第16話

 あの夜から幾らかの朝と夜が過ぎた。その間にもいろいろなことがあったけれど(アニマが現れてからというもの、何もない日なんて一日としてなかった)、それはまた別のお話。

 その日、僕がいつものように昼番で工場に行くと、入り口でアスチルベ爺さんに呼び止められた。

「工場長がお前に出勤したら工場長室に来るように言っておったぞ。荷物を置いたらすぐ行きなさい」

「グラジオラス爺さんが? 何の用事なの?」

「さあのう。そこまでは聞いとらん。とにかくすぐ行きなさい」

 爺さんは机の上に日記帳の白紙のページが開かれている。きっと昨日のことを日記に記すつもりなのだろう。

 僕はとりあえず工場長室へと向かった。

 工場の脇に事務棟があり、その3階に工場長室がある。事務棟には給料日以外にはめったにこない。1階が受付と総務室になっていて、2階が営業室だ。工場内に比べて、ここにはきちんとした身なりの人しかいない。総務室の人はみんな机に向かって黙々と仕事をしているし、営業室にはほとんど人がいない。同じ場所に勤めていても、仕事の内容によって働き方は様々なのだ。僕は受付の女の人に用件を伝え、そのまま階段で3階に上がった。

 工場長の部屋のドアが開きっぱなしになっていた。中を覗くと営業室の人らしい男の人3人が、大きな机越しにグラジオラス爺さんに向かって話していた。

「地力の生産量が年々低下しており、それにともなって料金の値上げを余儀なくされておりましたが、いまだに生産量の改善がされておらず、料金も上がる一方です。一般の消費者は言うにおよばず、主な取引先工場からも不満の声が多くあがっています」

 3人の男の人の中で一番位が上だと思われる白髪まじりの初老の男がグラジオラス爺さんに訴えかけていた。両脇に立っていた2人も真剣な表情でうなずいている。

 グラジオラス爺さんは机の上にうずたかく積まれた書類のひとつひとつに目を通しては判をつくという作業を続けながら相槌を打っていた。

「このままでは工場組合を通じてなんらかの法的な訴えを起こされることは目に見えております。至急なんらかの対応策を立てておかないと……」

「それについては既に技術部にはっぱをかけて地力の生産効率を上げる技術開発を依頼しておる」

 グラジオラス爺さんは書類から目を上げずにそう答えた。

「それはもう何年も前からおっしゃっていることではないですか。いまだに改善が見られない以上、何か他の対策を立てることが急務なのです」

 初老の男の人の語気が荒くなる。それに併せて両隣の男の人も大きくうなずいた。

「そうは言っても、生産効率が上がらなければ料金の引き下げは現実問題として不可能なんじゃよ。お前さんもその辺りはよくわかっておるだろう?」

「ですが工場長、我々営業室の人間にとっては何か明るい知らせがない以上、これ以上販路を拡大することは不可能なのです。取引先の工場も地力の料金引き上げに困窮し、工場を閉鎖していくところも出てきているのです」

 営業室の男の人は真剣な表情で訴えている。グラジオラス爺さんは印鑑の柄で耳の横を掻き、大きくため息をついた。

 僕は声をかけるタイミングを逃したまま呆然と戸口に立ち尽くしていた。営業室の初老の男の人の脇に立っていた眼鏡をかけた若い男の人が僕に気づき、「室長」と初老の男の人に声をかけて僕を示した。それを機に部屋にいた全員が僕の方を見た。

「おお、カイウか。そんなところで突っ立っとらんで早く入りなさい」

 グラジオラス爺さんにうながされて、僕はそそくさと中へ入った。

「お前を呼んだのはな、うちが地力を供給している工場で導管にトラブルがあっての。早急に交換をしなければならんらしいのだ。すでに何人かの外部工員が向かっておるが人手が足らんらしくての。ちょっと手伝いに行ってくれ」

