第二十二話 重ね合わせた願い<前編>
私は
それは
どうして私が結界の中に置かれていていたのかということも、昴様が家を空けがちだったのかも全てがわかった。それは、今までずっと昴様が私を助けるためにあらゆる手立てを講じてくれていたからだった。
--皆様が私を救おうとしてくださっている。
昴様は
私が封印を開放すれば
それでも私の心は揺らいだ。
あの恐ろしい蛇の影が、あの血生臭い
震えが心の
--私はお二人から強い決意を感じた、だけど・・・
--本当に
私は下を向く。
--・・私は
「凪の心は決まったな。白丸、黒丸、お前たちも凪の側近としてずっと仕えてきたのだ。凪に力を貸してやれるな?」
御当主様が白丸様と黒丸様に問いかけた。
「
お二人が胸に手を当てて深々と一礼する。
「昴、お前の
「ふふ、彼らの剣術は相当ですからね。公家では珍しいくらいです。」
昴様は御当主様に誇らしげに答えた。
「いいえ、大殿、伯父上、私はそのように
「親の期待に応えられなかったのは私も同じです。兄上一人でそのような顔をしないでください。」
白丸様が
すると、昴様が白丸様たちを励ますように微笑む。
「まあ、人には得手、不得手があるからね。公家連中の嫌味は気にしなくていいんじゃない?それに俺は二人の剣技の腕を認めているし、二人とも凪の側近を立派に勤め上げている。それは自信を持っていいことだと思うよ、ね?」
「伯父上・・、伯父上が我らの剣術に目を留めてくださり、こうして縁あって若様にお仕えすることができました。両親は一族の恥さらしを厄介払いできて、さぞ晴々としたことでしょう。それは悔しいことではありますが、代わりに若様をお守りすることが我らの大きな喜びになりました。」
お二人は胸に手をあてたまま昴様に一礼する。
そして、凪様が双子のお二人に親しみを込めて話す。
「俺も白丸と黒丸には感謝しているよ。それに、お前たちが来てから俺にも兄弟ができたようで嬉しかった。」
凪様が言った後に御当主様が続ける。
「私にも息子が増えたようで喜ばしいことだ。お前たちのあちらでの扱いは私も承知している・・。だが、余計なことは気にするな。まわりの
御当主様が白丸様と黒丸様を
そして御当主様が私に向き直り笑顔を向けられる。
「
--私は、どうしたいんだろう?
「私は・・・。」
--本当はすごく怖い、・・でも・・・。
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