第三十一話 朧月夜の契りの盃<付録>

おうちゃん。」


隣で横になっているすばる様が私の髪を撫でながら問いかける。


「さっきの返事を聞かせて欲しいな。」


「・・さっきの?」


私は眠い目を開けて隣の昴様を見る。


「桜ちゃんに結婚の申し込みをしたでしょ?」


けれど、昴様がからかっているのか本気なのか、私は眠気でどう答えていいのか分からない。


--・・結婚。


だから、私は昴様の唇に自分の人差し指を優しく添える。


「ん?おうひゃん(桜ちゃん)?」


私は「ふふ」と笑う。


「おあずけ。」


私がささやくと昴様が絶句した。


「・・・な、に、それ。可愛すぎる!!」


昴様がぎゅうぎゅうと私を抱きしめて髪に口づけをする。

私は昴様の温かい腕に包まれながら眠りについていった。

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