第二十一話 重なる言霊
『
『新月の
二種の言葉を並べながら
「二つの
「ああ、それは偶然に聞いたからだよ。」
昴が館の
「凪は自分の
すると、館の主が感心したような困ったような顔で昴に言葉をかける。
「さすがは昴だな。気付かれないだろうと思ったものの、私もあの時は少し
昴は笑みを浮かべて顔を振る。
「その後、
「その予言を見つけた昴が、私のところを訪れてはしつこく聞かれたよ。私も口秘を言うわけにはいかなかったのだが、
主が
「その陰陽師が予言した内容と我が
--だけど、もう一人そのことを知っている者がいるとしたら?
凪はもう一度
『
「・・昴と父上以外にそのことを知る者はいないのか?」
凪が確かめるように
「もちろん守秘義務はちゃんと守っているから誰にも言ってない。そういうところは職業病なんでね。」
今度は館の主が凪に話す。
「だが、凪が戦でその剣を使ったということも事実だ。剣に隠された真意は分からないにせよ、戦でその剣の存在を知った者はいるだろう。噂にはなるかもしれんな。」
--戦場で俺の左腕の存在を知った者。噂・・。
「とはいえ、その噂についてはどうとでもなろう。戦場での出来事だ。『気が張っておかしな幻覚を見ただけ』と言えばそれまでのことになる。実際に、剣は混戦状態の激戦地でしかほとんど使わなかった、と凪からも報告を受けている。そうであれば人目に触れたとしても問題ない。噂は噂にしかならんよ。」
すると、主の言葉を聞いた昴がぽつりと呟く。
「・・そうだといいんですけどね。」
「いずれにせよ、桜の体に封印された
--俺がどうするのか?そんなこと、決まっている。
「父上・・、いえ、親父、俺は桜を守りたい。そのために
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