第一章 復讐の幕は開かれた
アパートに戻った駆は、シャワーを浴びると、パソコンを開く。
『殺して欲しい人がいます。報酬は、500万。』
そのコメントを光のない瞳で見つめ、駆は、返信をする。
『私の名前は、K。その依頼が本当ならば、明日の夜、10時に、クラブ【ミッドナイト】で、お会いしたい。その時に、詳しい話をお聞きしたい。』
送信して、間もなく、返信がきた。
『本当に、殺してくれますか?』
カチャカチャとキーを押す音が響く。
『もちろんです。この事は、くれぐれも他人に話さないように。もし、話したら、あなたも死ぬことになります。いいですね?』
10分ほどで返事がきた。
『分かっています。』
『では、明日の夜10時に。』
駆は、パソコンを切ると、隣の部屋へ向かう。
薄暗い部屋の中、衣装ケースの前に立ち、ケースのファスナーをシュッと下ろす。
「500万か………悪くない。」
そう呟いた駆の顔は、無表情だったが、その瞳は、鋭い光を放っていた。
-第一章 復讐の幕は開かれた【完】-
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