「トラブルって…どんなトラブルですか?」

「知らん。とにかく人手をまわしてほしいってことだ。そこの工場の担当営業はそこのイガナスだ。一緒に行って説明を受けてくれ」

 先程の眼鏡をかけた男の人が僕に向かってにこっと笑った。

「よろしく」

 とイガナスさんは言った。とても温和な顔立ちをしていて、肌が白くてつるんとしていた。僕は小さくお辞儀をした。まだ状況がうまく飲み込めていなかった。

「僕が彼に説明をしておきます。それでは、お先に失礼します」

 イガナスさんはグラジオラス爺さんや営業室長に丁寧に礼をすると僕を連れて工場長室をあとにした。


 イガナスさんのあとについて、僕は工場を出た。工具を取りに戻りたかったけれど、なんとなくしりごみをして言い出せなかった。イガナスさんは速い足取りで露店の脇を通り抜け、工場が密集する区画へと向かった。僕は初めて仕事中に工場を出たことに戸惑いながらイガナスさんに離されないように足取りを速めた。

 細い路地に入って人通りが少なくなってきたところで、イガナスさんが僕に話しかけてきた。

「びっくりしたでしょ? いきなり工場長室に呼ばれたと思ったらあんな話をしててさ」

 僕はどう答えてよいかわからず、とりあえず苦笑いを浮かべた。

「もともとは僕一人が工場長室で君を待つことになっていたんだ。でもうちの室長が工場長に直談判に行くっていうんで一緒に来ることになったんだ」

 イガナスさんはにこやかに笑って言った。

「いろいろと大変なんですね」

 と僕はとりあえずの言葉を言った。

「まぁ、ね。あれは演劇みたいなものだけどね」

「演劇?」

「そうだよ。うちの営業室も最近成績が伸び悩んでいてね。だから原因をよそに持っていくことで面目を守ろうとしてるんだよ。『うちも出来る限りのことはしているけど、うち以外に原因があるんじゃあどうにもなりませんよ』ってね。もちろん、料金の問題がどうにもならないってことは室長だって知っているし、料金の問題が解決したってそれほど急激に成績が上がるわけでもない。取引をする工場の絶対数は決まっているんだしね。でも、なんとか真剣に努力してがんばっているってポーズは見せなくてはいけない。だから工場長に直談判をしたんだ。そして工場長だってそういった事情は全部把握してるんだ。だから演劇なんだよ。みんながそれぞれの役を演じているんだ」

 イガナスさんは笑顔をくずさずにそう言った。

「そんなにうちの工場は経営がうまくいってないんですか?」

 僕はおそるおそる訊いてみた。

「とんでもない。うちはうまくいっているほうだよ。なんたってエネルギーを供給しているところなんだからさ。他の工場が経営不振でつぶれたとしても、うちはそう簡単にはつぶれないよ。それに、うちはグループ企業だからね。ここだけじゃなく世界中に地力工場があって、それらがすべて提携してるんだ。だからそう簡単にだめになったりはしないよ。だから僕はこの会社に就職したんだ。ここだったらよっぽどのことがない限り将来安心だからね。そういうことは知らなかったの?」

 僕はうなずいた。親戚の紹介で入っただけで、そういったことは何も聞かされていなかった。イガナスさんは「ふうん」と言っただけで、特にそのことについて追求したりはしなかった。

