第37夜 おばあちゃん
4歳になる娘が
「お墓に行きたい」
と言うようになりました。
理由を聞くと、
「おばあちゃんが行こうって言うの」
と言うのです。
娘の祖母である私の母親は県外に住んでいてしばらく会っていませんし、夫の母親は夫が小学生の時に亡くなっています。
夫に相談すると、
「そういえば墓参りに連れていったことなかったな。母さんが会いたがってるんじゃない?」
と言われ、娘を連れて墓参りをすることにしました。
週末、私たち家族3人でお墓に向かいました。
義母のお墓の前で手を合わせ、私は娘の成長を見守ってくださいと祈りました。
帰りの車で娘が、
「ばぁばがいたよ」
と言いました。
「ばぁば、何て言ってた?」
と私が聞くと娘は言いました。
「『私じゃない』って」
私はその時気が付きました。
義母は夫が小学生の頃、30代で亡くなっています。
『おばあちゃん』であるはずがないのです。
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