から仲の良い康平が言う。


「浮かない顔をして、なんか悩みがあるんか?俺で良ければ相談に乗るぞ。なんでも話してみろよ。」


相談?話す?


こんな恥ずかしい事を話すのか?


「実は、俺……不感症なんだ。エッチをしても感じないんだ。」


そう言えってか?!


冗談よしこちゃん(死語)だろ。


どうせ、笑われてバカにされるだけさ。


死んでも言うものか!




死んでも……。




そう…いっその事、死にたい気分だ。


なんで、こんな恋愛ごときに悩まなくてはいけないんだ。


そうさ。


それなら、もう恋愛なんてしなければいいんだ。


人を好きにならなければ、こんな悩みからも解消されるんだ。


そう……半分、ヤケクソな気持ちで、俺は、毎日を過ごしていた。

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その男、不感症にて こた神さま @kotakami

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