第5話長すぎるよ
このまま神くんを呼んであっちの世界に行ったら 絶対に神くんに笑われる 。
それだけは回避しなければならないと決意し、今色々と試行錯誤中だ
「⦅ジョブ》については諦めよう、剣も棒も無いしね。
⦅スキル》だけでもどうにかしないと僕と神くんの関係にかかわる。」
方針を決めた僕はあらゆるものに向かって⦅把握》を使っていった。
真っ白で広い空間 真っ白で凹凸のない床 筋肉の少ない男性の足 女の子みたいと言われる腕 女の子みたいに細いとよく言われる指。
あまりの結果に足から力が抜けて床に手をついてしまった。
「これはどうしようもなくないかな?
⦅把握》はこんなだし⦅同調》が使えるような対象がないし⦅剣士》についてはどうしようもない」
このままだと本当に神くんに慰められてしまう。
それはどうにかして避けたい。あの明るく優しい顔で慰められてしまった時には、もう心が折れて二度と忘れない深い傷になってしまう。
そしたら異世界転生どころ話ではなくなってくる。
僕はやけになって⦅把握》使いまくりながら、視界を閉じてとにかく考えた、解決策を。
………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………z…z………………zzz……………………
そして思考の邪魔をする雑音、うるさいっ!!!!!じゃなくて!
「何かが鳴ってる!」
驚いた僕は、今度は集中して地面に⦅把握》を使っていく
………………………………………………………………
…………z…zz…………zzzzaazazaza…………………
そして気づいた
この真っ白な地面には何かが流れているということに
そこからはずっとその流れを捉えることに集中し、安定して捉えることができるようになるまで⦅把握》を使い続けた。
zz…………zazza…z……………………zza……………
……………………zazazazazzzaaazz………………zaza
………zazazazazazazazazazzzzzzzzzazazazazaz……
こんな感じの音をずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと。
途中から気がおかしくなりそうにもなったけど今では
saaa〜〜saaa〜〜saaa〜〜saaa〜〜saaa〜〜
と安定して捉えることができるようになった。
さっきまでの⦅把握》使用で時間感覚が麻痺してしまったのを感じるけど、まぁ仕方ない。
地面の音を安定して聴けるようになってからだいぶ長い時間?が経ってそこまで意識しなくても流れを聴いていられるようになった。多分長いと思う。そんなに経ってないかもしれないけど。
まぁこれも聴こえるだけでどうすることもできないけどね。
そして今度は地面に⦅把握》を使ったまま他のものに使えるかを試してみた。結果は自分以外のものには使う事は出来るけどほぼ不可能という感じだ。
同時に地面と自分に⦅把握》を使うと、地面から流れを聞くのが格段に難しくなる。
saa……li……sa……salili…………lisasasa……lilili…saa
こんな感じで雑音が混じってうまく聴けない状態を抜けだせないでいる。
自分への⦅把握》を解除すれば問題なく聴けるようになるんだけどね
「なんなのかな〜〜このliliって音。
気にしなかったけどなんで地面から音が聞こえるのかもわからないままだし」
集中が途切れてしまえば眠気が一気に頭を支配していく。抗う気にもなれずにあっさりと白旗を振り意識を手放す事にした。思えば最初の空間で目を覚ましてからずっと意識が覚醒しっぱなしだ。
「(音とは何かが空気を振動させ、震えた空気が耳に届くことで発生するんだよ。つまりは振動させる物と振動するものがなくては音は発生しないってことだね。「そんなことは小学生で習いますよ。高松先生〈飛紙の高校の担任・飛行機事故で亡くなったが悔いがあったためまた地球に転生する予定〉」)」
僕は、修学旅行の飛行機離陸時の爆音で騒いでいるクラスのみんなにドヤ顔で話してクラスのみんなから笑われた国語担当である高松先生のことを夢に見ていた。
元の世界での日常を思い出し、自然と顔が緩む
「ありがと高松担任。高松担任は空気を読むのが苦手でよくみんなから笑われていたけど、不思議とタイミングは外さない人でしたね。忘れてましたよ。」
僕はもう一度地面に《把握》を使い音を聞いた
saa……saa……saa……。
「これが地面に流れている何かの音」
地面へのスキルを解除し、自分にだけ向けて《把握》を使用。
「〈把握》を使ってないときに聴こえてこないと言うことは、僕の体にも地面を流れる何かと同じような何かが流れてあるはずなんだ。」
トックン、トクントックン、トクントックン、トクン
「これは心音で僕の聴きたい音じゃない。感覚は地面に流れる何かを聴く時と同じはず」
lili……lilllll………lilllli……lilllli……lilllli……lilllli……
「そうこの音。この音の出してる何かは僕の体の中にある。なら何か自体も僕は本来把握することができるはずだ。いや自分体の一部を把握できないはずがない」
僕は音を出している何かを自分のものであると思い込むと同時に深く理解しようとした。
