酒の唄

津田薪太郎

第1話

君の隣で今宵を明かし


瓶子のそこまで乾かそう


甘酸いワインの血の色も


灘の下りの清酒も


君の杯あらずんば


水にも等しき味気なさ


なれど杯共にあり


君と二人で酌めるなら


たとい濁った水であれ


儀狄杜康も爪を噛む


今こそ来れ月に影


杯を満たせ酒姫サーキイ


共に交わそう李太白


共に沈もうハイヤーム


酒に溺れて死ぬのなら


たとい地獄に落ちるとも


一片の悔いもあらざりき

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酒の唄 津田薪太郎 @str0717

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