第4話 朝


「凪沙朝だぞ」

「💤」


朝7時30分、俺が凪沙に電話をかけなければ、まず起きることはない。3回目でやっと凪沙は電話に出たかと思いきやすぐさま寝息をたててそのまま寝てしまう。


「おーい起きろー。学校行くぞ」


「ん、、」


全く起きる気配がない、いつものことだが、凪沙が起きるには起こしに行かなければいけない。


俺は凪沙の家のインターホンを押し、部屋に上がらせてもらう。お母さんにはそのたびいつも「凪沙をよろしくね〜」と言われる。凪沙の母親も似ている部分があり、マイペースなところがある。


「凪沙来たぞ」


「...ん...さっちゃん...」


凪沙の部屋に入ると甘い香りが鼻腔をくすぐる。ピンク色を基調とした部屋でベッドや家具全てがピンク色である。


凪沙はまだ起きる気配がないので、カーテンを開け、布団をめくる。ここまでしないと凪沙は起きない。


「眩しい...寒い...眠い...」


目を擦りながら少しずつ体を起こしてきた。


「学校もうすぐでテストで、また赤点取っちゃうぞ」


「さっちゃんおんぶ...頑張って学校行く...」


「はいはい」


俺は凪沙を背負い、リビングへと向かう。すると凪沙が耳元で囁く。


「赤点取ったら...さっちゃんも私に付き合って..赤点取っちゃうから...さっちゃんのためにも頑張る...」


昨年そんなことがあったな、それを凪沙は気にしてくれてたんだな。。こんないい子ほかにいないと心から思った。


リビングで凪沙を下ろし、俺は玄関で待つ。その間に母親が着替えさせ、ご飯を食べさせて、凪沙の準備をさせる。


「凪沙をよろしくね〜」


また、凪沙の母親にそう言われ、凪沙をおんぶしながら学校へ向かう。


「さっちゃん...今日も天気が良いね...」


凪沙はそう言い、寝てしまった。この日々がずっと続けばいいと心から願う。

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