「そういえば、まだ名前を訊いてなかったね」

 しばらくしてイガナスさんは僕にそう言った。

「カイウ、です」

「君はずいぶん若く見えるけど何歳なの?」

「16です。今年17になります」

「16かぁ、僕より10も年下なんだね。僕も職場では若いほうだけど、君と比べるとずいぶん歳を取ったように感じるよ」

 そう言ってイガナスさんは感慨深げなそぶりをした。

「学校はやめちゃったの?」

「…行かなかったんです。いろいろあって」

「そっか…。ごめんね、なんか質問ばかりしちゃってるね。工場区の人と話をする機会があまりないものだから、ついつい余計なことまで訊いてしまったよ」

 イガナスさんは申し訳なさそうな顔をした。僕は苦笑した。悪い人ではないのだ、と思う。そしてどちらかというと、僕はこの人に好感のようなものを抱いていた。

「カイウ君のほうからは何か質問はあるかい?」

 イガナスさんはにこっと笑って言った。

「僕がこれから行く工場は何を造っているところなんですか?」

「綿織物の工場だよ。糸を紡いだり布を織ったりしているところさ。綿製品を手広く生産している比較的大規模な工場だよ」

「導管のトラブルって聞いたんですが、どんなトラブルなんですか?」

「実は僕も詳しいことはわからないんだ。管の一部から地力が漏れ出していたらしくて、そこを丸ごと取り替えなくちゃいけないんだって。腐食じゃないかって言ってたけど、調査を担当した工員も実際に掘り出してみなくちゃわからないって言ってたよ」

 そんな話をしているうちに、僕たちは目的の工場に着いた。白壁に覆われた四角い大きな建物だった。小さな窓が規則正しく並んでいる。

 正面の門から中に入り、受付のある事務室に向かった。イガナスさんが受付の女の人に来た目的をつげていると、奥から不精髭をたくわえた大柄な男の人が出てきた。

「早いとこなんとかしてくれねぇと困るんだよ。お前んとこの工事のせいで生産ラインがストップしちまってるんだから。高い料金払ってるんだからきちっとやってくれよ」

 男の人はかなり苛立った様子で言った。

「社長、この度は誠に申し訳ございませんでした。早急に対応させていただきます」

 そう言ってイガナスさんは深々と頭を下げた。

「毎月毎月定期点検やってたじゃねぇか。どうせ適当に手ぇ抜いてやってたんだろ?」

「決してそのようなことはございません。とにかく、至急生産を再開できるようにさせていただきますので…」

 社長と呼ばれた男の人は舌打ちをして再び奥へと引っ込んでいった。それから僕とイガナスさんは事務室をあとにし、作業が行われている現場へと向かった。

 工場の裏手に回ったところに動力室があり、その脇で数人の男の人たちが地面に穴を掘っていた。

「レンギョウさんおまたせしました。一人助っ人を連れてきました」

 グラジオラスさんは現場監督の男の人に僕を紹介した。

「グラジオラス遅ぇよ! しかもガキなんか連れてきてどうするんだよ! 俺に子守をしてろってのか?」

 レンギョウと呼ばれた現場監督は割れた大きな声で怒鳴った。レンギョウさんはびっしょりと汗をかいていて、真っ黒に日焼けした身体は僕に熊を連想させた。レンギョウさんの口振りにはぴりぴりとした現場の空気が詰め込まれていたが、怒りや苛立ちといったものとは少し違っていた。

「それじゃあ僕はもう行くから、あとは現場監督の指示に従ってね。それではレンギョウさん、みなさん、失礼します」

 そう言ってイガナスさんは行ってしまった。僕は見知らぬ人たちの中に取り残されて急に心細くなった。

「おいボウズ、道具は持ってきたのか?」

「いえ…」

「何考えてんだよ。手伝いに来るんだったら頭回して道具くらい持って来いよ」

 僕はそれについて言い訳をしたかったけど、言い訳をするとかえって怒らせてしまうと思い、喉まで出かかった言葉を飲み込んだ。だから僕は黙って頭を下げた。

「そこの袋に予備のシャベルと手袋が入ってっから、それ使って穴掘りを手伝え。昼までに掘らなきゃいけねぇんだから気合入れてやれよ」

 僕は返事をして麻袋に入っていた年季の入ったシャベルを取り出し、手袋をつけてほかの人たちと一緒に穴を掘った。

 日差しが容赦なく照りつける。穴を掘る人は僕のほかに2人いて、2人とも僕よりずっと年上の人だった。僕たちは黙って穴を掘り続けた。汗が服をびっしょりと濡らし、慣れない作業で腕がすぐに痛くなった。しばらくして僕の隣で穴を掘っていた男の人が首にかけた手ぬぐいで汗を拭きながら話しかけてきた。

