第7話 凪沙の誕生日 中編


「ありがとうございました」


女性の店員に見送られ、最後の一つだった人気のメロンパンをやっとのことで手に入れることができた。

袋に入ったメロンパンを持ち、凪沙の家に向かうがその途中に気になるものがあった。


ー可愛いネックレス。凪沙がつけたらきっと似合う。


小さくメロンパンの形をしたシルバー色のネックレス。凪沙はすごい喜びそうで俺も嬉しくなる。


俺はネックレスを手に取り、値札を見る。15000円。少し高いが、凪沙の喜びとでは安いと思い買うことを決意した。


メロンパンとネックレスを買い、凪沙の家の前まで来た。インターホンを鳴らし、少し待つ。すると、凪沙のお母さんがドアを開け、入れさせてもらった。


「お邪魔します」


「さっちゃんは家族みたいなものだからそんな毎回礼儀正しくなくていいのよ。あっ、さっちゃん、もしかしてそれって凪沙のプレゼント?」


「えぇ、今さっき買ってきました」


「さっちゃんのプレゼント、きっと凪沙喜ぶと思うわ。ありがとね。夜は凪沙の誕生日ケーキあるから一緒に食べて欲しいな」


「お言葉に甘えてご一緒します」


「泊まってても大丈夫よ」


「それは...考えときます」


恥ずかしながらそう言い残し、2階の凪沙の部屋へ向かった。

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