第36夜 綺麗好きな祖母

私の祖母は、広い一軒家に一人で暮らしていました。

祖母の家はとても古い家でしたが、祖母が毎日綺麗に掃除をしていたので、不潔な感じは全くありませんでした。


私は小さい頃、親の仕事の都合で、祖母の家に度々預けられていました。

祖母は、いつも忙しそうに家中を雑巾で拭いていました。

「おばあちゃんは綺麗好きなのよ」

と母は言っていました。


私が中学に入ってすぐ、祖母が亡くなりました。

死因はおそらく老衰で、孤独死でした。

発見された時、死後1週間ほど経っていたそうです。

1週間、祖母に掃除されていなかった家は、黒い手形と足跡だらけだったそうです。

大きさは大人のものから小さな子供のものまで様々で、床と壁一面に付いていたそうです。

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