「そうやって腕の力だけで掘ってるとすぐ疲れっちまうぞ。もっと膝を使って掘るんだよ」

 そう言って男の人は僕に見本を見せてくれた。試してみるとずいぶんと楽に掘れるようになった。僕は男の人にお礼を言った。男の人は片手を上げてそれに応えてくれた。

 楽に掘れるようにはなったとは言っても、やはり穴掘りはきつい作業だった。強い日差しが身体の上に重くのしかかる。

 ほかの2人はそれぞれ自分の水筒を持ってきていて、頻繁に水分をとっていた。もちろん僕は水筒など持ってきてはおらず、水を飲む2人を横目で見ながらツバを飲み込んだ。

 突然、レンギョウさんが僕に水筒を投げてよこした。

「こまめに飲んどきな。ぶっ倒れんじゃねぇぞ」

 それだけ言うとレンギョウさんはそれまでしていたように何かの書類に目を通していた。水筒には雑な字で『レンギョウ』と書かれていた。それで僕はなんとなくレンギョウさんのことが好きになった。口は悪いけど、決して悪い人ではないのだ。

 休むことなく掘り進めて、昼前には導管が姿を現した。錆び付いた管には穴が開いていて中の配線が剥き出しになっていた。

「こりゃあだいぶ傷んでるなぁ。何しろ古い管だからライニング管も使われてねぇしひでぇもんだ。こりゃあ総取っ替えが必要かもな」

 レンギョウさんが難しそうな顔をして言った。

「俺は上のヤツや工場主と相談してくるからよ。お前らは午後の作業に備えてちょっと早く昼休憩に入ってくれや。それからボウズ、お前ちょっくら近所の弁当屋に行って人数分の弁当を買ってきてくれ」

 そう言ってレンギョウさんは僕にお金を手渡し、走ってどこかへ行ってしまった。僕は疲れた身体を引きずるように工場の門を出た。

 見慣れない風景の中を歩きながら、ふとエリカのことを考えた。エリカもきっとこんなふうに、明るい街の中を歩いてみたいんじゃないだろうか。好奇の眼や憐れみの情におびえることなく、自由に暮らしたかったんじゃないだろうか。…そうじゃないわけがない。

 僕は目についた弁当屋で弁当を買い、現場に戻ってみんなに分けた。遅れてレンギョウさんがやってきたので、僕はレンギョウさんに弁当とおつりを渡した。

「とりあえず、今日のところは応急処置として穴の開いてるところだけ修復しろとのことだ。パイプの総取っ替えは日を改めて行うとよ」

 レンギョウさんは少しいらいらした様子で言った。

「それじゃあまた今度おんなじ場所を掘り返すんですかい?」

 僕の隣で穴を掘っていた男の人がうんざりした様子で言った。

「いいや今度はもっと大規模な工事になるさ。詳しい日程や作業内容は本部の人間が調査してからだとさ」

 レンギョウさんは弁当をほお張りながら言った。男の人はやれやれといった様子で首を振った。

「ここの工場長は工場の日程に合わせて工事しろってよ。納期がせまってる仕事があるからすぐにでも作業をしたいってことだ。まあ当然だな。だがこのままほっとくとまた同じことが起こりますよって言ってやったんだ。そしたら工場長が怒っちまってな。イガナスの野郎がなんとかなだめてくれたが、『そっちの手落ちだろ!』ってもうかんかんよ。本部は本部で決裁を上げてからでないと作業はさせられないって言うし、俺らは結局お客様や上の言う通りに動くしかねぇからな」

