第7夜 駅のホーム

残業を終え、最寄り駅のホームで同僚と終電を待っていた時のことです。

夜遅かったこともあり、人はまばらでした。

ふと向かいのホームを見ると、女性が1人、うずくまっているのが見えました。

女性を指差しながら

「あの人どうしたのかな?」

と同僚に言うと、同僚は

「ん?どの人?」

と言います。

「あそこにうずくまってる女の人だよ。黒いワンピースみたいなの着てて、髪が長い人」

「え?そんな人いる?」

「いるよ。ベンチの横の方」

「本当にわからない。どの人?」

同僚は本当にどの人かわかっていないようでした。

「ちょっと待って。スマホで撮るから」

私はスマホで撮影して画像を指差して教えようと思い、向かいのホームにレンズを向けて、シャッターボタンを押しました。

カシャ、と音が鳴った瞬間、スマホの画面が真っ暗になりました。

「あれ?電源落ちた」

私は何やら嫌な予感がしましたが、すぐに電源ボタンを押して、スマホを再起動しました。

撮った画像を確認すると

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

と叫んでスマホを落としてしまいました。

写っていたのは女の大きな顔面、大きな2つの目がこちらを睨みつけていました。

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