第五十二話 火球の衝撃<後編>
一行が南の
そこには西の
岩は朱色っぽい赤茶けた色をしており、溶岩のように鉱物が高熱で溶けた後に冷えて固まったような形状をしている。
「朱雀塚に着いたけど、朱雀はどこに・・?・・・・・!!?」
はらり、はらり、無数の大きな朱色の羽が天から降ってくると、けたたましい
「今度は何だ!?」
「朱雀!!それに、あれは・・。」
昴が天を
その神聖な炎に包まれた朱雀の巨体に何かが絡み付いている。
「あれは、
暴れる朱雀を鬼が締め上げる。
絡みついたそれは、恐ろしい鬼の
「
叫ぶ昴の後に
「
「そう、そして
鬼が朱雀を
「
凪が鬼を睨む。
「
すると突然、鬼の口が
「怨念ハ
苦しみに
衝撃音が響き渡る。
「朱雀!!!」
衝撃で大地が削られ、朱雀が翼を弱々しくばたつかせる。
白虎が朱雀のそばへ走り寄り、宙の鬼へ
ヌルヌルと巨体をくねらせた鬼がこちらを睨み付ける。
「
ぬらりと鬼の顔が
「おマエラも道連レにしてヤル!!」
さっきまで向こうにあった鬼の顔が、突如、凪の頭上に垂れ下がる。
凪が叫ぶ。
「そんなことはさせない!!」
次の瞬間、鬼が異様な動きで凪に迫り狂う。
--早い!!!
「オトコォォォォォォォ!!喰ってヤルゥゥゥゥ!!!」
凪が左腕の刃で相手の攻撃を弾くと、間髪入れずに第二撃が襲う。
「若様!!助太刀いたします!!!」
双子が凪を援護して迎撃する。
鬼の体に双子の刀が突き刺さる。
鬼が急速に宙を舞い上がる。
「人間!我ノ恨みィィィィィ!!喰ラえ!!」
鬼が背中の翼を羽ばたかせ強烈な風を起こした。
ビュオオビュオオと
「くそっ!!白丸、黒丸!!
凪たちが刀で槍を叩き落とし、体を回転させながらかわす。
「鬼の
再び硬い翼を広げた鬼が、強烈な風と真空の槍を猛烈に降らせる。
襲い狂う槍を凪たちが叩き落とす。
槍が甲高い音を上げて次々と大地を転がる。
白虎が槍を弾いて朱雀を守る。
昴が桜を
鬼の鋭い爪が猛烈に迫る。
「オトコォォォォォ!!逃ゲルナァ!!喰ワセろ!!!」
「ぐぁあああああぁぁぁっ!!!!!」
凪の左腕が鬼の爪を受け止めるが、すぐにその尾で叩き払われる。
双子が地を蹴り鬼の巨体に刀を突き刺す。
昴が鬼の首元に走り込み、妖刀白虎を
「あ阿アァ阿阿ぁぁあああアアァ!!」
鬼が己の巨体を地に叩きつけながら双子と昴を振り払い、再び急上昇した巨体が
無情に降り注ぐ槍の雨が桜を襲う。
「桜ちゃん、危ない!!」
昴が桜を抱きかかえ、地を蹴る。
大量の槍が大地に突き刺さる。
大地が削られ鋭利な
「くっ!!」
際限なく続く槍の雨が昴たちを襲う。
妖刀白虎が次々と弾き返す。
「オンナァァァァ!!お前も喰ってヤル!!!」
不気味な速さで鬼が桜を目掛けて牙をむく。
白虎が鬼に食らいつく。
「グ阿ぁアァァぁ!!!コの獣メッ!邪魔スルなァァ!!!死ネェェェ!!!!!!」
白虎が激痛に
「白虎!!!」
桜が鬼を見据える。
「
「黙レ、オンナァ!!我ニ命令ヲ許さレルのハ
鬼が容赦無く桜に牙を
「桜ちゃんに手を出すな!!!!!」
すぐに昴が鬼の
しかし、鬼の尾が鋭く振り回される。
鈍い衝撃音が響く。
「うあぁあああぁぁああ!!」
桜を庇った昴が叩き飛ばされる。
昴の体が大地に強く叩きつけられた。
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