第二十〇話 星の授け給ふ櫛<後編>
「そして、最後の書・・。最後の禁忌の書は、俺もどこにあるのか中々見つけ出せなかった。書庫も金庫室も親族や
「どこにあったんだ?」
「・・うん、まあ、・・最悪な場所にあったんだけどね。」
昴様は言葉を
再び話を続ける。
「・・最後の書には新月と
昴様が「そして」と続ける。
「桜ちゃんは天文の法則性の中の定められた特別な日、新月と五芒星の重なる日に生まれた。だから『
「昴様・・、どうして私が『櫛』になるのですか?」
私は昴様の言わんとすることが飲み込めずに素直に疑問を口にした。
「書の最後で晴明様が星読みをされている。そこでは桜ちゃんの誕生と未来を占っているんだ。」
--未来?・・私の未来?
「未来について晴明様はこう記している。それは--」
『新月の五芒星より金色の印を給ふ
--新月の五芒星から金色の印を授かる子孫が櫛となり、
--・・『金色の印』って。
凪様が驚いた顔で昴様を見る。
「それって・・、俺の家に伝わる
「うん、恐ろしいくらい酷似している。」
昴様も凪様へ
「『金色の印』という言葉は桜ちゃんの胸に刻まれた五芒星の
「私の胸の痣・・、左胸の・・。これは生まれた時からついていたと母様からお聞きしたことがあります。だけど、体に痣があるのは
私は自分の左胸に手を置いて痣の存在を改めて感じてみる。
痣は生まれた時から私の左胸に刻まれていて、その部分だけくっきりと
「そんなことないよ。桜ちゃんの痣は綺麗だ。『生まれつき』ある痣というのは、生まれる前に神様が授けてくださったものだということだよ。それに、その痣はただの痣じゃない。なぜなら、それは桜ちゃんの持っている特別な力を証明しているからだよ。
私は昴様の言葉を
「でも、私はその力を制御することができませんでした。力があっても何もできなかったのです。」
--私には本当に力があるの?・・あの日、私は何もできなかった。巨大な力に
--・・だから私は、あの力の代わりに封印の呪を使った。
「できるよ。」
昴様が真剣な顔で私にはっきりと言った。
「俺は桜ちゃんが生まれた時からずっと、その痣とそこに秘められた力について調べ回っていたんだ。そしてついにその真実を突き止めた。」
「真実?」
私の左胸の痣がわずかに熱くなる。
「そう、新月の夜に星の配置が五芒星になる日というのは数億光年の奇跡。その日に生まれた桜ちゃんの持つ痣は四神獣の中心、
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