第3話 トイレ


「さっちゃんトイレ」

「俺はトイレじゃないぞ」

「知ってるもん」

「わかったよ。連れて行けばいいんだろ」

「うんっ」


凪沙はどこに行くにしても俺が付き添わないと何もできない。それはトイレだとしても凪沙1人では行くない。


「💤」

「って寝るな。トイレ行きたかったんじゃなかったのか」

「トイレに行きたいけど眠い。さっちゃん抱っこ」

「い、今は無理だろ。バカ言うな。変な目で見られるぞ」

「さっちゃんのいじわる。もういいからトイレ連れてって」

「わかったよ」

「よろしい...💤」


また眠ってしまった凪沙を俺は肩に手をまわさせ、立ち上がらせる。

そして、トイレに連れて行った。

トイレの前まで運ぶと凪沙は自分でトイレまで行くが、個室で寝てしまうので電話を鳴らして起こしてやる。その度にトイレ中に音量を最大までにしたアラームが鳴り響くので周りの生徒たちは迷惑している。

凪沙がトイレから出てくると倒れそうなくらいにうとうとしているので来た時のように席まで運ぶ。これが凪沙がトイレするまでの一連の流れ。

めっちゃ疲れた。


「さっちゃんありがと」

「お、おう」


可愛い顔でそう言われてしまえば何の文句も言えないのだからズルい。

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