 レンギョウさんはどこか釈然としない感情を無理やり押さえつけようとしているように見えた。僕は何も言わずに弁当を食べた。

 導管の穴をふさぐ作業は僕以外の工員がしてくれた。みんな手慣れた様子でてきぱきと穴を埋めてその上から簡易のコーティングシートをかぶせた。僕はその手早い作業を感心しながら眺めていた。僕の隣ではレンギョウさんが、やはりどこか納得いかないといった様子で作業を見つめていた。

 導管の穴埋めが終わると、今度は掘り起こした土を導管の上にかぶせた。僕も作業に加わったが、土を掘り起こす作業よりもずっと楽だった。それでも、作業を終えるころには大量の汗をかいていた。

 かぶせた土をならしているときに、イガナスさんがやってきた。イガナスさんは作業をしている僕に向かってにっこりとほほ笑むとレンギョウさんの隣に行き、小声で話をした。レンギョウさんは時折うなずいたりしていたが、終始むずかしい顔をしていた。僕はなるべく気にしないそぶりで作業を続けた。

 もうすぐ土をならし終わるというところで、レンギョウさんが僕を呼んだ。

「ボウズ、ご苦労さん。もうあがっていいぞ。イガナスと一緒に工場に帰んな」

 僕は最後まで仕事をしたかったが、イガナスさんの予定もあるのだろうと考えて借りていた道具を返すとしぶしぶ現場をあとにした。帰り際にレンギョウさんが「またな」と言ってくれた。一緒に働いていた人たちも笑顔で見送ってくれた。そのことがとてもうれしかった。

 工場への帰り道、イガナスさんが僕に話しかけてきた。

「今日は慣れない仕事で疲れたでしょ。ご苦労様。今日はこのままあがっていいそうだよ」

「イガナスさんこそお疲れさまでした。今日はなんだか大変だったみたいですね」

「僕は毎日こんな感じだよ」

 そう言ってイガナスさんは頭を振った。

「毎日誰かに頭を下げてるんだ。上司や、お客さんや、現場監督。あっちに行っては謝り、こっちに行っては怒られる。その繰り返しだよ。そのうち頭を下げ過ぎて腰が曲がっちゃうんじゃないかな」

 そう言ってイガナスさんは笑った。僕も笑おうとしたが、うまく笑えなかった。それを見てイガナスさんは少しさみしそうな顔をした。

「仕事は辛くないですか?」

 しばらくして僕は訊ねてみた。

「辛くない仕事なんてないよ」

 イガナスさんは笑顔で答えた。

「辛くない仕事なんてないし、楽しい仕事なんてない。だってそれでお金をもらっているんだからね。ただ、どんな仕事にも言えることだと思うけど、仕事の楽しみ方はあるって僕は思うんだ」

「仕事の楽しみ方?」

「そう。僕に関して言えば、僕はこの『営業』っていう仕事をパズルゲームだと考えるようにしているんだ。お金と、時間と、人の心を組み合わせるゲームだ。うまく組み合わせることができれば成功。僕は『信用』というコインを得ることができる。失敗すれば、僕はコインを失う。そうやって手持ちのコインを増やしていくゲームなんだよ。自慢じゃないけど、僕はその手のゲームが結構得意なんだ」

 イガナスさんの話の半分は理解できたが、半分は理解できなかった。それでも、僕はイガナスさんの考え方は好きだと思った。どんな仕事にも楽しみ方があるのだ。

 工場の門のところで、僕はイガナスさんと別れた。イガナスさんは事務棟に向かい、僕は自転車置き場へと向かった。

 自転車で家へと向かう坂道を上りながら、僕は今日一日の出来事を思い返していた。慣れない仕事でへとへとに疲れていたけれど、なんとなく、幸せな気持ちになっていた。

 家の脇に自転車を立て掛けていると、家の中から楽しげな笑い声が聞こえてきた。ドアを開けるとエリカとアニマが向かえてくれた。

「おかえりなさい。今日は早かったのね」

 エリカが言った。

「ただいま。今日はいろいろあって疲れたよ。ところで今日の晩ごはんは何?」

 と僕は言った。

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