「……よしできた。身体中に流れてる」
そこからは簡単だった
体にある何かを完全に把握することができたなら、あと自分の体を動かすのと同じように何かをコントロールする練習をするだけだからね。
えぇ死にかけました。何回も死にかけた。
今の僕は死んでるけど確かに昇天しかけた感覚がある。
あのあと体に流れる何かの速度調整はすんなりできた。
だけど元々の流れに少しでも反発したら最後、身体中の何かが通る管に穴ができて、たれ流しの状態になる。
最初一箇所に多く集める実験をした時にこの状態になりかなり慌てたね。
身体中の何かがほとんど出たところで昇天する感覚に襲われ、急いで残りの何かを把握してコントロールし自分で自分の身体に何かを循環させる。
循環させ続けると管の傷が治るのを感じたので、スキルを解除してから疲労で思いっきり寝た。
この時気がついたことが二つ、
1
寝たら身体中の何かの総量がほぼほぼ元どおりになっていたこと
2
死にかけると精神的ストレスで眠くなること
流れに極力逆らわないように何かを自在に操る練習をしては垂れ流しになり、循環、睡眠、回復を幾度となく繰り返してようやく完全に操れるようになった。
今では一箇所に集めた後体外に放出もできる。威力はゼロだけどね。地面に放ったら当たった瞬間に霧散して地面に溶けていったし。
何かは空気中に出た直後は⦅把握》のスキルを使って感じる事ができるけど、時間が経つと薄くなっていき感じられなくなる。
感じれると言っても何となく感じるだけで、しっかりとは感じられない。
⦅把握》が力を発揮するようになってからは⦅同調》もすぐその力を発揮した。
⦅把握》で地面の何かを認識し⦅同調》使って地面の何かに僕の何かを同調させることができた。
つまり僕の何かの音を地面の何かの音にすることができるようになったてこと。
そして地面に⦅同調》させた僕の魔力を流して、僕を中心に数十メートル、薄くではあるが魔力を伸ばすことにも成功。
逆に地面の何の流れを僕の体に流れるようにコントロールして体内の何かの総量を増やす事にも成功した。
最初はこれをすると体が破裂しそうになったけどね。
ちなみにその時何かの管は何回も破裂させた。死にかけたね。何回目からかは慣れて問題なくなったけどさ。
そこからさらに⦅把握》を使い何かが伸びている範囲を把握し、そこまでは僕の身体と曲解する
「だって僕の身体に流れているはずの何が流れているんだから、流れているところは僕の身体の中であるはずだろ?」
という暴論でのゴリ押し。
すると範囲内を全てを把握できるようになった。
これは思い込むのにかなり時間がかかったけど認識してしまえばどうにかなった。
できた時やっぱり僕は天才じゃないかと思ったね。
⦅スキル》については十分満足したので⦅ジョブ》に手を出すことにした。今ならどうにかなる気がしたから。
だって僕は天才だからね。
………未来の魔理はのちにこの時のことをこう語った。「あの時はやばかったね。時間感覚壊れてて時間が止まって感じてたし、疲労も感じなくなってたし。
精神状態もイケイケだったからね。こんなこと飛行機事故で死ぬ前とこの時だけだよ…………」
それと《ジョブ》についてのとっかかりは既に用意してる。
僕は何かのコントロール練習時の数えきれぬ睡眠により、中学の体育で教えられた剣道の練習方法を思い出したんだ。
「確かこう手と手を合わせて拝む形にして、このまま腕を振ったら剣の練習になるって先生(名前は忘れた)が教科書片手に言ってたような?」
僕はかすかに残る記憶を必死に思い出しながら
「足の動きはこんな感じだったかな?とゆうか刀の練習方法だけど大丈夫かな?まぁ同じ鉄の棒だし問題ないよね!」
「やること地味だし⦅把握》と⦅同調》、何かのコントロールも一緒にやろう」
「おーこれ体の動作が自然な動きかどうかわかるし意外と効率いいかも」
などと独り言を言いながら練習をいつまでも続けた。
いつまでもと言っても時間感覚なんてなかったけどね
「(……一応弁明させてもらいたい。この時の僕はテンションと感覚がおかしくなってたんだよ。こんな異常な状態はこの時だけだよ。と未来の魔理は必死に言い訳をしていた)」
その頃神くんは
「やっと仕事がひと段落ついたよーー。疲れた〜〜。
そういえば何か忘れてる気がするんだよね〜 。
え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っと〜〜〜〜〜〜確か友達を迎えに行くはずでって…!?
そうだよ、魔理迎えに行かないと!!!
流石に呼ばれてないはずないもん!!!
まずいよ、本当にまずい!!!
魔理が廃人になっちゃうよーーー!!!
てかもうなってるよ絶対!!!
もう時間操作でどうにかなる様な問題じゃないもん!!
どんなに頑張ってもあっちに転生するのに他と一年の誤差が出ちゃうくらいやばい問題だよ!!!」
神くんは混乱した頭で必死に考えた末に
「とにかく迎えに行かないと!!!!まだ奇跡的にぼくが全力で魂を修正したら人の魂のサイズくらいは残せるかもしれないし!!!
待ってて魔理!!今行くから!!」
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