第四十二話 琵琶法師
私は段々と意識が戻ってくる。
そして、温かく力強い腕の中に抱かれていることに気がついた。
「
目を開けると
「凪様・・・?」
「そうだよ!桜はずっと気を失っていた。」
すると、今度は
「桜ちゃん!!大丈夫?!」
ぼんやりと辺りを見回すと、『儀式』を行った
「昴様・・、私、・・生きると決めました。」
「うん、わかってる。よくがんばったね。」
昴様が優しく微笑む。
「・・
私が言葉を発すると凪様が悔しそうに言う。
「『儀式』の後に封印が解かれ、桜から出てきた
すると、小虎が私に
小虎のふわふわが私を
「・・凪様、・・私も戦いました。」
「わかってる。桜も戦ったよ。」
凪様が私を強く抱きしめた。
すると、どこからともなく
「・・琵琶の音が聞こえますね。」
白丸様と黒丸様が辺りを警戒すると、不思議な声が聞こえる。
「・・ここじゃ、・・ここじゃ。」
気がつくと、私たちのすぐ近くに一人の老法師が琵琶を抱え座していた。
「まさか、
老法師が怪しげに琵琶を弾く。
すると、小虎が
「おお!
老法師が小虎を
「・・もしかして、
「昴殿、ご無沙汰したのぅ。昴殿が
「わしの土地も
「ところで、お主らはこれからいずこへ行かれるのか?」
玄武様が問いかけると、凪様が答える。
「俺たちは
玄武様が
「
私は、はっきりと揺るぎなく答える。
「私も行きます。
玄武様が目を細めると「
「・・そうか。
「ここから東の
再び、
「・・とはいえ、
玄武様が私を見つめる。
「
それを聞いた昴様と双子のお二人が急いで社殿のほうへ向かっていった。
「ところで凪殿、お主の左腕の剣についてじゃが・・。」
「俺の左腕?」
玄武様が凪様を
「・・気をつけなさい、それは
凪様が
「わかってる。俺はこの左腕を正しく使う。
玄武様が目尻の
「その通りじゃ。・・あの双子もお主と同じ心じゃの。」
そして、私は昴様たちが運んできてくれた湧き水を口にする。
水はとても冷たくて、
琵琶が鳴る。
「
「玄武様・・、私は心の弱い人間です。だけど、生きると決めた今は
「・・桜姫殿は清らかで美しい心を持たれておる。心の強さは誠の強さじゃ。お主は
「私が、
「そうじゃよ。」
「昴殿、お主はどうするのじゃ?何のために戦う?」
「俺は娘を守るために戦う。たった一人の大事な娘だから。・・それだけだよ。」
「・・あの
玄武様が「ふぉふぉ」と笑う。
「さあ、そろそろお行きなされ。・・
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