第二十三話 重ね合わせた願い<後編>
「私も今すぐ決めろとは無理には言わない。今まで戦と無縁だった娘には荷が重いだろう。だが、時間が無いことも確かだ。
私は御当主様の瞳の奥に強い意思を感じる。
「・・お前なら、できるよ。」
私は迷っている気持ちを隠すように
「
すぐに
御当主様が全員へ向き直って力強く話す。
「それと、
御当主様が
「凪、私を薄情な人間だと思うか?」
「いえ、薄情などとは思いません。父上のお考えは重々承知しています。それに、俺はどのような過酷な戦場でも勝利を手にしてきた男です。例え一人で
そして、凪様が最後にはっきりと言う。
「必ず勝ちます。」
「わかった。私はお前を信じている。」
御当主様がしっかりと
「ついに、
昴様は御当主様の意を
「人から人へ伝えられる言葉には少なくとも人の意思が介在する。そして、人間の意思は『変化』の一つ。人が願えば変化が起きる。人の意思で未来は変化する。つまり、口秘には凪のご先祖様たちの意思が込められているんだ。『いずれ訪れる災を討ち果たし未来を手に入れろ』ってね。」
「未来を手に入れる・・。」
凪様が自分の左腕に視線を止めると
昴様は話を続ける。
「凪の左腕の剣にはご先祖様たちが
--・・未来を手に入れる。
私は昴様の凪様へ向けた言葉を聞いて、自分の左胸の
「そういうことだ。凪、
御当主様の言葉に凪様が
「そして最後に・・、これはお前の父親として言わせろ。」
少しだけ
「凪、必ずここへ戻ってこい。」
「はっ!必ず!この凪は
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